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魔女国の騎士~役立たず認定された聖女(♂)、魔女の国に行く~  作者: 神田柊子
エピローグ

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エピローグ

 今日はハーゲン王国の王太子の結婚式だ。

 ティムはシェリルと共に招待されている。

 王都の教会の聖堂。賓客席に二人で座った。隣の席はバーズキア王国の国王ローランドだ。

 ハーゲン王国の国王(・・)ヴィンセントは最前列に王妃(・・)ヘンリエッタと並んでいる。

 祭壇の前で花嫁を待つ新郎は、ヴィンセントとヘンリエッタの第一子だ。

 ――あれから二十五年。

 四十五歳になるヴィンセントは貫禄ある堂々とした姿を見せている。

 一方のティムは四十三歳のはずだが、青年のままだった。

 ティムの見た目は二十五あたりで成長が止まった。

 もう何があっても驚かないと思っていたが、ヴィンセントから指摘されたときはティムもさすがに驚いた。三十歳のころだ。

「えっ! 本当か? 気のせいじゃねぇの?」

「止まってると思うぞ」

「ええ、私もそう思いますわ」

 ヘンリエッタも同意する。

 薬草栽培で顔を合わせるキャサリンやアイリスにも確認したら、やはり「成長していないと思うわ」と返されて、ティムは受け入れた。

 今は、寿命も魔女くらい長くなっていないか、期待している。

 ハーゲン王国の聖女改革は順調で、平民の聖女も増えた。食いっぱぐれない職業として人気らしい。

 聖女が減っても問題ないように、医療用の魔道具開発や、医療技術の向上、治癒力なしの薬草を材料にした新薬開発など、ヴィンセントは他にもいろいろ進めている。ティムはそれを手伝いつつ、魔女国で気ままに暮らしていた。

 ルビィに乗って遠出して、シェリルから怒られた回数はドロシーの比ではない。

 次はどこに行こうかなどと考えていると、隣のシェリルがそっとささやいた。

「楽しそうね」

「ああ、そうだな。毎日が楽しい」

 にかりと笑うと、シェリルも微笑んだ。


 ――魔女国の騎士と呼ばれたティム・ガリガは、人間の三倍ほどの長い生を全うしたあと、魔女と同じく『魔の泉』に還った。彼の死後、『勇者ティムの冒険』が絵本になり、『勇者リオネルの冒険』と同様に親しまれるのだった。



終わり

最後までありがとうございました。

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