飢えた雨
いつのまにか、エコっぽくなりました。
寄越せ 寄越せ
まだ 足らねえぞと
大地を アスファルトを削る
寄越せ 寄越せ
まだ 足りねえんだと
大地に アスファルトに 水たまりを増やすんだ
寄越せ 寄越せ
川をひくなんて ほど遠いかもしれねえ
湖をはるなんて だいそれてるかもしれねえ
海をえがくなんて 無謀かもしれねえ
この惑星は
でっけえ宇宙に散った
ちっちぇえ水飛沫のひとつですらなく
でっけえ宇宙にころがった
ちっちぇえ石ころのひとつにすぎねえってのに
その石ころひとつ 沈めることができねえこのおれは
それこそ なんてちっぽけなんだ
いくらちっちぇえっていっても この惑星は
ちっぽけなおれにくらべりゃ
ずいぶんとでっけえ石ころなんだぜ
大地を アスファルトを削って
おれが必死に増やした水たまりどころか
川を何本 ひいたって
湖を何杯 はったって
海を何枚 えがいたって
この惑星ひとつ 埋め尽くせやしねえ
そんなら おれひとりが欲しいがままに
どんなに雨を降らせたって この惑星は
水たまりに沈んだりしやしないだろうさ
だったら 好きなだけ降らせてもらうか
寄越せ 寄越せ
もっと寄越せと
だがまてよ
もしも おれみたいなやつが ほかにもいて
好きなだけ 雨を降らせやがったとしたら
もしも そんなやつが 何人もいやがったとしたら
ずいぶんでっけえ石ころとはいえ
この惑星だって
やがては水たまりに沈んじまわないか?
でもまあ そんなのは知ったこっちゃねえ
おれはやっぱり
寄越せ 寄越せ
もっと寄越せと
飢えた雨を 好きなだけ降らせて
大地を アスファルトを削って
大地に アスファルトに また 水たまりをふやしちまう
だがまてよ
エコに限らず、ですね。