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魔法が使えないのでギルド職員をクビになりそうです〜わたしの師匠は魔王様にゃ!〜  作者: 椎名咲良
1章 落ちこぼれ少女が魔王の弟子になる話
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7◆落ちこぼれ少女とお出かけ

本日は二回更新です。




「ルーちゃん! 夢じゃないよね!? 夢じゃないよね!?」


「ゆ、夢じゃにゃいから早く止めるにゃ……うっ気持ち悪いにゃ……」


「あ、ごめん」


 テンション上がりまくってルーちゃんをぶん回したからルーちゃんの三半規管が限界っぽい。ごめん、ルーちゃん。


「い、いきなり酷い目にあったにゃ……でもサラ、良かったにゃ。やっぱりサラには私と同じで万能属性の適性があったにゃ」


「ありがとうルーちゃん。ルーちゃんのおかげだよ」


「そんな事ないにゃ。私はサラのお手伝いをしただけにゃ。おめでとうにゃ、サラ」


 笑顔で私が魔法を使えた事を心から祝福してくれるルーちゃんを抱き締める。


 あーもう本当ルーちゃん可愛い。今日の夜はルーちゃんが食べたい物なんでも作ってあげよう。うん、そうしよう。


「でもサラ、まだ入門魔法の【念話】が使えただけにゃ! 魔法は一日にして成らず。使えただけでは意味ないのにゃ! これからもししょーとしてビシバシ行くにゃ!」


「うん。よろしくねルーちゃん。それで、今日の夜はお祝いにルーちゃんの好きな物なんでも作ってあげるけど何がいい?」


「本当かにゃ!? なら高い肉がいいにゃ!」


 高い肉て。


 なんでも奢るよとか言われたら要求したくなる物ランキング一位をここでぶっ込んで来るのは流石魔王だね……


 ……でもまあ、今日はいっか。特別な日だもんね。


「わかった。じゃあお昼食べたらお買い物行こうね」


「行くにゃー! 高いお肉が私を呼んでるにゃあ♪ 〜〜♪」


 めちゃくちゃ上機嫌に鼻歌まで歌い出したルーちゃんに苦笑いしつつ、私は少し早めだけどお昼ご飯の準備を始めた。







 昼食後、ルーちゃんと二人で家を出て鍵をかけた所でふと思った。休日のお昼の街は結構人混みが出来てるしルーちゃんと逸れちゃうんじゃないかな。どうしよ。


「ねえルーちゃん。結構人混みが出来てるけどどうする? そのままだと逸れちゃいそうだけど」


「心配には及ばない、にゃあ!」


「ちょ、ちょっとルーちゃん! 頭に乗ったら重…くない?」


 頭に飛び乗ったルーちゃんはびっくりするくらい軽くて、全く重さを感じなかった。え、さっき抱きしめたりした時は普通に重さを感じたのに。


「万能魔法の【重力操作】で私の体重を弄ったにゃ。おまけに【隠密】もかけたからサラの頭の上の私にはだーれも気付かないにゃ。更に街では会話を【念話】にしたら完璧にゃ」


「本当万能だね、万能魔法……」


 もしかしなくてもなんでもありのチート魔法なんじゃなかろうか、万能魔法。


 ルーちゃんを見てると出来ない事探す方が大変な気がする……


「サラもこれくらいすぐ出来る様になるにゃ。じゃあサラ、しゅっぱつしんこーにゃ!」


「落ちないように気をつけてね」


 頭の上でテンション高めに合図するルーちゃんに苦笑いしつつ注意だけすると、街を歩き出す。


 本当に誰もルーちゃんには気付いてないみたいで、私の頭の上で街の景色に目を輝かせているであろうルーちゃんには誰一人見向きもしない。


 しばらく街を歩いていると、いきなりルーちゃんがぺしぺしと額を肉球で叩いてきた。


「(サラ! これ見るにゃ!)」


 念話で話しかけて来たので立ち止まると、目の前のお洒落なお店のショーウィンドウを見る。


 そこには如何にも魔女って感じの黒くて白いリボンが付いたとんがり帽子が二つ、大人用と子供用でマネキンに被せられていた。


「(この帽子がどうかしたの?)」


「(これ、私とサラでお揃い買いたいにゃ! 可愛いにゃ!)」


「(えぇ〜……私はいいよ。恥ずかしいし)」


 なんかコスプレっぽくて恥ずかしい。


 ルーちゃんが子供用のちっちゃいのを被る分にはすっごく可愛いと思うけど私にはハードルが高いよ……


 私だってこんな見た目だけど一応、十八歳の大人のレディなんだからね!


「(恥ずかしくないにゃ! ほら見るにゃ! あそこの綺麗なお姉さんも被ってるにゃ!)」


「(そんな訳ないでしょ……)」


 そんな小さい子でもないのに、如何にも魔女って感じの帽子を被ってる人がこんな真っ昼間に街中にいる訳が……


 ルーちゃんに促された方に顔を向けると、そこには腰まで伸びる綺麗な金髪が陽の光で輝いており、モデルと言われても何も違和感がないくらい美人な女性が黒のとんがり帽子に黒いマントなんていう如何にも魔女な出で立ちで、隣のお店のショーウィンドウを眺めていた。


 えぇ〜……本当にいたよ……嘘でしょ……


「(ほら、いたにゃ! つまりこの帽子は恥ずかしくないにゃ! サラも一緒に買うにゃ!)」


「(ちょ、ちょっとルーちゃんぺしぺしするのやめて!? わかったよ、買うのはいいけど私絶対に被らないからね!?)」


 ルーちゃんにぺしぺしされながら半ば強制的に店内に連行されてとんがり帽子を大小で一つずつ買うハメになった。


 頭の上では買ったばかりの帽子を嬉々として被ってめちゃくちゃ喜ぶルーちゃんが私にも被るよう催促してくるが、この話題には完璧に無視を決め込んで街を歩く。


 ……なんでここまでルーちゃんが魔女のコスプレ帽子を推して来るのかわからない。ルーちゃんは魔女じゃなくて魔王でしょ……


 ちなみに私の帽子は横道に逸れてパパッとルーちゃんの【次元収納】にしまって貰った。便利だなあ。

お読み頂きありがとうございます!


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それでは、次回の更新でまたお会いしましょう!

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