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星にふられる夜に
大杉と別れたあとに
言い知れぬ高揚感にかられた。
あのままもう少し話していたかった訳でも
大杉に会えたことが嬉しかった訳ではない。
なぜなら、話してる最中には背徳感まで感じて
話をできるだけ平和に、自然に切り上げることに
全集中していたのだから。
只々、久方ぶりに誰かと話せたことに
独特の高揚感を感じていた。
「たまにはどこかにいこうかな」
いやまてよ。どこかって言ったって
行きたい場所なんてないし
予定もなく出歩いたところで
どうせ少し遠くのコンビニにでも立ち寄って
また帰路につくだけだろう。
なんて時間の無駄なのだろう。
そう自分の中で答えを出し
帰路につくことにした。