約300文字で綴る恋愛もの~全四幕~
恋愛ものは好きですか?
その問いかけを自分にすることで始まった今回の短編集。
しかし縛りをもうけています。『なるべく300文字以内にする』というゆるい縛りです。単発式ですが、好評なら別ジャンルでも書くかもしれませんが、現在予定はありません。
短編集ということでショートショート形式で四部を収録しています。作者は未熟なのでどこかで見たことのある描写だあ、と思われるかもしれませんが、パクリはしていないはずです。何も見ずに書きましたから(笑)
それでは、お楽しみください。
P.S. あとがきまで読んでくだされば、幸いです。
約300文字で綴る恋愛もの~第一幕・灰色な空のバラ色のクリスマス~
☆◇☆◇☆
ある初冬の肌寒い日に、彼はジャンパーを着て外出した。その際に火の気が無いよう彼は何度も確認した。用心深い性格なようだ。
外は雪が降っていて、月明かりは射していない。お世辞にも『いい天気』とは言えないだろう。しかし、彼はそれを気には留めなかった。別に彼を責める気はないが、普通は天気を見るために、空を見るものだと思う。
しかし、彼はそれを気にする風でもなく、雪にぬれたアスファルトの地面を歩いていく。
そう、彼は急いでいた。何故かといえば、もうすぐクリスマスが訪れるからだ。彼は今から思い人のためにプレゼントを買いに行く。
なので、急いでいるのは気がせ急いているからに他ならない。
もし彼が空を見ていれば、雲間から見える星が綺麗だと思っただろう。
約300文字で綴る恋愛もの~第二幕・君と歩く彩られた世界~
☆◇☆◇☆
その日は沈む夕日が記憶に焼きつくような、
幻想的な夕焼けだった。僕はその日、連翹という黄色い花がプリントされたワンピースを着ている彼女と、紅葉で視界を埋め尽くせそうな並木を歩いていた。
「ねえ、綺麗だよね。この場所も、この町も」
「うん。僕もそう思うよ。いつまでも綺麗だよ、きっと」
本当はここで、髪飾りを着けた彼女に、『君も綺麗。風景によく映えているよ』とか、言いたかった。でも、キザにやって嫌われたくなかったので、言葉を選んで答えようとした。
そんな青春していたときに、不意に風が凪いだ。秋の、少し冷たい木枯らしだった。
約300文字で綴る恋愛もの~第三幕・無邪気な姫と幼い騎士~
☆◇☆◇☆
四月一日の朝、彼女は僕に、こう言った。
「青い薔薇の花言葉を知っている? 不可能みたいな暗い言葉のほかに、夢 叶うなんて明るい言葉もあるのよ。両極端ね」
僕はそうだね、と返す。その花のことはよく知らなかった。だから、知っているふりをして、誤魔かす。
「あら? 今日はまた一段と元気がないわね。お姉さんが悩みに乗ってあげるわ!」
「いいよ、別に」
「そうね。まずはリラックスするところから始めましょう。これをあげるわ」
彼女はそう言って、ポケットからハート型のチョコレートを取り出し、僕に手渡す。
「ていうか、僕そんなに元気がなく見える?」
「ええ。石でも当たれば泣いてしまうぐらいしおらしく見えるわ」
ようやく僕は今日の日付を思い出し、彼女の目的に気づいて苦笑した。何事もほどほどはいいのだ。
約300文字で綴る恋愛もの~第四幕・忘却へと続く夏~
☆◇☆◇☆
8月中旬。お盆前のお話である。
僕は一人の少女と会う約束をした。その子は幼馴染で、気丈で、明るく、人を支援することも、自分から前線に立つことも得意とする、憧れの存在だった。
しかしその彼女と僕は、お盆が過ぎるともう会えないかもしれない境遇にある。だから今日、最後の思い出作りに彼女を呼び出したつもりだ。
あって何を話すのかも決めてなくて、僕自身どうしたいのかも整理できていない。
でも、会いたかった。あって話をしたかった。たとえこれが最後になっても、彼女と過ごせた時間を忘れたくない。会って少しでも思い出を増やしておきたい。
感情が渦巻く中、彼女は少し遠くのほうで手を振りながら、少しづつ距離を詰めてきた。
さあ、始まる。僕の最後の夏が。
この小説を読んでいただき、誠にありがとうございます。
この小説のコンセプトは恋愛でしたが、実は私、メインともいえる小説を他に書いています。
連載小説『イマジンワールド』という題名で書かせていただいておりますので、興味のある方はそちらのほうものぞいていただければ幸いです。そちらはファンタジー小説なのですが、きっとこの短編集を楽しく読まれた方々なら、読みやすいはずとなっておりますので、一度見に行かれては、と思います。
それでは皆様、またイマジンワールドで会いましょう。
P.S. タイトルに最初『全三幕』と書きましたが、誤写なので、本当は『全四幕』となり、直させていただきました。
細かいか、大きいかは分かりませんが、訂正と謝辞をば、と思いここに載せさせていただきました。




