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おににくりきんとん

「鬼にクリキントンようかん」


イナゴ家舎


「よう、じいい百万円欲しいか」

老人は、首を傾げ孫を見て

「芋ようかんかのう」と

言うと目を閉じた


「しかしですね、この山の資産は、そんなには、無いわけですよ」

ヘルメットを、つけた男が二人、山の山中で

わき水を、見ながら言う

「まあね、これが飲めたら、莫大な富の一つ

出来るはずだけどな」


「しかし、半か丁かなどとは、馬鹿らしい

なぜ、当たり棒一つに、そんな複雑なことになったのだ

ここに、百円ある

これで其れを」

男の言葉に、周りの人間が、男をにらむ

何をしたというのだと男は、思う

半裸の男の中から、額から頬にかけて傷があり

一つの目が、癒着してガランドウだと思われる男が前に出た

男は、その男に怯えながらもメンチを切った

畳の上には、賽子が二つと

茶碗が一つ

ガランドウは、ゆっくりと床に座る

畳を前に、二人の男が向かい合う

「さあ勝負だ」

妙なことになったと思う男であった


「しかし じいさん こんな山奥に

わき水なんてあるのか

ここの水は、全部毒だ」

ヘルメットをした二人が

山の険しい岩場を登っている

「本当にあるのか」

老人は、手ぬぐいを、頭に巻き付けて

黙々と登っていた


「おじさん、其れ一つください」

古くさい八百屋の店先にアイスボックスがあり

その中に、古くさいアイスが、霜がつり下がる

アイスボックスの中で、ぎゅうぎゅうに詰まっていた

彼女はその中の一つの棒付きアイスを、一つ指さす

それは、黄金色に輝くさびた色で

サルナシアイスとかかれている

田舎の会社なのか名前を見たことも聞いたこともなく

知らない

おじさんは、ギロリとにらむと

手を突きだしてきた

「ほら早く」

彼女は催促する

仕方なく、鞄から財布を探る

アイスボックスには「100円」の四文字

財布のチャックを開けると

日本硬貨100玉を取り出し

男のごつく皺の寄った黒い手のひらに

硬貨を置くと、無造作に、しまった

そう、其れが全ての始まりだった


「長老、本当にあるんですか」

サルの群が、興味深そうに

下を眺めては、糞を投げつけてくる

そのたびに二人は、戦々恐々しながらも

歩みを止めない


山奥の農村

道道にあるのは、家の中から草の蔓が伸び

ガラスが、下に散らばったような家々

道には、蛇が蠢き

其れを食べようと、猫が徘徊し

その猫を狙って鳶が空を舞っていた

「本当にこんな所に、温泉があるのーおー」

背後で彼女が、叫ぶ

背中の緑色のリュックがこの古びれた

村には似つかわしくなく、酷く新しく見えた

「当たり前だ、全て、調べてきたんだ」

そう言い、胸ポケットを、たたくとスマホの堅い感触がある

「でも、後どれくらい」

周りの木々はいよいよ深く

日の光を、遮るほど葉が密集していた


「村長、もうだめです」

目の前に、猟銃を、定め

向かい合うように、村長の体の三倍はありそうな

ヒグマが、にらんでいる

「村長」

その時、熊がゆっくりと、前進したが

村長の銃口も同じく火を噴く

熊の眉間から、液体が流れる

村長は、もう一度、銃を発射すると

同じ穴に入り込んだ銃弾は、熊を前のめりに

倒した

「村長」

村長は、猟銃を肩に掛けると

山道を急いだ


「ねえ、何でこんな山奥に、八百屋なんてあるのかしら」

さびたトタン屋根に、同じようにさびた

看板が捧げられていた

「まあ、温泉街だったんだから

そう言うこともあるだろうよ」

僕は、スマホを、胸から取り出すと

今の場所を確認したが

虹を半分にきったような

マークは、半透明のまま白く浮かんではいない

「で、温泉よりもアイスでも食べましょ」

彼女の指さす方向には、アイスボックスが

赤きペンキで塗られ置かれていた





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