表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/9

6話ー名無しの権兵衛と新しい世話係(1)。

花守優華は牛込家の歴史や掟、牛込まりなの生い立ちなどを、語り出す。

どうやら、牛込家は一般界が魔法界を平定する以前から裏で暗躍する人たちで、策略の裏には牛込家がいると言われたくらいだったらしい。

牛込家は掟で、同士討ちが禁止されている珍しい家系だとも聞いた。

それで同士討ち禁止のルールは非常に厳格で、破った場合は殺されるとも、花守優華は言っていた。

現に3人、牛込家の人間が同士討ちの罪で破門された上、外部の人間を使ってひっそりと葬られたらしい。

牛込家は魔法至上主義を掲げているので、一般界とは相性が悪い。

だから、旧制魔法界の役人を駆り立ててでもゲリラの結成を行ったのだろう…。

その所為で戦争終結後も一般界はゲリラがはびこってる地域に空爆を行ったりしたが…。

それで多くのゲリラや牛込家要人が死んだりしていた。

斗南清二はゲリラに対して、旧王制時代の旗を使わないようにとか、行動を慎みなさいとか、言っていたらしいが一切の効果がなく…。

今の今まで一般界に殲滅されるまで、ゲリラ的な活動が続いていた。

今でこそ、殲滅された影響でゲリラの活動はない。


そう言って、私を裏通りに近づかないように説得した。

私は「それは本当なの?」と訊ねる。

花守優華は「本当よ…。同士討ち禁止したからこそ最大勢力でかつあそこまで強くなれたのよ」と答えた。

私は少し、牛込家の策略を恐ろしく感じた。


しかし花守優華は一つだけ、気になることも言った。

同士討ちの罪で追放されたのは4人であった。とも。

ということは一人は生き延びているのだ…。

私は生き残った一人が気になった。

私は聞いてみた。「生き残った一人はどうして、生き残ったの?」

花守優華は「他の3人は、生まれも育ちも牛込家だったから、牛込の名を名乗れなくなるのに抵抗があって見つけやすかったのだけど…、生き残った一人は養子でかつ名を捨てることに抵抗がなかったのよ。だから、今では名無しの権兵衛を名乗っているそうだが…、決して表には出てこないわ。牛込家に狙われているのは分かっているから」

そして、花守優華は付け加えた「あの男はすごく強い魔法使いだ。牛込まりなでさえ、やり合えば負けそうになったのだから…」

私は気になって「負けそうになった?」と聞いてしまった。

花守優華は少し嫌そうな顔をして「牛込まりなが死にそうになっているところを、私が助けて、連れ帰って手当てしたのよ。あの男は本当に卑怯だから…、今後、私たちに接触を試みるかもしれないわ。だけど、相手にしないようにね?」と言った。


