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4話ー喧嘩と奇襲

書いているときは真夏で暑さ故に、夏にほだされました…。

なので、夏のお話ですが…。

文章のチェックをせずに放置していたら、秋になってしまいました…。

もう少し早くあげていたならば…。

今日はなんだか騒がしい。

私は、朝に見たニュースが気になっていた。

魔法界の反戦画家、花立くくりの未公開作品が見つかったらしい。

花立くくりは終戦から3年後に筆を折った上、自殺をし、死後に一般界側で有名になった画家であった。

花立くくりが話題になる度に、その姉である花立ミカの話が少しばかり取り上げられる。


花立ミカは今もまだ存命な元国王に気に入られて、あまりに早い出世だったようだ。

しかし、魔法界の先制攻撃による開戦後、劣勢になった魔法界を俯瞰で見ていた花立ミカは停戦を実現しようと、文章作成中に迫り来る一般界の軍に包囲されてしまい。

住んで地域が陥落。

その結果、住民に魔法界の一等書記官である事をバラされて、一般界の軍人に処刑されたという。

その死の間際も「妹は関係ないから処刑しないでくれ」と言い姉妹愛で語られているが…。

そんな美徳、美談で語り継げるなら、花立くくりは自殺なんかを選んでいないだろう。


しかも、他の処刑された魔法界の役人は花立ミカより位は下なのに、豪華な家に住み使用人がいた。

しかし、花立ミカは質素なアパートに住んでいたらしい。

持っていた高級品は、タイプライターと万年筆くらいであった。

そのくらいは書記官の仕事をするために必要な装備でもあった。


送迎の車の中でそのニュースについてずっと考えていた。


しかし、その思考もすぐに途切れてしまう。

無線が入ったのだ。

在川浩二の送迎にも使われるこの車には万が一に備えて、軍用の無線が積んであるので、指令の状況などが筒抜けであった。

良く聞くと、一般界が管理をしている帝政時代の魔法界の公文書を保存している公文書館から、文章が盗まれた。という話が入ってきた。

私は、嫌な予感がした。


学校に行くと、秀島咲奈が「のぞみんどうしたの?」と声を掛けてきた。

私は「いや、なんでもない…」と答えた。


ホームルームの時間も上の空で、チョークが飛んできて初めて我に返った。


そういえば、今日は水泳の授業があるとか、秀島咲奈が言っていた。

なんで、私のクラスの時間割を把握しているのかは分からないが…。

そういえば…。

と思って、鞄を確認すると自分では入れた覚えの無い水着が入って居た。

おそらく、メイドが入れてくれたのだろう。

普通の授業は退屈で寝てしまいそうだったが、何とか頑張って5時限目だった。

私は泳ぎが苦手だったので、そのまま見学しようと思っていたが…。

着替えずに、そのまま見学の位置へと座った。

しかし、今日はいつもの二年の生徒と一年生の筈の秀島咲奈がいた。

私は驚いて「咲奈がなんでここに!?」と言う。

咲奈は「私は水泳が得意で1年の授業では、教えることが無いからね?今日から2年と一緒に水泳の授業を受けることになったのよね。水泳部にも誘われてて今日、体験入部をするわ」と言う。

