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宙を舞って描くのが望みなり
賢治が少年の頃にはよく、空を飛んで、宙を舞って、あれこれの場所を探検する夢を視ていたものでありました。だが彼が大人になれば、いつしかそんな夢をとんと視なくなってしまったのです。宙を舞うという行為は、ある種の全能感にも繋がるのであり、少年の頃に夢見た全能感を、いつの間にか諦めてしまった、そんな象徴的な事柄なのかも知れない。
ともあれ賢治は今尚、宙を舞うことに憧れ続けていることは変わりがない。彼がどんなに齢を重ねても、宙を舞う願いを抱きつつ、生活を、制作を続けているのです。




