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2話 卒業と指名

王都に来て1年。


僕は何とか冒険者として過ごしてきた。


この国ではだれでも冒険者になれる。そう、()()()だ。


ただ、身元のハッキリしない者や奴隷だった者はローグと呼ばれギルドの裁量によって重い税金が課される。


ケネアの森で爺さんと隠居生活をしていたから僕は当然身元を証明してくれる人はおらず今日まで報酬金の6割を冒険者協会にとられていた。


僕は冒険者協会に入ると、


「おはようございます、ネシアさん。ローグ卒業おめでとうございます!」


受付のミアムさんが笑顔で話しかけてくれる。桃色のショートボブで人柄もよくこんな俺にも分け隔てなく話てくれる。ローグ卒業、冒険者ギルドから指定された期間を問題なく過ごすことができれば冒険者ギルドが身元保証人となる。


「ありがとうございます、ランクアップの手続きをお願いしたく。」


「はい!ではカードの提示をお願いします!」


僕は手に持ったカードをミアムさんに渡す。冒険者にはGからAまでのランク付けがある。僕はCランクに上がる予定だ。


「これでようやくCランクですね!」


「そうですね、ありがとうございます。」


長い長いローグ生活今日でも終わり。今日からは悠々自適に暮らそうと思う。


ローグはランク制限がありDランクより上には上がれない。既定の条件は満たしていたのだが今まで保留にされてきた。


ミアムさんはカードを受け取ると手際よく作業をこなす。


「はい、カードをお返ししますね!あとこれがランクアップ報酬です。


そういえば今日この後依頼を受ける予定ですか?」


ミアムさんは笑顔で問いかける。


「いえ今日はこのままゆっくりしようかと思ってますが、何か?」


「実は指名で依頼が入っているのですが…。」


ミアムさんがヒソヒソと言う。


指名依頼。本来冒険者は掲示板にある依頼を受注するのが一般的だが稀に特定の冒険者に依頼したいという依頼主がいるらしい。


だが、そういった依頼を受けるのはある程度名前の知れた冒険者か身分が確立している時だけだ。


こんな無名で身元の分からん奴に依頼するのは誰だ?


それに俺は今日ローグを卒業したばかりだ。


「依頼主はサイアス伯爵からでして。」


ミアムさんは小声で続ける。


サイアス()()、聞くからに貴族なのだろう。


「内容は?」


「えーと、サイアス伯爵のご子女のフェリカ様の護衛…です。」


「期間は?」


「様子見で1週間、長ければ3年間と…」


「報酬は?」


「日給200000ゴールドって、ええええええ!!」


一気に周りの視線が集まる。


怪しい、怪しすぎる。


罠か?まず僕に頼む理由がない。


それに報酬金額もおかしい。


護衛の任務は高くてもせいぜい50000ゴールド程度だろう。


「えっと、どうされますか?」


「一度依頼主とお話しないことにはどうにも判断できませんね。」


この依頼はおかしい。


報酬もそうだが貴族の護衛任務なんて見たことも聞いたこともない。


ミアムさんはすぐに落ち着きを取り戻すと


「そ、そうですよねぇ。会談の場を設けるよう打診してみます。」


「また明日来ますのでよろしくお願いします。」


そう言うと出口の方へ足を向ける。


周囲の視線がすごかったが何事もなく冒険者ギルドをでる。


僕はまた、面倒ごとに巻き込まれる予感がしていた。

彼は神様の力で14歳から人生を始めています。それ以前の記憶は爺さんと隠居していました。という設定で過ごしてます。彼が王都に来たばかりの話は余裕があれば外伝的な感じで書こうと思います。


次回は貴族との対談です。お楽しみに!


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