私だって、牛込家の監視能力などの強さは色々とあって知っていた。

しかし、それでも逃げ切れる方に興味が湧いてしまった。


次の日、学校に行く為に送迎の車に乗った。


まっすぐ学校に行くかと思ったら、いつもと違う交差点を左に。

その後も3回左に曲がった。後ろを見た。

見慣れない青い車が後ろにいた。

その後、青い車の助手席側から銃を向けているのが見えた。

私は思わず伏せる。


防弾ガラスに阻まれ、銃弾は弾かれた。

送迎車の運転士は魔法の無効化装置のスイッチを入れる。

すると、何かに気付いたのか後ろの青い車はアクセルを全開で送迎用のリムジンに突っ込んできた。

すごい衝撃だった。

魔法無効化装置の所為で、魔法で身を守ることもままならず、私は大けがをした。

後ろの車からいたはずの運転手と銃を撃ってきた助手席の人員は綺麗さっぱり消えていた。

私は父の意向で、学校関係者でさえ面会を許して貰えない病院で怪我の治療を受けることになった。


現に今回、狙われたことで父が念には念を入れるのは、分かるのだが、少し寂しくもあった。


その後、父親からはぶつかってきた青いスポーツカーは盗難車であったことを聞かされた。

そして私の父、在川浩二は言う。「花守優華が昔、牛込に居て名前を剥奪された名無しの権兵衛が怪しいと言っていたが、名無しの権兵衛を知っているか?」

私は「この前、花守優華から話を聞き、興味は持ちました。しかし、会ったことはおろか話した事すらありません」と正直に話す。

父は「牛込まりなに会ったことはあるか?」と聞く。

私は「あります、牛込まりなとは秀島咲奈と一緒に戦い、相性が悪い秀島咲奈を逃がしました。その後、私は牛込まりなに誘拐されて花守優華に助けられました」と答えた。

父は「ちょっと待て、後半の話は初耳なのだが…」と言う。

私は「聞かれなかったので、初めて言いました」と答えた。

父親は頭を抱えていた。

私は「そういえば、私の送迎をしていた運転手はどうなった?生きてる?」と父の在川浩二に訊ねた。

在川浩二は「怪我はしたけど、無事だから安心しろ」と言って病室から立ち去った。


安全の為に基本、病室から出るなと言われた私は看護師の人が話す、世間話が唯一の楽しみになっていた。

その時、気になる話を聞いた。

同じくらいの年齢の女の子が入院してて、境遇は違うが話が合いそうだよ。と言う話だった。

私はその女の子と話がしたかった。

なので、在川浩二に電話を掛けて許可を貰えるように頼んだ。


次の日、許可が下りたのかその女の子は私の病室に看護師と一緒に来た。

何処かで見たことある顔。

私はもしかして、「秀島怜奈さんですか?」と聞く。

向こうもやっぱりという顔で私に「在川望さん…?」と聞いてきた。

看護師さんが言っていたのはなんと知り合いだった。

それから、私は秀島怜奈から勉強を教わりつつ秀島怜奈の身の上話などを聞いた。

秀島咲奈は、今の両親である秀島透や秀島ミナにも感謝をしている何なら5歳の頃までは一緒に居た本当の両親にも感謝している。

両親が失踪して、居なくなった直後に世話をしてくれた世栄玲奈にも感謝を伝えたいし、手紙を送っているが返事がないという。

悩みがあるらしい。

秀島の両親からは、もう諦めたら?と言われてるが諦めたくない。

病気が分かってからは、よりそう思うようになった。と語った。

確実に治る病気ではあったが、最悪死ぬこともあり得るだけに。

会って、お礼がしたい。と。

しかし、叶わないのかな…。

秀島咲奈は寂しそうな目をしていた。

私は何とか、叶えてあげたかった。

私は在川浩二に電話を掛けた。

在川浩二は電話越しで言う。「世栄玲奈はあの件についてはかなり、引け目というか負い目を感じている。だから、どれだけ懇願されても会わないだろなぁ…」と言った。

私は「嘘をついてでも連れてこられないの?」と言う。

在川浩二は「あのなぁ…。世栄玲奈だって忙しいからな?まだ魔法ラジオの修理だってしているし…、その上、バレたら俺の立場って危うくなるんだぞ…」と言い協力には否定的だった。

