表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

プロローグ

稚拙な文章ですが、おつき合いいただければ幸いです。

「やっと完成した…」


 時計の針は、朝の六時三十分を差していた。外はうっすらと明るくなっている。


 どうやら、夜通し作業していたようだ。タカシは球体状の機械の中で目をこすっている。


 球体状の機械は地球儀のような形をしており、軸を中心にゆっくりと回転している。地球儀と同じく二つの軸を持ち、それぞれが独立して動く仕組みになっている。


 球体状の機械の外周部分には、棒状の突起が規則的に並べられており、高速回転時に熱を逃がすヒートシンクの役割を果たす。


「試運転してみるか。目標は七時三十分。約一時間後だな」


 設定を目標時間に合わせ、スロットルをひく。ゆっくりと回り続けていた球体が高速回転を始め、ヒートシンクが発熱により発光していく。

 

 タカシは、まばゆい光に包まれた。


「想像以上だな」


 一時間の時間の跳躍にかかる時間は、約0.00001秒。一瞬である。計算通り七時三十分まで跳躍できたようだ。


「ヒートシンクの性能もみたいし、試しに一日間跳躍してみるか」


 一日後の午前七時三十分に設定を合わせ、スロットルをひく。一日跳躍にかかる時間は約0.00024秒。一瞬である。


 タカシはまばゆい光に包まれた。

 まばゆい光に包まれた。

 包まれた。

 …。


「あれ?止まらないぞ…」


 まずい。事故った。

 そう感じた瞬間も時は恐ろしい速度で進み続ける。0.08秒で一年。0.8秒で10年。すでに4秒は経過している。つまり50年。


 パニックになるな。タカシは自分にそう言い聞かせる。


 すでに8秒が経過していた。つまり100年。一向に機械は止まる気配を見せない。


 内側から破壊するしかない。タカシがそう決心するまでに、10秒かかった。しかし、そう簡単に壊れるものではない。そもそも、時間の跳躍に耐えられる耐久性を持った機械だ。いくら力を込めようが、人間の力では壊せない。


 壊せないとなると燃料切れか。


 いや、燃料切れには期待できない。そもそも、エネルギー源としているのは、半永久的に使用できるように改造した、超小型の核融合炉だし、燃料切れを待っていたらいつになるかわからない。


 しかし、壊すより燃料切れを待つ方が堅実か。もう取り返しがつかないし。この際、行けるとこまで行くしかないか。

 


 タカシは、寝ることにした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