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きみがすき(黒髪ストロングp)梨紗サイド

作者: うきみ

私はいつも行く公園のブランコで彼を見た。

泣いている彼。たった一人で泣いている彼を見て

ゆっくりと近づいた。


「宏ちゃんどうしたの?」

「うん。僕のママがね・・・」

「ママ・・・?」

「パパとママが離婚して、遠くに行っちゃうって・・・」

「宏ちゃん・・・」

「嫌だよ!ママがいなくなっちゃうなんて!!」

宏太は大粒の涙を流しながら叫んだ。

「ママとはもう会えないの?」

「ううん。僕が大きくなったら会えるって・・・」彼は首を横に振って答えた。


まだ小さかった私は何を言えばいいのか解らなかったけれど

頭に浮かんだことをそのまま宏太に伝えた。


「じゃあ!あたしが宏太のママになってあげるよ!」


そのあと少し沈黙はあったけれど、宏太は笑顔でこう言った。


「ほんとに?」


「うん。大きくなってママに会えるまであたしがママだよ!」


「うん!!ありがと!!」宏太は私にそう言った。



私は17歳、高校二年の秋だった――――――


「いってきまあす!」


朝、学校へ行こうと玄関のドアを開け、ふと隣の家の二階の窓を見た。


あれ・・・?宏太の部屋・・・いつもならもうお父さんがカーテン開けてる

時間だよね・・・風邪で休みとか・・・?だったら私に連絡があるはずだし・・・


カバンの中のスマホを取り出して宏太に電話をかけてみた。


「もしもし」寝起きの声で宏太が出る。

「もしもし宏太?やだ、まだ寝てたの?遅刻だよ!」

「え・・・?今何時?」

「もうすぐ8時」


電話の向こうでなんだか慌てる宏太の音がした。


「もう・・・カーテンが閉まってたから心配になって電話したら

 案の定じゃないっ!!」

「悪いッ!梨紗、支度するから切るわ」

「あ、うん。じゃあ後で学校でね!」

「ああ、サンキュー」



そして彼の家の前でスマホをしまった。


放課後――――――――――



私はいつも宏太を目で追った。

気が付くと、彼の少し後ろを歩いていた。

チャンスだ。今日は一人だ。

宏太の後姿を見ながら私は親友樹奈との昨日の会話を思い出していた。





「ねえ梨紗!あなた宏太の事好きなんでしょ?」

「え・・・何言ってるのよ!彼はただの幼馴染だよ」

「いーえ。違う!他の人の目はごまかせても私の目はごまかせないわよっ!」

「樹奈・・・」

「あんた言ってなかったけ?宏太っていつ遠くに行くかわからないって。」

「うん。」

「手遅れにならないうちに早めに気持ち、伝えたほうがいいよ!」

「そっか・・・な・・・」

「そうだよ!」





「宏太!!」


後ろから、彼の名を呼んだ。


緊張で声が裏返っちゃったかな・・・

それをごまかすために思いきり手を振ってみた。


宏太が振り返る。


「おう!」

「間に合った?今日」

「ああ。おかげさまで」

「そう。良かった。今日はお父さんは?」

「出張」

「あ、なるほどね」

「そういう事」


しばらく歩いて私は勇気を出してみた。


「ねえ、宏太・・・」

「何?」

「宏太って好きな人・・・いるの?」

「な・・・何だよ!突然」

「いるの?」

「べ・・・別にいないけど・・・」

「そっか!良かった!」

「良かったっ・・・て?」

「あ、うん。私達付き合わない?」

「僕が?お前と?」

「ダメ?」

「いや・・・ダメってわけじゃ無いけど・・・」

「じゃあ決まり!」

「決まり!って・・・勝手に決めんな!」


私は恥ずかしくてその場にいれそうもなかった。

とりあえず彼に笑顔を見せてそこから消えようと思った。


「じゃ!そういう事だから!」



「え・・・ちょっと・・・おい・・・」



宏太の困ったような声がしたけど、聞こえないふりをした。


次の日―――――――


「宏太帰ろ!」

昨日と同じく私は後ろから彼を呼び止めた。


「あ、ああ」


昨日の事もあって照れくさかった私は早速今日の出来事を話し始めた。


「はあーっ」私は彼の前で溜息をついてみせた。

「何だよ」

「ノート」

「ノート?」

「おととい貸したんだよね」

「おい!また誰かに見せたのかよ」

「うん」

「誰に?!」

「牧野君」


宏太の顔を見た。私が他の誰かの男の子の名前を言ったらどんな顔をするんだろう。

無表情?それとも少しは怒った顔・・・してくれるのかな・・・


「はっ?あいつなんて単にサボってるだけだろ!」


良かった・・・少し怒ってる?違うかな・・・これは私の勘違い・・・?


