表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/9

5話ー相性問題とダマしダマされ届かない心

私と秀島咲奈の乗る車を襲ってきた、女性に攻撃魔法を放つ私と秀島咲奈だったが、私の魔法は謎の女性のバリアをいともたやすく割るのに対して、秀島咲奈の攻撃魔法はバリアに弾かれて届かない。


しかし謎の女性が放った攻撃魔法を防御するとき、私のバリアは壊れないが咲奈のバリアは壊れこそはしないが、バリアを維持するのに私より、より多くの魔力をつぎ込んでいる様子だった。

秀島咲奈の魔力切れは時間の問題だった。


秀島咲奈は生まれて初めて、かなり魔法の相性の悪い相手に出会った。

悔しかった。

でも、勝てるすべが無いなら、逃げるしかない。


私は秀島咲奈にアイコンタクトをする。

その隙に、魔法で跳躍して一気に逃げようとする、秀島咲奈。

相手の女性は気付いているようで、咲奈を追おうとするが私が近接で止める。

相手の女性は「あの子は威勢が良い割りに、私との相性も見ずに飛び出してきたのね」と言う。

私は「あの子には手出しさせない!!!!」と言い、至近距離から攻撃魔法をぶっ放す。

相手の女性は慌てて跳躍して、逃げる。

下にあったテントが攻撃魔法で潰れた。

私と、相手の女性は盛大な空中戦の果てにお互い全ての魔力を使い切って、地上へと落ちていった。

私は相手の女性に「名前はなんて言うの?」と聞く。

へとへとに疲れた様子の少女は「牛込まりな。よ、今更聞くのね…」と言った。

私は「まりなちゃん。私は望。在川望。久々に本気で戦えてて楽しかったわ。これからよろしく」と言う。

牛込まりなは「あなたが在川望でさっき相性が悪いと判断して逃げて行ったのが、秀島咲奈でしょ?それくらい分かって攻撃を仕掛けているわよ…」と言う。

私は「せっかくだし、花守優華に会っていかない?久々の再会に優華も喜ぶと思うわ」と言う。

私は電話で花守優華を外まで呼び出す。

理由は私の父親は警備上の理由で牛込まりなの来宅を拒んだからだ。


花守優華は牛込まりなを見つけた途端、手を大きく振って「久しぶり~元気にしてた?」と言う。

牛込まりなは「帰ってきてよ…」と花守優華に言う。

花守優華は「私は夢だった魔法の勉強をさせてもらってるわ…、あなたならあの街の無秩序を秩序ある街に変えられるわ」と言う。

牛込まりなは涙目になりながら、「優華がいなくなってから無秩序がひどくなっているのよー。だから、本当に戻ってきて…」と言う。

花守優華は少し考え込んでから、「私は戻らないわ…。あなたなら何とかなるって信じているから」と言う。

牛込まりなは「協力してくれると思ったけど、見損ないましたわ…。この国賊が…」と言い、その場を立ち去った。

花守優華は一人涙を流した。


その頃、私は外で暇をしていた。

花守優華が戻ってきて、「ごめんね、待たせたね…」と言う。

気丈に振る舞っているが、明らかに泣いた後だろう。

目が腫れていた。

私は敢えて何も触れずに、そのまま家へと一緒に帰った。


次の日は休みだった私は花守優華を誘って、魔力演習場へと向かった。

気晴らしになるかなと思ったので。

私は杖を使いながらの詠唱魔法を放ち一つにする方法を教えた。

花守優華の飲み込みは早くて、すぐに覚えてモノにした。

私は思う。

やっぱり、花守優華は私なんかよりよっぽど素質があるね…。

これが純血の力か…。


