◇グレーと灰色。
キーワード:カレンダー,お弁当
冷めた都会のアパートで、鉄とコンクリートを眺めて暮らす毎日。
ちっぽけな空と、見下してくるビル。
片手で空なんて、消し去ってしまえるよ。握りつぶした手にそんな戯言を吐いていた。
テーブルの上に置かれた冷め切ったお弁当は、いつの私の産物だろうか。
バツ印が増えてきたカレンダー。二重丸まであと二つ。
それは祝われる事のないバースデー。私が生まれ落ちた日。
都会の冷たい空気と廃れた私は、互いに溶け込み混ざり合う。
グレーと灰色。
同じような色だから、カメレオンみたいに同化する。
ケーキにごちそう、プレゼント。
ワクワク胸を高鳴らせて、家路についたあの日々。
今年はもう、帰ってしまおうかな。
読んでくださりありがとうございました。