咲奈は続けて、「その格好のままって事は見学をするつもりなんだろうけど…、そんなことを繰り返していたら、太るよ?」と言う。

私は「余計なお世話よ!!!」と言い、咲奈の方を睨む。

私はそのまま見学を続けて。

6時限目の半分まではプールが使えるので、そのまま2年と一人1年が水泳の授業を受けていた。

すると、秀島咲奈が上がってきて。

私の手を握る。

私は「やめて、濡れるから」と言う。

しかし、秀島咲奈はそのままずりずりと私をプールの方へと引っ張った。

私は「やめて…、落ちてしまうわ!!!」と言う。

しかし、秀島咲奈は引っ張るのを止めない。

私は着衣のままプールに落ちた。

変なドキドキから酸素をいつもより早く消費してるのが分かった。

徐々に息が続かなくなる。

蘇るあの日、花守優華を助けられなかった記憶。

全ての息を吐き出して死にそうなったときに、誰かの唇が自分に当たった。

そこでかろうじて意識を取り戻す。

そして、急激に浮上していくのが感じられた。

引き上げていたのは、秀島咲奈だった。

それも私に口づけをしたまま。

私は秀島咲奈を引き離し。

「なんで、私をプールに落としたの???」と秀島咲奈に詰め寄る。

秀島咲奈は「のぞみん向けの着衣水泳の実践練習よ?」と言う。

私は「危うく死にかけたじゃない」と憤る。

秀島咲奈は「これだから、泳げもしないひよっこはかわいいのよ」と言う。

私は感じた。

こいつは壊れている。

狂っている。

騒ぎになっていたので、先生も駆けつけた。

私が事情を説明すると、秀島咲奈はこっぴどく叱られた。


その後、私は迎えの車に乗って帰った。


秀島咲奈は、水泳部の体験入部のために学校のプールでそのまま泳いでいるようだった。


私は今日あった散々な出来事を車を運転するメイドに伝えた。

メイドは「サボって無ければ結果は変わったかもしれませんが、お嬢様も大変ですね…」と言い同情はしてくれたようだった。

家に帰ると、父の在川浩二が悩んでいた。

私は「どうしたの?」と聞いた。

父の浩二は「旧公文書館から文章が盗まれたのだが…、盗まれたモノが不可解でね…」と言う。

私は「もしかして、花立くくりの姉関連の文章が盗まれたの?」と言う。

父の浩二は「どうしてそれを…」と言う。

私は「何となく、そんな気がしただけ」と言う。

父の浩二は「それも花立ミカの作成した文章全てがごっそり持って行かれている」と言う。

私は「元国王が怪しくない?」と言う。

父の浩二は「それはそうだけど、証拠もないし、それくらいで事情聴取をしたら今後の統治に関わるから、あんまり強硬策は取れないんだよね…」と言う。

私は「色々、大変ね…」と言う。

そして、父は私の濡れた制服を見て言う。「そういえば今日は雨は降っていないが、どうした!?」

私はありのまま「プールの授業を見学していたら、秀島咲奈にプールに落とされたの」と答えた。

父の浩二は「あれ?秀島咲奈は1年だよね?なのになんで2年の望と一緒に授業を受けているんだ?」と言う。

私は「咲奈は体育の成績が優秀だから、2年と一緒に体育の授業を受けてるみたいだよ?」と本人から聞いたことをそのまま言った。

父の浩二は「そうか…。そんな事もあるのか…」と言い、その場を立ち去った。


私は自分の部屋へ戻って、着替えを済ました。


その後、花守優華と一緒に魔法演習場で花守優華に魔法を教えた。

花守優華は親切にしてくれる、在川望に惹かれていっていた。

私は花守優華の表情が前より少し明るいことに気が付いた。

しかし、それは自分の胸の中にしまって。

自分だけの秘密にした。

私たちは門限の時間が近づいたので、二人箒を出して帰路につく。

私は聞く。「杖を使う魔法と詠唱系の魔法。優華はどっちが好き?」

花守優華は「私は杖を使う方かな?詠唱は小難しいし…」と言う。

私は「杖を使いながら、同時に詠唱をするともっと強い魔法が出せるの。だから、今度一緒にやってみない?」と言う。

花守優華は「うん、教えて欲しい」と答えた。

私たちは門限ギリギリで家の門を通過する。


母は「今日はやけに遅かったのね」とぽつりと一言。

そして母は「これからは暗くなるのも早いから、気をつけなさいよ」と続けた。


事実、日は少しずつ短くなっていた。

私は「分かったよ」と答えて自分の部屋へと向かった。

久々に花守優華とのお出かけで嬉しくて嬉しくて。

その日は、なかなか眠れなかった。


次の日、眠い目をこすりながら学校へ行くと。

明らかに不機嫌な顔をした秀島咲奈が居た。

いつもは秀島咲奈から挨拶をしてくるが、全くしてこない。

私は「おはよう、咲奈」と言う。

秀島咲奈は「おはよう、在川さん」と言い、そのまま立ち去った。

私は秀島咲奈とは気まずいので、二人きりで居たくなかったが…。

そういう日に限って、送迎の車の都合で秀島咲奈と帰る日だった。

私は昼休み、一人ぼーっとしていると。

秀島咲奈に呼ばれた。

秀島咲奈の表情は明らかに怒っている。

私は渋々ついて行く。

秀島咲奈は「なんで、私よりあの女が良いの?」と言う。

私は「どういうこと?」と答える。

秀島咲奈は「私のことはかまわずに、ずっと花守優華ばかりかまっているじゃ無い…」と言う。

私は「別に咲奈のことが嫌いになったわけじゃ無いわ」と言う。

秀島咲奈は「嘘だ。私への恋愛感情は消えたくせに」と言い私に詰め寄ってきた。

私はとっさに逃げるが、行き止まりだ。

秀島咲奈の目は殺気を帯びていた。

後ろから、先生が来て秀島咲奈を引き離す。

秀島咲奈は言う。「話はまだ終わってない」

先生は「もう授業が始まっていますよ」と言い、ずるずると引きずられて行った。


帰りの車、二人はとても気まずかった。


運転手は淡々と車を運転し、おのおのの家へと車を進める。

秀島咲奈が運転手に言う。「魔法使いが一人、この車を尾行しているわ」

運転手は全ての魔法を無効化する装置のスイッチを入れた。

結界タイプの奴だ。

これを開発したのは世栄玲奈と斗南華の二人らしい。


後ろで轟音が響く。


攻撃されたのだ。


見知らぬ若い女の子が私たちの車の上に魔法で宙に浮いた状態でいた。

そこから杖と高速詠唱を駆使して、一撃を当てようとずっと攻撃魔法を絶え間なく撃ち続ける。

運転手は本部へと指示を貰おうと、通信機を使おうとする。


すると、若い女の子は降りてきて車に近づいてきた。

運転手は銃を構える。

運転手といえども、要人の娘の送り迎えをするくらいだから銃器は扱えるのだ。

すると、その若い女の子は「花守優華を返せ、返すのであればこれ以上の攻撃はしない」そう言った。

運転手は事情を知らないので、困っていた。

私は花守優華でさえ、素質はあるのに魔法を扱うのが下手だったことを考えると、あそこまでの攻撃魔法や杖を使いながらの高速詠唱。

裏で誰かが、あの女の子に魔法を教えた人が居る。

すなわち黒幕が誰かいる。

そんな考えがぐるぐる回っていた。

「一緒に戦うよ!!!」

秀島咲奈の呼びかけで私は我に帰る。

私と秀島咲奈は運転手の制止を振り切って、車の外に出て戦う準備を始める。

「私たちが相手よ!!!」

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