アルバイト始めました(6)
蘭菊 「次は、アルテラさんね。」
蘭華 「まぁ、アルテラは、宰相で第一の騎士であるアルダインの娘だからひどいことにはなってないけどね。」
蘭菊 「そうね・・・身体的にはね。でもね・・・」
蘭華 「なによ・・・」
蘭菊 「精神的には一番、孤独なのかもしれないわよ・・・」
蘭華 「なんでよ、カリアさんとか、メルアさんとかの方がひどいじゃない!」
蘭菊 「どんなに酷い境遇でも、彼女たちには、同じ境遇の友達がいたのよ。」
蘭華 「だから、なによ!」
蘭菊 「アルテラさんは、ずーっと一人ぼっち・・・」
蘭華 「アルダインがいるじゃない!」
蘭菊 「アルダインと話すのも数年に一度あるかどうか、らしいわよ。」
蘭華 「うっ!」
蘭菊 「蘭華ちゃん・・・周りに大勢人がいるのに、誰にも相手にされないって耐えられる?」
蘭華 「そんなの、自分から話しかければいいじゃない。」
蘭菊 「アルテラさんは緑女よ。そんな彼女とお話ししてくれる人なんていないわよ。」
蘭華 「・・・いいじゃない!まだ、周りに人がいるんだから!」
蘭菊 「誰もいない孤独よりも、大勢の中の孤独の方が辛いのよ・・・」
蘭華 「・・・・」
蘭菊 「・・・・」
蘭菊 「黙ってても話が進まないから、進めるね。」
蘭華 「・・・うん」
蘭菊 「アルテラさんは、エメラルダ様から奪われた騎士の刻印で第六の門の騎士になるの。」
蘭華 「ほんとに王様は何を考えているのよ!まず、エメラルダ様からとるのを止めなさいよ!」
蘭菊 「どうも、王様が刻印を移したのじゃないみたいよ」
蘭華 「じゃぁ、誰よ!」
蘭菊 「おそらく、アルダインかと・・・」
蘭華 「なんであいつができるのよ!あいつ!いつから王になったのよ!」
蘭菊 「アルダインは、いまでも騎士よ」
蘭華 「でしょう!刻印の移譲なんてできるわけないじゃない!」
蘭菊 「分からないけど、できちゃったのよ」
蘭華 「王様どこ行ったのよ・・・」
蘭菊 「それでね、アルテラさんは、騎士になる代わりに神民を持たないことを条件にしたの」
蘭華 「はっ!?馬鹿なの!」
蘭菊 「ううん、違うの・・・アルテラさんは、騎士の不死性が、自分の所有する神民の命によって維持されていることがいやだったの。」
蘭華 「どういうことよ?」
蘭菊 「早い話、他人を犠牲にして、不老不死になりたくないってことよ」
蘭華 「でも、それって、第六の門の聖人国のフィールドがなくなるってことでしょ」
蘭菊 「そうよ・・・でも、その時にはそこまで考えが回っていなかったのよ・・・」
蘭華 「やっぱり馬鹿じゃない!だから、第六の門内は全て魔人フィールドに変わって、駐屯地は全滅したんじゃない!」
蘭菊 「でもね、アルテラさんは、すでにエメラルダさんから刻印が除去されているって知らなかったのよ。」
蘭華 「だから」
蘭菊 「ここだけのはなしだけど、アルテラさんが、騎士の刻印を受け継いだ時には、もう、第六のキーストーンは奪われていたという事よ。早い話、神民を持とうが持つまいが、後の祭りってことよ」
蘭華 「それなら、アルテラは関係ないじゃん!悪いのはアルダインじゃん!」
蘭菊 「でも、人々はそうは思わないの・・・誰かに責任を押し付けないと不安から逃げられないから・・・」
蘭華 「それで・・・また、アルテラ・・・」
蘭菊 「そう・・・」
蘭華 「・・・」