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TO ZION  作者: T@KUMI(画)、MIKI(文)
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トイレ休憩

 人志が殴られるシーンが終わったところで、哲っちんはブルーレイを一時停止した。


「ちょっとトイレ行ってくる」


 大ボトルのコーラが無くなっている。俺も少しは飲んだけど、ほとんど哲っちんが空にした。それだけ飲めばトイレにも行きたくなるだろうよ。


 戻ってきた哲っちんは、再びコーラを手にして現れた。どんだけ飲むつもりなんだろう。

それより、哲っちんがスッゲー不機嫌そうだ。再現VTRの内容に、本気で腹を立ててるのかもしれない。


「矢田部ムカつかねぇ?」やっぱ怒ってる。


「うん。かなりムカつくね」


 そんなにムカつかなかったけど、俺は心を込めて調子を合わせた。


「あんなヒョロイ奴にやられんのは我慢できねぇよな?」


 哲っちんが言っているのは矢田部役の俳優さんの事だろう。確かに喧嘩したら弱そうな人だった。柔道初段の哲っちんなら、中学生と大人というハンデを差し引いても圧倒してしまうに違いない。


「でも、親が組長じゃ逆らえないよね~」


「そういうのってダサくね?」


「いや。ヤクザと喧嘩するなんて無理だって!」


「そっちじゃなくてさ。親の力で威張ってる奴って、すっごくダセぇって思うんだけど」


 俺は哲っちんの言葉にハッとした。ヤクザは怖いとか、殴られるのは痛そうって思うだけで、矢田部がダサいとは感じなかった。


「やっぱ哲っちんってすごいね。なんか自分の中に美学を持ってる感じがする」


「ん?ビガクって何?」


「まぁ・・・・・・今度教えるよ。それより続きを見ようよ」


「おう!」


 哲っちんは豪快にコーラを飲むと、再生ボタンを押した。

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