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残照の革命  作者: Nuhs
第4章ー覚醒編ー
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変革の灯火

悠真が握り締める《千子村正》は、紅と蒼の霊子を秘めてかすかに脈打ち、その刀身が幽かな光を帯びている。


「おいおい…さっきまでビビってたガキが…なんだその色合い?」


隻眼の男が歪んだ笑みを浮かべ、指先で宙をなぞるように霊子をねだる。


だが、その声が耳に届くより速く——悠真の姿は跡形もなく消え去った。


──赤紫の残光が一閃し、鋭い斬撃が背後を襲う。


敵の背中が鋭く裂け、黒い血飛沫が夜空に弧を描いた。


「やるな…ガキ」


黒き刀身・骨喰藤四郎が唸りを上げ、第二の一撃を繰り出すが、悠真の中へ坂本龍馬の剣技が流れ込む。


「《弍ノ型―浮木》」


刹那、彼は刀を撫でるように受け止め、自らの体勢をくるりと回転させながら斬撃を跳ね返した。


黒い斬撃が自らに舞い戻る。男はガキリッと歯を鳴らし、刀を払って相殺。


──ドガンッ


一瞬の衝撃と共に、瞳が二色に揺らめく。左目が蒼、右目が紅に染まった。


「《不屈》は俺に立ち上がる勇気をくれた。《変革》は俺に可能性をくれた。そして今、俺自身が灯火になる道を選ぶ。」


歪むほどに混ざり合う紅と蒼――赤紫の光が悠真を包み込む。


「…迷わねぇ!」


敵が構え直すより前に、悠真は声を張り上げた。


「…おいおい、全然別もんじゃねぇかよ…!イイぜ、ちょっとだけ味見だァ♪」


その瞬間、男の身体から黒い霊子が破裂音を鳴らし噴き出す。骨喰藤四郎の刃が赤黒く脈動し始めた。


「《一ノ型・骨呑穿牙》……喰らえっ──!」


だが、その刹那。空間に歪みが走る。


骸斬狼ガザロ、《帰還》よ」


紫苑の声が遠く、しかし確かに届き、場の秩序が一変した。


男の斬撃が空中で止まり、黒い霊子は光に飲み込まれる。


「は? 今が一番熱いところだったんだぜ? つまんねぇな…」


骸斬狼は舌打ち混じりに笑い、名残惜しげに悠真を見た。


「ま、今日はこのへんで勘弁してやる。俺の名は”凶兆ノ座”骸斬狼だ、覚えとけよ。次に会うときは…遠慮なく潰すからな、日向悠真♪」


言い残し、裂け目に身を沈めると、闇に呑まれながら去っていった。


辺りに静寂が戻り、霊子の暴走も次第に収束する。


悠真は大きく肩で呼吸を繰り返し、刃を鞘に納めると、ほっと息をついた。


「なんとか…耐えたか」


「悠真!」


玲央が血をにじませつつ駆け寄り、彼の腕をそっと支える。


「アイツ、『凶兆の座』だって。じいちゃんと戦ったのは『空虚の座』…まだあんな連中がいるのか」


悠真は暗がりに消えた裂け目を見据え、小さく頷いた。


「俺たち…まだまだだな」


玲央は言葉を紡がず、ただ真剣な眼差しで応えた。

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