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1話ー花守優華との出会い

私は学校で迎えの車を待っていた。

しかし、待てど暮らせど来ないので歩いて帰ることにした。


しかし、いつもは迎えの車を待って帰っていた所為で帰り道も分からずに迷子になってしまう。

道を間違えて、裏通りに行ってしまった。

そこで寝ている男の足を踏んでしまった。

私は「ごめんなさい」と謝る。

その男は言う。「ええとこのねえちゃんがこんな所になんの用だ」

私は正直に言う。「道に迷ってしまって…」

私は後ろにも気配を感じた。

いつの間にか男衆に囲まれていたのだ。

私は恐怖のあまり何も出来ない。

すると、上から声がした。

それは女性の声だった。

「迷い人に寄って集って、感心しませんねぇ」

男衆は魔法で応戦するが、その女性は飛ばされてくる魔法を避けて男衆の一人に蹴りを加えた。

「ぐへぇ」と言って動かなくなった。

その女性は一人で男衆達をバッタバッタと倒していった。

結局、全員が倒れていた。

私は言う。「ありがとうございます…」

その女性は言う。「今度から、あぶないところには近づかないようにね?私がいなかったら、きっと死んでいたわよ?」

私は「名前を教えてもらってもいいですか?」とその女性に言う。

その女性は「花守優華よ。だけど、私とは関わらない方が良いわ」と言って立ち去ってしまった。

私は「今度、お礼させて下さい」と言う。

花守優華は手振るだけで、何も答えずに何処かへ行ってしまった。


私はポカンとしていた。

その時、ポケットに入れていた携帯電話が鳴った。

私は出た。

それは父親の軍人仲間からだった「お嬢様、今どこですか?」

私は近くの看板を見て「マイスター通りの3丁目です」と言った。

その直後、軍用車が在川望の近くに来た。

一人の軍人が降りてきて、私に話し掛けた。

「もう、お嬢様。心配したんですからね?」と言ってそのまま軍用車に乗るよう促した。

そして、私は軍用車に乗って帰った。

在川花海は帰ってきた私に対して言う。

「あれほど、迎えの車を待つように言ってるのに…、なんで今日に限って待たなかったんですか。まぁ、無事だったので良かったのですけど」

私は言う。「いつも以上に、迎えの車が遅いから…」と言った。


私はあの銀髪で綺麗な女性。

花守優華が忘れられなかった。



私は父親で軍人である、在川浩二に「明日から迎えの車はいらない」と言った。

在川浩二は「あれだけ嫌いと言って乗らなかったバスに乗って帰るのかい?」と笑いながら言う。

私は「歩いて帰りたいの!!!」と言う。

在川浩二は渋い顔をして、「今回のように危ない事件に巻き込まれたり、するからダメだ」と強く言う。


次の朝、いつものように車が用意されているが乗るのを私は拒否する。

在川花海は強引に私を車に押し込んで、そのまま登校させることにする。


車を見送って花海は言う。「これからはあの子に魔法技術を教えるのを控えるわ…」

在川浩二は言う。「どうしてだい?」

花海は「いつか私が力技で勝てなくなっていくだろうから」と言い微笑んだ。


学校ではその頃、秀島咲奈が私の席に座ってた。

私はいつも持ってる辞書で秀島咲奈の頭をこ突く。

秀島咲奈は「辞書で叩かなくてもいいじゃん?」と言う。

私は「自分の教室に戻りなさいよ?学年も違うんだから?」と言う。

秀島咲奈は突然「望先輩、恋をしてますね?」と言う。

私は「しっしてないから。あんまり変なこと言うとコンパスで刺すわよ?」と言う。

秀島咲奈は言う。「その反応は、いい人を見つけたな?」と言ってからかおうとする。

始業のチャイムが鳴る。

入ってきた先生は魔法でチョークを飛ばし、秀島咲奈の額に命中させる。

粉が飛び散り、私まで真っ白だ。

私は秀島咲奈に「ちょっと私まで、巻き添いじゃない」と言い怪訝な目を向ける。

秀島咲奈は「ごめんごめん、じゃあ戻るねー」と言い行ってしまった。

先生である湯河ひろみは「連帯責任ですよ?」と言いホームルームを始めた。