「うん。でも・・・どうしてもって言われて・・・」

「で?その溜息の理由は何なんだよ」

「牧野君、無くしちゃったみたいなんだ。私のノート」

「おいおい・・・まじかよ・・・んなやつほっときゃいいのに」

「だって・・・ほらよく言うでしょ!情けは人の為ならずって」

「なんだよそれ」

「誰かに親切にしたことは回り回って自分の所に返って来るっていう意味の

 ことわざ。知らないの?」

「知るかよ!んなもん」


相変わらず宏太は口が悪い。でもこれって私を心配してくれてるんだよね?

私を見ていた彼の目が急に私の後ろへ視点をずらせた。


「あれ・・・噂をすればだ・・・」

「え・・・?」私は振り返った。



「はあっ・・・はあっ・・・」息を切らしてやって来たのは牧野君だった。

「牧野君・・・」

「ごめんっ、この前はノートありがと。昨日見つけたからさ。早く返した方が

 いいと思って」

「あ、良かったっ。あったんだ」

「うん。で、これ・・・お詫びじゃないけど・・・」

牧野君はそう言って、ノートとピンクのチェック柄の小さな包みをくれた。

「あ・・・いいのに・・・」

「いや・・・もう少しで無くすとこだったから・・・ほんとごめん」

「なんか逆に悪いじゃん・・・」

「そんな大したもんじゃないから。ほんじゃ!」

「あ、ありがと」


そう言って牧野君は帰って行った。

「なんだあいつ・・・お前に気があんじゃないの?」


え・・・今のって・・・どういう意味かな・・・?いいように受け取っても

いいのかな・・・それとも・・・


「そんなことないよ」


包みを開けた。


「わあっ可愛い!!ウサギ・・・?」

それはほんとに可愛らしい淡いピンクのウサギの絵が描いてある

シャープペンシルだった。


「ふっ。あいつこれ、自分で買ったのかな・・・」

「私がピンク好きだってこと知ってたのかな?」

「たまたまウサギと包みがピンクだっただけだろ」

「だよね。でもほらっ!!返ってきたでしょ!」

「まあな。回ってきてはないけどな。直接本人からだったな」

「あはは、そうだね」

「それ・・・使うのかよ」

「うん。可愛いじゃん!明日から学校で使うっ」


宏太、少しくらいやきもち妬いてくれてるのかな・・・


今日、私がなんとなく宏太と付き合う事になった話を樹奈にした。

彼女は私にかなりのご立腹。本当にいい親友を持って幸せだ。

樹奈の提案で樹奈とその彼、龍樹と4人で映画に

行く事にした。


土曜の夜――――――――――――


宏太に電話をかけた。

「どうする?明日家から一緒に行く?」

「集合場所に直接行きゃあいいだろ?」

「わかった。じゃあ明日10時に駅でね」

「ああ。」

そう言って宏太は電話を切った。


どうして強引にでも一緒に行こうね。迎えに行くね。って・・・

言えないんだろう・・・


私は溜息をついた。




次の日―――――――



「あれ?一緒じゃないの?あんたたち」樹奈が梨紗に言った。

「うん。ここに直接来るって言うから・・・」

「はあーっ。変なカップルだこと!家が隣同士なのにわざわざ別々に来るなんて、

 ねえ龍樹!」

「だな」


宏太が遅刻はしたもののなんとか映画には間に合った。


映画が終わって私たち4人はショッピングに行った。

もうすぐ樹奈の誕生日だという事もあってアクセサリーショップを

見ていた。



私はその店でシルバーのハートのピアスを見ていた。

色はピンクが好きだったけれど、ハートの形をした小物も大好きだった。


宏太がこっちを見ているのに気付いてそれを手にとった。



樹奈は何か気に入ったものを見つけたらしい、向こうの方で龍樹と話す声が聞こえる。

「ねえ、龍樹あたし誕生日これがいいよ!そんなに高くないし、これ買って!」

「ああ。いいけど。」

「やったあ!!」



私もあんな風に素直におねだり出来ればいいんだけど・・・

これじゃあ伝わってるのかどうか・・・わからないよね・・・



そして―――――



「じゃあ、あたし達こっちだから」龍樹と腕を組んでいる樹奈が言った。

「あ、うん。」私は答えた。


「ほいじゃあ!」

樹奈が言った。

そして樹奈は私のそばに寄り耳打ちした。

「分かった!?ちゃんと伝えるのよ!」

「あ・・・うん。」


「何?」宏太が聞いた。

「別に!何でもないっ!」樹奈が言った。



「じゃあね!樹奈」

「じゃ明日ね!梨紗」




樹奈と龍樹は私たちの家とは反対方向に帰って行った。




「いいよね。あの二人・・・ラブラブだね・・・ほんと仲がいい・・・」

思わず言ってしまった。

怒ったかな・・・嫌味・・・とかに聞こえてないよね・・・?


