鬼たちの友情
泣いた赤鬼(童話)の続き。
童話のあらすじは最後にあります。
※鬼を擬人化して読んで頂けると幸いです。
※BL要素が含んでありますのでお気を付けください。
化け物の話をしよう。
気性の荒い青鬼が村を破壊し、それに怒った優しい赤鬼が青鬼の暴挙を止め、それをキッカケとして村人達と打ち解けたーー後の話だ。
赤鬼はいても経っても居られなくなって、青鬼を追っかけた。
集落で、村で、街で、手掛かりを探しながら、赤鬼は必死に青鬼を探した。
石を投げられたって、鬼の尊厳を踏みにじって人間の真似事をしたって、もうなんの痛みも湧いてこなかった。
しかし時が立つに連れて赤鬼の目はだんだんと濁ってきた。
かつて刺激に満ち溢れ輝いていた彼の瞳は、もはやなんの感情も燈していなかった。
ーーそれくらい、彼の心には青鬼が住み着いて離れなかった。
数年が過ぎた。
まだ見つからない。
数十年が過ぎた。
まだ見つからない。
百年が経った。
赤鬼はもう、孤独と身体の限界により、死にそうだった。
もう死んでもいいと思った。
野原に突っ伏して、見てるだけで寒気がするような冬空の中、彼は笑った。
「ああ、ここで死んだら君に会えるかな……。青鬼、」
「なあに縁起の悪いこと言ってんだよ、兄弟」
***
「ーーんで? お前は今までずぅっと、俺を探しに来てたわけか? 馬鹿だなぁ」
カカッと青鬼は笑って赤鬼の顔を覗き込んだ。
赤鬼は今、白飯を書き込んでいる最中だ。
何かモゴモゴ言っても、何を言っているかまでは分からない。
それでも青鬼は同じ食卓でまた、昔と同じように盃を交わせることが嬉しくてしょうがなかった。
俺がしてやったことを無駄にしたのかよ、と赤鬼の角を小突きながらも、終始ニヤニヤしっぱなしだった。
そんな彼を睨みつけるように白飯から目を離し、赤鬼は言う。
「おりゃあそんなこと」
「食べるか話すかどっちかにしろ」
「ん……。ごほん、オレはそんなこと頼んでいなかっただろ!! お前が居なくなってどれだけオレが……!!」
「あー、はいはい。ごめんごめんって。アレが最善だったと思ったんだよ、あの時は。けどやっぱお前と離れるのが嫌でさ、戻って見たらいないのなんの」
オマケに村人には小突かれるしもう最悪さー、と笑う青鬼は目を細めながらも赤鬼の様子をじっと見つめていた。
「やっぱお前には俺が付いていなきゃ、な?」
そう笑う彼の瞳には、獰猛な鬼が隠れていたそうな。
たまにこういう漫画の広告とか見ると、大体こんな感じで引く(切れる)よなって思う。
完全趣味用で作りました。それでも見てやるぜ、と温かい目でご視聴下さった方、ありがとうございます。更にこういうのいいよなって少しでも思ってくださった方がいれば嬉しいです。
『泣いた赤鬼』のだいたいのあらすじ
あるところに赤鬼がいた。彼は村人達と仲良くしたかったが、皆赤鬼を恐れ近づこうとはしなかった。
そんな赤鬼を憐れに思った友人の青鬼は、ある作戦を立てた。青鬼が村で暴れ、そこに赤鬼が現れて青鬼を追い払うことで村人に赤鬼の誠意を見せつける、という作戦だ。
事実、それは成功し、赤鬼は村の人たちに受け入れられた。
ある日赤鬼が青鬼の家を訪ねると、青鬼の家の扉に一枚の貼り紙がしてあった。
『赤鬼、人間たちと楽しく暮らせよ。俺とこのまま付き合っていると、お前も悪い鬼だと思われるかもしれないだろ? だからってワケじゃあないが、いい機会だと思ったからな。
俺は旅に出る。じゃあな、親友。健康には気ぃ使えよ。
青鬼』※意訳
赤鬼は黙ってそれを何度も読み、その貼り紙を破るようにして扉から剥ぎ取り、涙で濡らした。




