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5月の雨  作者: ソラ
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5月8日

 2017年5月8日 今日もまたいつもと同じ生活が始まろうとしていた。

ドラマみたいに鳥のさえずりが聞こえるわけでもなく、母の大きな声で僕は起きた。

 「仕事行ってくるから玄関の鍵よろしく!」

陽気な母は僕の返事を聞くこともなく行ってしまった。僕はだらだらと起き上がり階段を降り玄関まで行く、この家に引っ越してから4年経った今でもこの家は好きになれなかった。嫌なわけではない。ただ昔住んでいた家をとても気に入っていたからだ。

木造で、できていてログハウスのような綺麗なものではなく今にも壊れそうなほど汚く古かった。僕が中学校時代に住んでいたので、汚かったせいかよく友達にバカにされたりもした。「地震きたらお前の家終わりだな。」とかマトを得ている言葉だったので否定できなく半笑いで「確かにね」と言っていた。内心はジブリにでもでてきそうなぐらい自然があって綺麗な裏庭をとても気に入っていた。今度久々に見てこようなんて考えながら玄関の鍵を閉めリビングに向かった。

リビングの大きな机には見慣れた母の字でメモ書きがあった。「朝食はパンです!夜は遅いので雨戸とかよろしく!」朝起きたばかりのネガティブな自分のテンションに母のハイテンションはいつもついていけなかった。「今日も遅いのか」と、ため息と同時に思った。マザコンというわけではない、ただ単に家に帰った時の誰も息をしていない真っ暗な家に帰ってくるのを自分は嫌いだった。

母はこっちに引っ越してきてから仕事を始めた。理由もちゃんとあった。父と離婚したからだ。父がいつも通っていた居酒屋のお客と浮気をしていたと後々教えられた。父と母はお互いが休みの日には、二人で旅行をしているぐらい仲が良かっただけに自分はとてもショックだった。殺したいぐらい憎かった。一時的に人のことが信じられず、当時付き合っていた彼女のことも信じられなくなり別れた。そこから僕は人と話すことも話しかけることも避けて生きてきた。そんな通し用もないことを考えながらパンを食べ、大学へ向かった。大学は普通の4年生の大学で何事もなくいつも終わる。この日もいつも通り5時過ぎには家に着きゲームやテレビで暇な時間を過ごした。気づいたら9時過ぎだった。8時過ぎにいつも母は帰ってくるのに今日は遅かった。仕事だから残業ぐらいあるだろうな、なんて考えながら雨戸を閉めお風呂の湯を張り、溜まっていた洗濯物を洗いながら母を待った。


2話に関してはまだ未定です。

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