その日はそのまま家に帰って、私は魔法の勉強をすることにした。


花守優華は一人普通の勉強をこなしていた。


私はふと、ラジオに使われる魔法石のルビーの原価が気になった。

私は携帯電話を開き、それで調べる。

しかし、どこの会社も幾らで発注を掛けられるかまでは書いてなかった。

私は「どこもBtoBね…」と呟いた。

その言葉を聞いたら、花守優華は「あれ?魔法の勉強をしていたんじゃ無いの?」と言う。

私は言い返すように「魔法石の原価を調べていたわ」と言った。

花守優華は「ラジオでも自作するの?」と言う。

私は「ちょっと、気になっただけよ」と言った。

花守優華は「まぁ、そういうことあるよね?私もあるから分かるわ」と言った。

ふたりはどちらからとも無く、お互い勉強に戻った。


次の日、学校へ行ったが。

秀島咲奈に会ったが秀島咲奈は私に一切声を掛けずに通過していった。

どうやら、まだかなり怒っているようだった。

私はどうして、いいか分からないままだった。


その後、秀島咲奈が私の下駄箱に手紙を入れていた。

私はその手紙をすぐに確認をする。

放課後に裏に来るように書いてあった。


私は仲直りが出来るならと思って、そのまま裏へと向かった。


しかし、裏に秀島咲奈は居なかった。

私は上に秀島咲奈じゃない気配を感じた。

これは罠だった。

そう気付いたが、遅かった。


私は誰かに、何処かへ連れて行かれてしまった。

私が気付いたのは、それからだった。

湿っぽい建物の地下だろうか?

目の前に殺気を放つ女性がいた。

私はその女性に見覚えがあった。

それは牛込まりなだった。

私は「まりなさん…、なんでこんな事を…」と言う。

牛込まりなは「全ては花守優華を取り返すために」と答えた。

牛込まりなの決意は固い。

そう、感じ取れた。

私は何とか、花守優華を返さなくていい方法を模索しようと思考を巡らした。

牛込まりなは魔法で私の思考を読んだのか、「そんな方法、考えても無駄よ」と言い魔法を放ってきた。

私は体をよじらせて何とか直撃を避けた。

椅子に体を拘束されているので、明らかに不利だ。

こんな状況じゃ、魔法すら放てない。

秀島咲奈はきっと協力者だろうから、助けに来ないだろう。

花守優華はまだ学校だ。

状況は絶望的だった。

花守優華が学校を終えて帰ってくるまで持ちこたえるしかない。

自信はないけど。

私は何とか、何度も放たれる魔法を回避し続けた。




その頃、花守優華は学校にいたが…。

望が死んでしまうのではないかと、ずっとヒヤヒヤしていた。

それなので、学校が終わると一目散に在川望の監禁場所へと向かっていた。

花守優華はそっちの街出身だったので、その辺の土地勘は在川望よりはあった。


花守優華は盛大にドアを蹴破った。

そこには椅子に縛られる在川望と、在川望に何度も魔法を放って仕留めようとする、牛込まりなの姿があった。


花守優華は牛込まりなに魔法を放って牛込まりなを瞬時に眠らせた。

そして、在川望を縛るひもを切って在川望を助けてそのまま家へと、帰った。



その頃、秀島咲奈は牛込まりなと手を結んだのはやり過ぎだったと思い反省中だった。

父親の秀島透に叱られたのだ。

相性が悪い相手を上手いこと、使ったつもりではあったが…。

要するに、利害の一致だったのだが…、しかし恩を重視する秀島透などは自分の娘がゲリラが暗躍する以前から裏の人間の娘でかつ主導的な立場を取っていた牛込の娘と手を組むのはいただけなかったのだろう。