秀島怜奈は言う。「どうだった?」

私は正直に「ダメだったわ…」と答えた。

秀島怜奈は「やっぱりね…」と言い、残念そうな顔をしてた。


それから、私と秀島怜奈は何度か会っては話をした。


その日は秀島怜奈のテンションがすごく高かった。

私は訊ねる。「なんか、いいことあった?」

秀島怜奈は「私の退院の日が決まったの!!ねぇ?すごいでしょ?」と言う。

私は「それは良かったわ。私も脚のリハビリで動けるようになったら退院して良いって、先生が言っていたから、近いうちに私も退院出来ると思うわ」と言った。

それから、私は今までやる気の無い態度で取り込んでいたリハビリを真面目に取り組むようになった。

そして、退院の日は徐々に近づき。

私と秀島怜奈は同じ日に退院することになった。


そして、退院の日。

秀島透は、ばったり会った在川浩二にびっくりする。

在川浩二は「こんな所で会うなんて奇遇だな?」と言う。

秀島透は「在川大将こそ、ここで何をしているんですか?」

在川浩二は「僕か?僕は例の件で入院してた娘が途中からリハビリを頑張ったから、今日、退院なんだ。あとここで大将呼びはやめてくれ」と言った。

秀島透は「ごめんなさい、僕は上の娘が体調を崩して入院していたんだけど…、ようやく治ってリハビリも終わったから、今日、退院を認められたんだよね?」と言う。

在川浩二は「じゃあ、時間もあるから僕は行きますね」と言い、そのまま立ち去った。


病院の出口で、再び鉢合わせる。

秀島怜奈は手を振ってくれたので、私は手を振り替えした。

そして、私は在川浩二の運転する車に乗った。

隣にはメイド服を着た見知らぬ女性が乗っていた。

私は訊ねる。「この方は?」

在川浩二は言う。「紹介が遅くなった。新しく雇った世話係の花見朱莉だ。今までの人も居るから、安心していいぞ」

そして、家に着いたら遅れていた勉強を徐々に進め出す。

隣にいた花守優華は言う。「導火線に火が付かないと、対処しないタイプかな?」

私は図星で何も言えない。

そこに花見朱莉が来て、「せっかくやる気を出してやってるのに、そこ邪魔しない」と言う。

花守優華は「ちぇー」と言い、自分の部屋と戻った。


花見朱莉は私に勉強を教えてくれた。

特に私が苦手とする、魔法界で主流の音韻辞典である、正音辞典の使い方を分かり易く教えてくれた。

私は「花見さん、正音辞典の使い方を教えてくれるけど、すごくわかりやすいわ。どうして、そこまで分かりやすい教え方が出来るの?」と聞いた。

花見朱莉は「きっと、あなたもこちら側の人間ですから、苦労が分かります。なので、マスターさえ出来れば、あなただってきっと私と同じように教えることが出来るでしょう」と言った。

私は「どういうこと?」と訊ねる。

花見朱莉は「わたくしだって、正音の習得にはかなり苦労をしました。なので、今こうやって分かりやすく教えることが出来るのです。このようにあなたの苦労もいずれ分かち合ったり、こうやって将来に役に立つこともあります。苦労せずに習得したことは、きっと分かりやすくは教えられないでしょうから」と言った。

私はなるほどと、納得をし更に勉強を進めた。

私は花見朱莉に勉強を教えてもらいつつ、学校へ復帰し。

期末テストの日が来た。

期末テストの結果は今までよりは良い点数だった。

私が浮かれる横で、階段を降りてきた秀島咲奈は暗い顔だった。

私は訊く。「どうしたの?」

秀島咲奈は「テストの点数が悪かったから、きっと叱られる…」と頭を抱えていた。

私は「なんだ、そんなことで悩んでいたの?」と言ってしまった。

秀島咲奈は「私にとっては死活問題なのよ…、どうせその様子だとのぞみんは前より点数が上がったんでしょ?」と核心を突いたような答えを言われてしまった。

私は「そうだけど…、でも、私だって勉強を分かりやすく教えてくれる人に出会わなければ、今までの点数のままだったろうしね…」と答えた。

秀島咲奈は「じゃあ、その人。紹介してよ?」と言う。

私は「そういう人は自分で探しなよ…」と言う。

秀島咲奈は「ケチ…」と言い、そのまま下駄箱へとトボトボと向かっていった。

私は深く溜め息を吐き、そして下駄箱から靴を出して迎えの車へと向かった。


その後も、私は花見朱莉に勉強を教えてもらっていた。

花守優華は私にかまって貰えない所為か、しばらくふてくされていたが…。


勉強が終わった後、母が何処かに電話をしていた。

母が長電話してるのは珍しく、初めて見たに等しかった。

こっそり聞いてみると、どうやら母の実家から掛かってきているらしい。

そういえば、母の旧姓は聞いたことがなかった。

はぐらかされて、しっかり聞いたとがない。

というか、自分で魔法界ではタブーな苗字だ。とも言っていた。

どういうことなんだろう…?



こんな会話も聞こえた。

「名前を変えたって、魔法界へ赴任となるを夫に苗字を合わせたって、娘は娘なのよ?」

どうやら、一般界にいる在川花海の母親が在川花海に会い行きたいということなのだろう。


そして、父親と母親と私と花守優華で夕食を食べているときだった。

母が父親(在川花海の夫、在川浩二)に「明後日に私の父親と母親と妹二人がこっちに来るみたい?なんとか警護を頼めない?」と言う。

父親の浩二は「明後日か…。急だな…。最大限努力はする」と言い、食べ終わるなり書斎へと向かい電話を掛ける音が聞こえた。


私は食べ終わったと、久々に花守優華に魔法のことを家で座って教えた。

実践は無しの座学として。

花見朱莉も教えるのを手伝ってくれた。


そして、明日は3人で魔法演習場へ行って実践練習をする約束をした。


私は明日が楽しみになった。


次の日、朝いつも通りに起きる。

その後、学校へ行くための支度をした。

普通の授業を受けながら、今日の魔法演習の事で頭がいっぱいだった。

魔法界の近現代史の授業だった。

多くの人が読み書きが簡単にできるように、文字改革をしていた時期があり。

それに反対して一般界へと行き、一般界で一般人に信仰心を取り戻させる活動をして評価されている僧侶として、東嗣治が教科書に載っており、その事を先生は熱心に教えていた。


下校時間になって、迎えの車を探して乗った。

運転手は花見朱莉だった。

隣には花守優華もいた。

そして、そのまま魔法演習場へと向かった。


私たち3人は魔法を学びながら昇華させていく。

花守優華は魔法の使える人向けの学校へと行っているが、花見朱莉はかなり、魔法の使い方が上手だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