「ああ。よく恥ずかしげもなくいちゃいちゃ出来るよな。」宏太が答えた。


やっぱり好きじゃないんだね、ああいうのって・・・


「でも・・・うらやましいな」

「え・・・あ・・・そうだな」



それでもやっぱり樹奈の言う通り、勇気を出して気持ちを伝える事にした。


「宏太・・・私ね・・・」


「ん・・・?」


「私・・・好きなんだ・・・宏太のこと」


少し待った。宏太が何か言ってくれること。宏太が自分の気持ちを伝えて

くれるのを。でもやっぱり怖かった。

もしも、私の事が好きじゃないなんて今ここで言われたら、

もうどうしていいのか分からない。

そう思った私はとっさに言葉が出た。



「宏太は何も言ってはくれないけど、いいんだ。自分の気持ちを今ここで伝えられた

 だけで満足。それにこうして一緒にいてくれる。それで充分」



私は宏太の目を見ることは出来なかった。


樹奈は私をいつも心配してくれた。やっぱり持つべきものは親友だ。


「ねえ!梨紗!あんたたちさ、もうキスくらいした?」

「まだ・・・」

「えー?嘘でしょう!そろそろ半年になるんじゃないの?付き合ってから。」

「うん。」

「もうすぐ誕生日でしょ?おねだりしてみたら?」

「何を?」

「何って・・・もう!分かってるくせに!」

「もう!やだ!樹奈!からかわないでよ!」

「あはは!でもほんと、ちゃんと言わないとだよ!」

「・・・・・・」


付き合いだしてから、何の進展もないままに過ごしたこの約半年、

今更もう勇気なんて出せないよ・・・本当は嫌われてるかもしれないのに・・・

宏太は優しいから言えないんじゃ・・・




そして私たちはそこから何も進まないままその日を迎えてしまった。


「梨紗、僕、東京の母さんと一緒に暮らすことになったから」


え・・・

驚いた。遠くに行ってしまう事は分かっていたけれど、まさか高校生の

間になんて・・・聞きたい・・・宏太の本当の気持ちが・・・

でも・・・もしも本当に私を好きなら行きたくないって言ってくれるはずだよね・・・

でも、宏太は何も言ってはくれなかった。

私は彼を諦めることにした。

ずっと心に抱えていた彼に対する想いは全く別の言葉として私の口から飛び出していた。


「ほんと?!良かったね!ずっと言ってたもんね!」



我慢したけど泣いてしまった。宏太と離れるのが嫌で嫌でどうしようもなかったけれど

それはどうしても彼には気付かれたくはなかった。

私はお母さんと一緒に暮らせるようになった事を喜んでいるから泣いているんだと

言った。




そして、この手で涙を拭いながら、宏太に精一杯の笑顔を見せて言った。




「今までありがとう・・・元気でね」




「ああ、君もね・・・梨紗」




それは高校三年の春の事だった。



彼が旅立った後の事だった。

私は牧野君に告白をされた。

私が宏太と付き合う前からずっと好きだったと言われ、彼の気持ちに応えることにした。


でもどうしても宏太の事を忘れられない私に牧野君は嫌気がさしたのか3カ月も

しないうちに別れてしまった。


あれから6年・・・宏太はどうしているんだろう・・・


そして今日は地元のホテルで行われる高校の同窓会、彼はここに帰って

くるんだろうか。私は彼に会いたいと言う期待と昔の苦しかった思い出を

頭の中で交差させていた。



同窓会では綺麗で気が利く女になった私を見せようと、私を振った宏太に後悔

させてやろうと、思い切りまわりのみんなに愛嬌をふりまいた。


それでも意識はずっと宏太の方に向いていた。たまに宏太を見ると

彼も私の事をみていた。


もしかして・・・別れた事・・・少しは後悔してくれているのかな。

ううん・・・違うよね・・・



あれから音信不通だった私たちはとくに会話もすることなく同窓会は終わりを告げた。

そして最後まで宏太も私もお互いに話しかけに行こうとはしなかった。


やっぱり・・・もう・・・わたしの事なんて忘れちゃってる・・・ってことだよね・・・



隣の駅の近くの樹奈が働いている居酒屋で二次会をする事になった。

電車に乗る為に切符を買おうとして財布を落としてしまっている事に気付いた。


「え・・・うそ・・・どうしよう」

「梨紗?どうしたの?」焦っている私に樹奈が気付いた。

「財布がない・・・ホテルで落としたのかも・・・」

「え?まじ?!ホテルだし誰かが拾ってくれてるかもしれないよ!

