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テーマ詩集:雨

飢えた雨

作者: 歌川 詩季

 いつのまにか、エコっぽくなりました。

 寄越(よこ)寄越(よこ)

 まだ 足らねえぞと

 大地を アスファルトを(けず)


 寄越(よこ)寄越(よこ)

 まだ 足りねえんだと

 大地に アスファルトに 水たまりを増やすんだ



 寄越(よこ)寄越(よこ)

 川をひくなんて ほど遠いかもしれねえ

 湖をはるなんて だいそれてるかもしれねえ

 海をえがくなんて 無謀かもしれねえ


 この惑星(ほし)

 でっけえ宇宙に散った

 ちっちぇえ水飛沫(みずしぶき)のひとつですらなく

 でっけえ宇宙にころがった

 ちっちぇえ石ころのひとつにすぎねえってのに


 その石ころひとつ 沈めることができねえこのおれは

 それこそ なんてちっぽけなんだ


 いくらちっちぇえっていっても この惑星(ほし)

 ちっぽけなおれにくらべりゃ

 ずいぶんとでっけえ石ころなんだぜ

 大地を アスファルトを(けず)って

 おれが必死に増やした水たまりどころか


 川を何本 ひいたって

 湖を何杯 はったって

 海を何枚 えがいたって


 この惑星(ほし)ひとつ 埋め尽くせやしねえ

 そんなら おれひとりが欲しいがままに

 どんなに雨を降らせたって この惑星(ほし)

 水たまりに沈んだりしやしないだろうさ


 だったら 好きなだけ降らせてもらうか

 寄越(よこ)寄越(よこ)

 もっと寄越(よこ)せと



 だがまてよ

 もしも おれみたいなやつが ほかにもいて

 好きなだけ 雨を降らせやがったとしたら

 もしも そんなやつが 何人もいやがったとしたら


 ずいぶんでっけえ石ころとはいえ

 この惑星(ほし)だって

 やがては水たまりに沈んじまわないか?


 でもまあ そんなのは知ったこっちゃねえ

 おれはやっぱり

 寄越(よこ)寄越(よこ)

 もっと寄越(よこ)せと


 飢えた雨を 好きなだけ降らせて

 大地を アスファルトを(けず)って

 大地に アスファルトに また 水たまりをふやしちまう



 だがまてよ

 エコに限らず、ですね。

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― 新着の感想 ―
[一言] しばらく旅にでます。無事に帰れる事をお祈りください (ᐢ ᵕ ᐢ)。 「よこせ、よこせ、金をよこせ」 私達庶民の切なる願いです。
[一言] 野望はやっぱり無くならないですよね。
[一言]  望みはでっかく。  できることをしながら。  諦めない心と止まらぬ身体。  それがないと進めませんよね。
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