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No.3 ボーナスフロアボス

設定が曖昧ですが、温かい目で読んでいただければ幸いです。

「ほう……噂通りだったな」


 フロアボスの間に入ると、二本の曲がった長い角、牛の頭に二足歩行、大剣の如く肩に背負う斧。

 それは噂に聞いたミノタウルスそのものだった。


「全長7メートルはありますか……ですが……」

「ヤれないことはない」

「全員が全力を尽くせば勝てるでしょう……」


 伝説の肩書を背負う彼らにとって強敵との対敵はそそるものがあった。


「まずは遠距離攻撃で奴のHPを可能なまで削れ!俺とアーサーも、出来る限り近付かないのが得策だ!」

「フンッ……それは攻撃を受ければの話」


 頭部を狙う魔法攻撃は百発百中、外れることなく命中する。雷魔法や火炎魔法、その下を掻い潜りアーサーは目にも留まらぬ速さで足に切りかかっていく。


 ーーザンッ!シュンッ!!ザザザザァァァ!!!


「アーサーさん、回復します!」

「にしても、あの速さは何度見ても惚れ惚れするなぁ」

「グレゴリーさん、見ていないであなたも攻撃したらどうなんです?」


 誰も危機感を抱かず、ゲーム感覚で戦闘を楽しむ四人。

 いつもながら、熱くなった戦闘中はまとまりがない。


「……三人ともよく聞け!コイツはHPが半分を切ったとき《逆鱗》というユニークスキルを使うらしい。詳細は不明だが、グレゴリー。構えておけ」

「言われるまでもない!今まで何もしていないんだ。アドレナリンMAXで攻撃を受けてやるぜ!」

「あなたは攻撃を受け流す、という戦い方も覚えるべきです」

「大丈夫ですよ。私が回復しますから」


 ーーザ……シュンッ!ザザッ!!


 ミノタウルスは頭を振り回し頭に降りかかる魔法の矢を防ごうとしていた。


「……にしてもおかしい」


 俺は最後尾でひっそりと呟いた。


 ミノタウルス。

 王都で登録されている魔物のうちA級とされ、厄災級の魔物とされており、物理攻撃は万物を砕くとされていた。

 その証明として、現にこれまで数多のパーティーがミノタウルスによって犠牲になってきた。人によってはS級である魔物よりも嫌だという人もいるくらいだ。

 それほどの魔物にしては大人しすぎる気がしてならない。


「そろそろだ!右上に表示されるHPが52%を指している。《逆鱗》についての情報はない。気を引き締めろ!」


 アーサーの斬撃、アッシュの射撃により、残りの2%はあっという間に削り終えた。


「なっ!?……そんな馬鹿な……」


 HPが50%を切り、ミノタウルスの瞳が灼眼へと変色した瞬間、斬撃を繰り出していたアーサーは出来る限り距離を取った。

 いや、アーサーだけではなく、パーティーメンバー全員がその場に固まっていた。


「おいおい……ここのフロアボスはミノタウルスだったんじゃねぇのかよ……」

「これが……魔と呼ばれたダンジョン……というわけですか……」

「これは……」


 ミノタウルスを軽々とあしらっていた伝説の冒険者たちが揃って顔を歪めたのには理由があった。


「あれは……あの銀色に輝く、月光の如き光は……」


 薄暗いダンジョンの中に青白い光が包み込んだ。

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