勘当されても困るので、秀島咲奈は渋々要求に従った。



咲奈の身を案じた、専属のメイドは咲奈にアドバイスをする。

「お嬢様、恋は盲目と言いますが、相手の気持ちを汲まないとストーカーと同じで捕まりますよ。一度、立ち止まって考えてみられたらどうでしょうか?」

秀島咲奈は「うるさい、そんなの余計なお世話よ!!!!」と言い泣いて自分の部屋へと行ってしまった。

秀島咲奈だって分かっていた。

もう、望の心が私(秀島咲奈)に戻らないことを。

自分の行動が独りよがりである事も、そして、何より自分の気持ちが止められないことを。


その為、秀島咲奈には牛込まりなと同じく在川望が敵として目に映っていた。


牛込まりなからは花守優華を奪った人として、秀島咲奈からは自分という存在がいたのに花守優華に浮気をして、鼻の下を伸ばす存在として。




その頃、花守優華と私は帰りが遅くなったことを母に責められていた。

すごく、心配をしたと。

私はその割には助けてくれなかった。とか思いつつ、仕方なく謝った。

花守優華はまだ、私の母である在川花海とのつきあい方は模索中であるのか。

今日のことは、何も言わなかった。


私は二人きりなってから、花守優華に「なんで、今日のことを言わなかったの?」と訊ねる。

花守優華は「望さん的にアレは言っても、良かったの?」と驚いた顔をしていた。

私は「うーん…」と言い考え込んだ。



次の日、学校で秀島咲奈と私は顔を合わせるのですら気まずかった。


秀島咲奈は再び、在川望の下駄箱に手紙を入れた。


下校時間になって、私は靴を出すために下駄箱を開ける。

下駄箱から、手紙が落ちてきた。

私はその手紙の封を切らずに持ち帰った。

昨日の今日でまた、だまし討ちに遭ってもいやだったので。

封すら切らなかったのは中身を見ると淡い期待をして、また同じ過ちを犯しそうだったからだ。

そのまま、一直線に校門へと向かったら秀島咲奈が追いかけてきた。

私はそれを見ない、見えないフリをして送迎の車へと乗り込んだ。

秀島咲奈のうなだれる様子が分かる気がしたが、その現実を見ると声を掛けてしまいそうであったから…。

だから、私はあえて一切目を合わせなかった。


私は家に帰ってから、秀島咲奈が私の下駄箱にいれた手紙の封を切った。


私は家に帰ってから、手紙の封を切ったことを後悔した。

何故なら、紙が涙で濡れた後があり。

インクが滲んでいたからだ。

内容も今までの行動を反省する内容だったからだ。

それでも私は決心がつかなかった。

今まで通りに声を掛けるべきか。

その時、後ろから花守優華が来て言う。

「望さんの方から声を掛けてあげれば?」

私は「でも…」と及び腰だ。

花守優華は「でも、明日にでも声を掛けないと、謝らないと…。この子との関係を一生失うことになるわよ?友達だったんでしょ?だから、謝らなくても声を。今まで通り挨拶だけでもしてあげれば、失うことにはならないわ」と言い、私に明日までに決断をするように促した。

私は「わかったわ…。優華がそこまで言うなら、そうするわ」と言い、次の日、挨拶くらいはすることにした。



次の日。

私は学校で秀島咲奈を見つけて、「咲奈、おはよう」と言い声を掛けた。

すると、咲奈は泣き出した。

なんか、私が悪いことをしたみたいであった。

すると、咲奈は泣きながら「こんな私でも愛してくれますか?」と言う。

私は「愛すも何も、私たち友達じゃない?少し関係が冷えたりもしたけど、友達じゃない…」と言う。

咲奈は「そっか…そうね…。私たちは友達だよね…」とどこか少し寂しそうな目をしていた。


私と秀島咲奈は送迎の車の都合で、今日は一緒に帰る日だった。


車の運転士は秀島咲奈を安全に降ろして、見送って。

運転席へと戻り、私を家まで送り届けてくれた。

私は運転士に「ありがとう」そう言ってから、車を降りた。


家に帰ると、花守優華が真剣な顔で私を手招きしていた。

花守優華は言う。「これからは裏通りに近づかない方がいいわ。牛込と敵対するとはそういうことだから」

私は「え?どうして?」と自然に訊いていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