授業中も脳裏に焼き付いていたのは、昨日見た花守優華の姿だった。

終わりのホームルーム時間、私は先生である湯河ひろみに呼び出された。

私は「何ですか?用事って言うのは」と訊ねる。

湯河ひろみは「このプリントの校閲を頼みたい」と言った。

私は言う。「私だって、暇ではないんですけど…」

湯河ひろみは「頼めるのは望ちゃんくらいしか、思い当たらないからよろしくね?」と言い逃げるように他の先生と打ち合わせの為に立ち話をしだす。

私は半ば強引に一般界文の校閲を頼まれてしまった。

私は一般界文の成績がトップだったので、頼まれるのも仕方ないと思ったが、少し嫌な予感がした。

私はスマートフォンで電話を掛ける。

相手は秀島咲奈だった。

秀島咲奈は言う。「もしもし?望、どうかした?」

私は言う。「今日、そっちに行っても良い?」

秀島咲奈は「いいよ?だって、私たちは親公認の仲だもんね?」と言う。

私はそれってどういう意味?って聞き返したいのをぐっと堪えて「へぇ…」とだけ答える。

秀島咲奈は「いつもの望なら、真っ先に反論するじゃ無い?どうした?今日は元気ない?」と言う。

私は「取りあえず、帰りに寄っていくから」と言い電話を切った。

私は迎えの車に乗って、運転手に言う。

「秀島咲奈の家に寄ってちょうだい」

運転手は「わかりました…」とだけ答えて車を走らせた。


秀島咲奈の家に着いた。

運転手に「ありがとう」と言い車を降りて、秀島咲奈の家の門をくぐる。

秀島咲奈は手を振って在川望を迎え入れる。

秀島咲奈はメイドにお茶を持ってくるように言う。

メイドは二人分のお茶を持ってきて、机に置いた。

私は先生に渡されたプリントを見せて、「一緒に手伝ってくれない?」と言った。

秀島咲奈は「えぇ、私は魔法詠唱用に使う言語の方が得意だし、こういう漢字混じりの文は専門外かなー」と言って部屋を出ようと後ずさりをし始める。

私は杖を出して、秀島咲奈を拘束魔法で拘束する。

私は「私は杖を使った魔法の方が得意なのよね?だから手伝ってくれるよね?」と言う。

秀島咲奈は「お姉ちゃん助けて!!!怜奈の方が一般界文は得意でしょ?」と言い、秀島怜奈を呼ぶ。

秀島怜奈はドアを開けて、チラッと覗いて「あとはごゆっくり…」と言い立ち去ろうとする。

秀島咲奈は「一般界文以外の勉強は出来ないくせに!!!!」と叫ぶ。

秀島怜奈はドアをゆっくり開けて、「まるで私が勉強も出来ないろくでなしような言い方ね…」とだけ言い再び、ドアを閉めて立ち去った。

秀島咲奈「ひとでなし…」と言った。

秀島怜奈は聞いていたが、面倒ごとに巻き込まれるのが嫌だったので再びドアを開けることは無く、そのまま立ち去った。

私は「手伝ってくれるよね?」と言う。

秀島咲奈は「分かったから、取りあえず拘束を解いてくれない?そうじゃないと読めるモノも読めないから…」と言う。

私は秀島咲奈に掛けた拘束魔法を解いた。

その隙に逃げよとする、秀島咲奈。

しかし、再び拘束魔法で秀島咲奈は拘束されてしまった。

私は「取りあえず、逃げるならこのまま頼もうかしら?」とそう言う。

秀島咲奈は「その目が全く笑ってない笑顔。怖いから、やめて…」と言い、拘束された状態で文章の校閲を手伝うことにした。


私と秀島咲奈は拙い感じの一般界文を慣れた手つきで直していった。

しかし、内容があまりにも固すぎるのだ…。

秀島咲奈は言う。「これって絶対恋文だよね…」

私は「そうだね…」と言い、遠くを見つめていた。

昨日、出会った花守優華のことが気になったのだ。

私は「じゃあ、あとはよろしくね?」と言い、

秀島咲奈は言う。「え!?何を!?」

そして、私は「裏口から出るのは内緒ね?」と言いそのまま裏口を目指して走って行った。

そうして私、在川望は無事に裏口から秀島家を脱出し、この前に会った花守優華を探しに出掛けた。

そろそろ暗くなって、夜の町はより危険になる頃合いの時間だった。


月が空に燦然と輝いていた。


月明かりに照らされた銀髪の少女が居た。


