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星にふられる夜に
嗚呼、夏はどうしてこんなに暑いのだろう。
誰も聞くことのない独り言をつぶやく。
蝉の声に打ちひしがれる昼下がり。
高校生1年生にもなって彼女もいなければ
夏休みだというのに遊ぶ友達すらいない。
こういうと友達が欲しい人のように聞こえるが
この物語の主人公である坂田 巡には
友達が欲しいなどという気持ちはない。
否、理想でいえば志の同じ気の合う仲間が欲しいと
心の中では思っているのだろ。
しかし、彼は早々にそんな相手を見つけることを諦めた。
気の合うフリをしなければ付き合えない身近な仲間たちに
嫌気が差したのだ。
それならば一人でいる方が何かと気楽だと
今日もコンビニと自宅を往復するだけの生活を
ただ、いつも通りに繰り返す。