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第57撃:焚き火の晩餐と封神拳の真実

投稿が遅れて申し訳ありません!

また、ブックマークをしていただきました!

本当に有難うございます!

リアクションもいっぱい…!

ワタクシ、嬉しくてたまりません!

 四人は手早く食事の準備を済ませた。それでも日は大きく傾き、辺りは薄闇に包まれていく。


 晶が手頃な石を集めて組み、一真が手刀で割った薪に火を灯し、火力を強める。揺れる炎の上に、村で購入した鉄網を乗せ、マジックバッグから取り出した野菜は、木を切り出して作った器に並べていく。ブレードブルの肉は厚めに切り分け、野菜は日本でも馴染みのある玉ねぎやピーマン、ナスを串に刺した。即席ながら、立派なバーベキュー会場の出来上がりだ。


 一真が大きな丸太を切り出して椅子代わりにし、四人はそれに腰を下ろす。晶はバッグを開いて調味料を取り出し、塩や胡椒を並べた。


 紫音が目を丸くして問いかける。

「晶、さっきから見てたけど、それってやっぱりマジックバッグってやつだよな?」


 晶は嬉しそうに頷く。

「うん!しかもこれ、時間停止の効果がついてるんだ」


「時間停止?そんな効果があるの?」と柚葉が首を傾げる。


 その問いに答えたのは一真だった。

「ああ、晶の言う通りだ。そのバッグは中の時間が止まるらしい。村のアイテムショップの店主から譲ってもらったんだ。値段は――大金貨百枚だった」


「大金貨百枚……?」紫音が目を瞬かせる。聞き慣れない価値基準に戸惑っている様子だった。


 一真は笑みを浮かべる。

「その辺りはまだ知らないんだな。飯を食いながら情報交換といこうか」


 肉の焼ける音が辺りに広がり、香ばしい匂いが鼻腔をくすぐる。


 最初の十分ほどは、四人とも夢中になって食事に没頭した。ブレードブルの肉は皮膚や毛の硬さからは想像できないほど柔らかく、噛むたびに肉汁が口いっぱいに広がる。塩胡椒のみの味付けが、むしろ素材の旨味を際立たせていた。野菜も自然な甘みが強く、炙ることでより一層引き立っていた。


 ひとしきり腹を満たしたあと、四人は情報交換を始めた。異世界に来てからの経緯、それぞれが見聞きした出来事、得た知識をすり合わせていく。


 時間は流れ、焚き火の赤い炎と、夜空に浮かぶ月明かりだけが彼らを照らす。炎の爆ぜる音が静けさに混じり、自然と会話は一区切りを迎えた。


 その沈黙を破ったのは、一真だった。

「驚いたな……そこまでの情報を得ていたのか」


 そう言ったあと、彼は紫音と柚葉を見やり、穏やかに微笑む。

「二人とも、よくここまで頑張ったな。偉いぞ」


 その言葉に、二人は堪えきれないように目を潤ませた。

「か、勝手に褒めるなよ……一真さんのほうがすげえだろ。魔王軍の空軍を倒したって……しかも無傷で……」紫音が声を震わせる。


 柚葉も続ける。

「そうです。一真さん、教えて下さい。その封神拳って一体なんなんですか?さっきの魔物を倒した時もそうですし……空を歩いたって……普通の武術じゃないですよね?」


 一真は小さく息をつき、焚き火を見つめながら口を開いた。

「そうだな。話しておくか」


 焚き火の炎が彼の横顔を照らし、言葉が重々しく紡がれる。

「封神拳は格闘技じゃない。仙術だ。地球に存在する悪神を屠るため、善神が伝えた――神を滅ぼす技。それが封神拳だ」


 紫音は信じられないといった様子で呟く。

「悪神……?善神……?そんなの、地球にいるわけ……」


 一真は肩をすくめて笑った。

「まあな。俺も師匠から聞いただけで、実際に神様を見たわけじゃない」


 その言葉に反応したのは晶だった。

「一真さん……そういえばロイさんの店でも言ってましたよね。師匠って……一真さんのお師匠様って、どんな人なんですか?」


 紫音も興味津々に身を乗り出す。

「オレも気になる!あんなバケモンみたいに強い一真さんを育てた師匠って……絶対ゴツいオッサンだろ?」


 柚葉も続ける。

「私も気になります。一体どんな方なんですか?」


 三人の好奇心に押され、一真は苦笑を浮かべた。

「ゴツい……か。いや、ゴツくはなかったな。むしろ――とても綺麗な人だったよ」


「えっ!?綺麗?……じゃあ、女性なんですか?」晶が驚いて問い返す。


 一真は頷き、懐かしそうに焚き火を見つめた。

「ああ。女の人だ。名前は――月城姫咲つきしろきさき。八代目、闘神童子。神を封じ、屠る封神拳の八人目の継承者だ」


 その言葉に、三人は息を呑み、焚き火の音だけが夜の闇に響いた。



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