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2.秘密
「うーん……そういうことですか、なるほど」
僕はすっかり真雪さんの話に感心していた。
このまえ見た姿とは大違いだ。
やっぱりこの人は、あのマッキーなんだ。
そう思ったところへ。
「でも、これで終わりじゃないんだろ?」
「へ?」
つい、鼻の裏側から変な声を出してしまった。
「確かに、いま話したようなことでだいたいのところは納得できる。でも、そうじゃないことも多いんだ。たとえば……」
そういって、真雪さんは初めて、僕の顔を、逡巡を、まっすぐに視線で射抜いたのだ。その眼は無言でこう語っていた。
――すべて私に説明させるつもりか?
(ああ……そうか)
本当は、最初からわかっていたことだった。
この人には、何もかもお見通しなのだろう。
僕は自分のちっぽけな秘密をさしだす決心をした。
「たとえば……」
真雪さんも言葉を続けながら、僕が気づいたことに気づいたようだった。