 すぐに行けばあるかも」

「うん。そうだね」

「ごめんね梨紗。ついて行ってあげたいんだけどみんなをお店まで案内しないと・・・」

「うん。分かってるよ!ありがとう。一人で行くから!後で連絡するね!」

「うん。」

「じゃあ行って来る!」


私は走ってホテルへと戻った。


ホテルの入口から駆け足で入るとそこには宏太が一人で立っていた。



「あ・・・」



彼は私の落とした財布を握っていた。

私はあまりの驚きでしばらくそれ以上声が出なかった。



「久しぶり。」

彼が言った。本当に久しぶりに聞いた彼の声。あの頃と変わらない澄んだ声。


「うん。あの・・・それ・・・」

私は落とした財布に感謝した。だってこれのおかげで少しでも彼と話が出来るから。


「え?もしかして梨紗の?」


「うん。拾ってくれたんだ。ありがとう」


「今も好きなんだ。ピンク」


「あ・・・うん。大好きだよ」


宏太は私に財布を渡した。


それ以上言葉が見つからないまま黙って財布を受け取った。


「じゃあ。」そう言って、最後の綺麗な姿と笑顔を彼に見せる。


「うん。」



もう・・・本当にこれでお別れ・・・・




そう思った時に彼の大きな手が私の腕を掴んでいた。

その瞬間に私の胸は心臓が飛び出しそうなくらいに高鳴った。


「梨紗・・・」


「何?どう・・・したの?」声が震えているのがばれないように小さな声で答えた。


「君に伝えたいことがあるんだ」


「伝えたいこと?」





宏太はバッグからピンクの花柄の包みを出して私に渡しながら言った。


「もう・・・遅いよね・・・」


驚いた。

宏太が私に言おうとしている事・・・期待した。



それを受け取って私は言った。


「開けていい?」


「もちろん」


私の手のひらに小さなシルバーのハートのピアスが落ちた。


懐かしい・・・あの時のだ・・・あの映画を見た日の・・・

彼に気持ちを伝えた日に見ていたあのピアス・・・



「これ・・・私・・・覚えてるよ」


「ほんとに?」


「買ってくれてたんだ」


「うん。」


「いつのまに・・・」


「次の日に買いに行った」彼は笑顔で答えた。


今なら言える・・・もう一度・・・本当の気持ち・・・


「あの時本当はちょっと期待してたんだ」


「期待?」


「そう。わざと宏太の前で欲しそうにしてたんだよ」


「そっか」


「うん」

私は決心した。


「あの時の気持ち・・・今伝えたい。」

宏太が言った。


宏太も伝えてくれるって言うの?

本当に・・・期待していい・・・?


「うん」

そう言ってじっと彼を見た。






「きみがすき」

彼が言ってくれた。




私の胸の高鳴りは更に激しくなった。顔も赤くほてってはいないかと

心配で心配でしょうがなかった。

「ほんとに?」もう一度聞きたくなった。




「うん」




「遅い」




違う・・・言いたいのはこれじゃない・・・




「そうだね」




しばらく黙って深呼吸した。




そして私から話した。

「ずっと待ってたんだ」


言えた・・・


「ずっと・・?」彼が聞いてきた。


「そうだよ。」


「あ、ごめん。伝えるの遅くなってごめん」


違う・・・あなたを責めてるんじゃないの・・・


「そうじゃなくて」私は更に勇気を出した。


「そうじゃなくて?」





「今は・・・?今はどう思ってる?」


そう・・・聞きたいことはこれだった。ずっと・・・聞きたかった言葉・・・






「僕の気持ちは昔も今も変わらないよ」



嬉しかった。ずっとおさえていた6年分の涙が一気に溢れそうになった。





「ほんとに?」








「ほんとだよ。・・・・きみがすき」








私はこぼれ落ちそうになる涙を宏太に見られるのが恥ずかしくて・・・




彼の胸に飛び込んだ。                   fin


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