詩小説へのはるかな道 第47話 Misty Christmas
原詩:Misty Christmas ー クリスマスの詩
窓を明けると涙でにじんだペン画の風景
きょうはひとり Misty Christmas
またひとつため息
しばらく頬杖ついてこうしていましょう
もういくつ寝たらあなたに会える
ドアを開けるとあなたの真似したあたしのシャドウ
きょうはひとり Misty Christmas
またひとつため息
あなたとの思い出がため息になって
ほら 空に昇って霧になるの
カギを閉めるとあたしの悲鳴の音がするでしょ
きょうはひとり Misty Christmas
そしてまたため息
電話はいつでもきっと話し中なの
もういくつ寝てもあなたに会えない
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詩小説:Misty Christmas
窓を開けると、街は薄い霧に沈んでいた。
輪郭を失った建物は、まるで涙でにじんだペン画のように揺れている。
彼女は頬杖をつき、ため息をひとつ重ねた。
「もういくつ寝たら、あなたに会えるのだろう」
その問いは答えを持たず、霧の中へ溶けていく。
ため息は小さな雲となり、窓辺から空へ昇っていった。
ドアを開けると、そこには自分の影が立っていた。
けれどその仕草は、かつての彼に似ていた。
影は彼女を真似て笑い、ため息を吐く。
思い出はため息となり、空へ昇って白い霧になる。
彼女はその霧の中に、彼の声を探した。
夜が深まり、カギを閉めると、金属音が悲鳴のように響いた。
電話を取っても、いつも話し中の音だけが返ってくる。
彼女は知っていた――もういくつ寝ても、彼には会えないのだと。
それでも、霧の向こうで誰かが囁いた気がした。
「Merry Christmas」
振り返ると、ただの影しかいない。
けれどその影は、彼女の涙を受け止めるように寄り添っていた。
霧の夜は静かに更け、彼女のため息は星のように散り、やがて空に消えていった。
――翌朝、窓を開けると霧は晴れていた。
机の上には、見覚えのないカードが一枚。
「Misty Christmas」とだけ書かれていた。
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わたしの詩小説をもとにAI君が詠んだ連作短歌です。
連作短歌:Misty Christmas
窓を開け
涙にじみて
揺れる街
ため息ひとつ
雲となり昇る
ドアの前
影は彼にも
似て笑う
吐いたため息
霧に声探す
夜深まり
鍵の悲鳴は
胸を裂く
話し中だけ
響く孤独に
霧の向こう
囁く声は
「Merry Christmas」
振り返る影
涙を受け止む
翌朝に
霧は晴れたり
机には
見知らぬカード
「Misty Christmas」
詩をショートショートにする試みです。
詩小説と呼ぶことにしました。
その詩小説をもとに詠んでくれたAI君の連作短歌も載せます。




