第2話〜旅立ちと過去〜
朝…昨日の出来事を
忘れさせるかのように
すがすがしく鳥が鳴く。
全ては母から聞いた……
昨日の夜、父が死んだ日…
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
『母さん…親父が死んだょ…なんでなんだよ!』
『ルーク…ゴメンね、黙っててゴメン…父さんのホントの仕事は[神の民]だったの…』
−神の民− …かつて
4大陸時代に今のこの街の基盤となった国家
『神の国レノア』が司る神官の事を指す…まぁレノア自体が伝説なのだが…
『神の民?信じられるわけねぇだろ!あれは伝説なんだ!!』
『じゃあルーク…なぜルークは人よりも格段に身体能力が高いかわかる?』
母は優しく問いかけた。
『それは………』
ルークは戸惑った…
確かに自分は周りの人に
劣っているものがない。
スピード、パワー、反応力どれをとっても周りより
優れている……
どこかがおかしいと
思っていた……
母はルークの戸惑いを無視して再び話し始めた
『ルーク…父さんが止めようとしていたのは…………[黒組織サイファール]
平和を嫌う好戦的な人々の集団』
『聞いたコトねぇな…』
『神の民はもう何の関係もないわ…ルーク、あなたの手で父さんの願いを叶えてほしいの…』
母は少し涙を流していた。
『俺がその変な集団を止めればィィのか…?』
母は何も答えずただ泣いていただけだった…
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ルークは昨日の夜を思いだしてしまって少しだけ
イヤな気分になった…
今日で家とサヨナラだ。
『じゃ…行ってくる…』
ルークは家に向かって
強く手をふった。
そして、幼かった時の
自分に別れを告げた…
まだ旅は始まったばかりだ