私は「花守さん!!!」と呼びかける。


その少女は振り返って言う。「また、こんな所に来て…。あなた暴漢にでも襲われたいの?」

私は言う。「あの、花守さん、優華さんに会いに危険を承知でここまで来たんです」

花守優華は「もう、世話が焼けるわね!!!!私がこの世で一番嫌いなのは…」と言い、大きく息を吸って「面倒ごとなの!!!!!」と叫んだ。

私は花守優華の懐に入って言う。「うちに来て、一緒に暮らさない?」

花守優華は「汚い!!!やめて!!!」と言う。

私は「私は毎日お風呂には入って居るし、服もほぼ毎日着替えているわよ?」と言う。

花守優華は黙り込んだ。

私は言う。「やっぱり毎日はお風呂にも入って居ないし、洗濯もままならない感じでしょ?私の家に来たら、そんな悩みも全部解決するわよ?」

花守優華は言う。「あんたみたいに生まれたときから、お手伝いさんが居るような家柄の子には分からないと思うけど、私の家は没落していったの…。だから、洗濯だってお風呂だって毎日するのは困難だし、だからこうやって路上生活を続けて居る訳なんだけど…。まぁすり寄ってきたときは、よくこんな汚い体にすり寄れたね。とは思ったわ」

私は「美少女の匂いならどんなニオイでも不快にはなりませんわ」と言い花守優華を見つめる。

花守優華は「キモ、近寄るな!!!!!」と言い逃げようとする。

私は走って、花守優華の手を掴んだ。

花守優華は「やめろ離せ、気持ち悪いんだよ!!!」と言い、全力で抵抗をする。

「私…。もう諦めるわ…」と言いその場に座り込んだ。

涙が自然とこぼれていた。

花守優華は「あぁ、泣かないでくれ、私が悪いみたいじゃないか…」

私は「だって、悪いわ。私の提案を全て断ったんだからね」と言う。

しばらくして、軍用車が近くに止まった。

後席から在川浩二が降りてきた。

在川浩二はその女性を見た瞬間ギョッとした。

それは3年前に戦闘の末、部下が殺したゲリラの兵士の娘だったのだ。

幸いその女性は、小さかった故か在川浩二を知らないようだった。

在川浩二は「行くぞ、望。家で話はたっぷり聞こう」と言い、力ずくで車へと引っ張っていく。

魔法を使おうにも在川浩二は用意がよく、魔法を無効化する装置をちゃんと持っていた。

魔法使いは魔法が使えなきゃ“ただの人”なので、力の差で車へと乗せられてしまった。


在川浩二と私は車の中では地獄の空気だった。


???「解放されてよかったですねボス」

花守優華は「絶対に次も来る。私の直感がそう言ってるから、だから、気をつけてまりな」と言った。

花守優華は頭を抱えていた。

牛込まりなは「優華さんが可愛いから、誰かに取られたらって考えていたけど、あの娘なら安心ですね?家柄も良さそうですし」

花守優華は牛込まりなのこめかみをこぶしでぐりぐりとした。

牛込まりなは「痛い痛い!!!!」と叫んでいた。




在川浩二は私を椅子に座らせて「あれは誰だ」と言う。

私は「あの娘に助けてもらったの」と言う。

在川浩二は「それで、名前は?」と言う。

私は「花守優華。家に招きたいけど良い?」と言う。

在川浩二は「花守か…。ゲリラ兵士の娘だな。だから関わるのは止めなさい」と言う。

私は諦めきれないので「私が会いに行くのはいい?」と言う。

在川浩二は「今後、一切関わるな。以上」と言い、立ち去った。


その頃、秀島咲奈は在川望の杖から出された拘束魔法が解けずに困っていた。


「お風呂にも入りたいのに、どうするのよ…。これ」

そこへ秀島咲奈の母親であるミナがやってきて言う。「このタイプの魔法は私、解けるわよ?」

秀島咲奈は「お願いします…」と土下座をした。

すると、いとも簡単に在川望の掛けた拘束魔法を解いた。

ミナは「自分で掛けた魔法の後始末すらしないなんて、お行儀が悪いわね…」とだけ言って、立ち去った。

在川望が先生から頼まれた一般界文を鞄のクリアファイルにしまって、次の日、自分一人で先生に渡してやると思う秀島咲奈であった。

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