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27、仲間を集え。



「ちょっと近くないですか?」


「‥‥‥うるさい」



 ───ご主人様の距離感がバグりました。

 


 朝の学園。

 登校した主人を教室に送り届けるのも俺たち奴隷の仕事である。

 教室に向かって廊下を歩いている俺の服の裾を掴んで、赤い顔で目を潤ませながらトコトコと付いてくるご主人様。


 ───いつものコツコツ音はどうした?


「ご主人様、服が伸びちゃう‥‥‥」


 俺の服をおもいっきり引っ張ることで、距離を取ろうとしているようだが、近づきたいのか離れたいのか、はっきり言ってよくわからない行動。


 恥ずかしいなら無理して引っ付かなきゃいいのに‥‥‥。


「‥‥‥あんたなんて、その辺に生えてる木と同じなんだから」


「木は動きませんし、話しません」


「83のくせに調子乗んな」


「そっちだって98ですからね」


「‥‥‥くぅ」


 うつむいてしまった‥‥‥。

 

 ───難しいお年頃のようです。


「さ、つきましたよ。勉学、頑張ってください」


「‥‥‥お昼持ってくから、屋上でいい子にしてなさいよ?」


 犬ですか?


「反則負けにならないよう、ちゃんと屋上に居ますから」


「そう言う意味じゃない‥‥‥無理しないでよ?」


「少し話してみるだけなんで大丈夫ですよ」


「‥‥‥ありがと」


 そう言うと、ご主人様は逃げるように教室に入って行ってしまった。

 

 ───‥‥‥なんの御礼だ?



 そそくさと教室に入ったご主人様を見送った俺は、職場である屋上に向かって歩き出したのだった。


 いつもならダラダラと暇を持て余す屋上ライフ。


 今日は少し意気込みが違う──────








 屋上についた俺は、手すりに手をかけ一人で遠くの空を眺めているお目当ての人物を発見した。


 ───他の2人はまだ来ていないのか‥‥‥丁度いい。


 その人物の横に並び、俺も空を眺める。


「おはよう。怖い顔してどうしたんだい?」


「おはよう」


「何かあったのかい?」


 ニコリと微笑むその顔からは、無邪気ささえ感じられた。


「ちょっと話したい事があるんだ」


「そんな真剣な顔で見つめられると、なんだかドキドキしちゃうね」


 告白イベントではないので、ドキドキするのはやめてください、レックス君‥‥‥。

 





 イケメン腰蓑(こしみの)奴隷達が集まる屋上という謎の集会場。

 奴隷達がお互いにコミュニケーションをとっていたなんて、ゲームプレイ時の俺は全く知らなかった。


 ゲーム中に出てくるイベントやストーリーを変える事は、何かおかしな力が働いて不可能だと思っていたのだが、もしかするとココなら‥‥‥。


 ───ゲームと関わりない屋上ココなら‥‥‥奴隷達との会話の中でなら、何か変化を生み出せるかもしれない。


 ガルシア伯爵もゲームには登場していないわけだしな‥‥‥。

 


 俺が狙いを付けたのは、次にガルシア伯爵からの嫌がらせを受けるであろう、現在大会で総合ポイント1位のレックス君。


 もし俺の話をレックス君が信じてくれるなら、ガルシア伯爵の嫌がらせを未然に防いだり、その証拠を掴めるかもしれない。

 どこまで信じてもらえるかが不透明なので、様子を見ながら小出しに話していく予定。


 ───さて。






「実は俺、アルバートじゃないんだ‥‥‥」


「うん」


 ニコニコと笑いながら頷くイケメン。


 ───‥‥‥なんだ、その返事は?


「おかしな事言ってると思わないの?」


「知ってたよ。本当は吉兆きっちょう君って名前だったよね」


 ‥‥‥俺の本当の名前は、天満吉兆てんま きっちょうです。


「やだ‥‥‥レックス君怖い!」


 もしかしてこの人、全ての黒幕だったりする?!

 

「アルが前に自分で言ってたじゃないか」


「前って‥‥‥あ、牢屋で初めて会った時か?」


 確かに言った気がする‥‥‥。


「僕は初めてじゃないんだけどね」


「でもあの時、記憶が戻って良かったねとか言ってなかった?」


「初めはそう思ったんだけど、明らかに前のアルと性格が違うんだもん。流石にわかるよ」


 相変わらずニコニコなイケメン。


「ずっと知ってて黙ってたの?」


「アルが言わないから聞かない方が良いのかなってね」


「‥‥‥レックス君は、俺がアルバートじゃない別人格だって信じるの?」


「信じるよ。ちなみに僕だけじゃなくて、多分ネロも気付いてるんじゃないかな」


 ネロ様、お前もか‥‥‥。


「ゴードンは?」


「ゴードンは‥‥‥どうだろうね」


 ニコリと微笑む目の前のイケメンと、超美麗は色々凄いなと思った。


 そしてやっぱり、ゴードンは機関車なんだなと再確認したのだった。


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