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早春物語  作者: 綿花音和
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私立高校入試

 私立高校の入試の前日なかなか眠れず、比較的得意な英語の単語と構文の復習を日付が変わるまでやっていた。それでもなかなか眠気は来なかった。辛くなってきた頃、部屋をお母さんがノックした。

「美夏そろそろ眠ったほうがいいわよ。眠れないなら母さんと少し話す?」

「話したい」

 心細く緊張で押しつぶされそうだった。

「あなたは、小さい頃から上がり症だもんね」

 微笑んで彼女は言った。

「それでも何事にも真剣に取り組んで、どんなに困難に思えることや苦手なことからも逃げない」

「お母さん褒めすぎだよ。逃げて期待を裏切るほうがずっと怖いから頑張ってきただけだよ」

 本心から言った。

「知らないうちに美夏にはプレッシャーをかけていたかもしれないね。察してくれるから大きな注意もしてこなかった。だからこそ、失敗したっていいのよってきちんと声をかけておくべきだったわ」

「しんどい思いはしたけど、有り余る愛情をもらってるって感じてるし、今失敗していいよって言ってくれたから許すよ」

 と私は笑った。

「美夏、大人になったのね。母さんちょっとびっくりしちゃった」

「えへへ」

 私は照れつつも胸を張った。二人で話している間に無事眠くなったので、入試の日はすっきり目が覚めた。


 私が受ける私立高校は女子高で進学率の高い仏教系の学校だった。加奈子も同じ学校を受けるので、校門前で落ち合った。

 やっぱり受験本番だけあり、物静かに受験生はおのおの復習をしている様子だった。

「加奈子、昨日は眠れた?」

「うん、どんなときでも眠れるのが私の特技よ」

「美夏は大丈夫?」

「うん七時間は確保」

「合格じゃ」

 彼女が笑って舌を見せた。私もつられて笑った。


 試験会場の教室に入ると、緊張感が増すと思っていたけれど私は不思議としていなかった。試験官の話も落ち着いて聞けたし、問題も冷静に読み進めることが出来た。

 二限目に数学があったが、苦手意識はあったものの肩の力が抜け楽に解くことが出来た。他の科目も順調に解き終わり、私立入試は無事に終わった。


 加奈子と無事に試験を終わらせて、二人でサンタモニカに打ち上げに行った。そこには男子校の試験を終えた森君がいた。そして私は見た、彼らが目配せするのを!



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