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魔法が使えないのでギルド職員をクビになりそうです〜わたしの師匠は魔王様にゃ!〜  作者: 椎名咲良
1章 落ちこぼれ少女が魔王の弟子になる話
13/52

13◆落ちこぼれ少女とパートナー

2本目更新です。


サラ視点に戻ります。




「はぁ〜……休み明けなのに疲れが〜……」


 ーー週明け。

 朝から溜まった疲れから来る身体の億劫さに気の抜けた声が出た。


 高いお肉を食べてとても元気になったルーちゃんが「明日はみっちり魔法のお勉強にゃ!」って意気込んじゃってそのまま翌日は一日魔法の勉強になったんだけど、ルーちゃん優しくわかりやすく教えてくれる理想的な先生だった。


 おまけに可愛いし出来たら褒めてくれるし最高だよ。でも、笑顔でスパルタ要求してくるからとにかく疲れた……


 まあ、おかげで【次元収納】含む魔法を新しく三つ使える様になったんだけど……【次元収納】って本当に初級魔法なのかな……あの便利さで初級魔法って信じられないんだけど……


 とりあえず【次元収納】はとっても便利だし、これで荷物気にしなくていいからお買い物とか捗るのは嬉しい!


「(サラ〜……なんで帽子被ってくれないのにゃあ〜……ねえねえ〜……被ってにゃあ〜……)」


「(やだよ。職場にあんなの被って行ったら変な人みたいに見られるじゃん)」


 朝に弱いらしいルーちゃんは眠そうにしながら私の額を肉球でぺしぺしして来る。柔らかくてちょっと気持ちいいけどそのお願いは聞けないよルーちゃん。


 あんな如何にも魔女な帽子被っても似合うのなんてロッテさんくらいだよ。私が被ってもただのコスプレだもん。


 もし職場に被って行ったら、なんだこいつみたいに見られて今以上に居心地悪くなりそう。ハイリスクノーリターン過ぎるよ。


「(にしてもまさかクビ予告された数日後に魔法使える様になるなんてねー。これでクビにもならないし、本当ルーちゃん様々だよ)」


「(私はちょっとお手伝いしただけにゃ。でもサラ、昨日話した事わかってるにゃ?)」


「(大丈夫。わかってるよルーちゃん)」


「(ならいいにゃ。私は眠いから寝るにゃあ……おやすみにゃ……)」


 そう言ってそのままルーちゃんは微睡に身を任せて眠りに落ちていった。羨ましい。


 昨日ルーちゃんと話し合った結果、ルーちゃんには魔法については使ってもいいが、万能属性という属性については隠した方がいいという事になった。


 元々万能属性というのは魔王の一家であるルーちゃんの実家の書庫の奥深くに眠っていた古い魔法書に記されていた名前らしく、一般的には【名も無き属性(アンノウン)】と呼ばれているらしい。


 もちろん、私はそんなの聞いた事ないけど。一般的ってなんなの……


 こんなの説明してもどっから知ったんだって話になるし元々極稀ではあっても万能属性の適性を持った人はいて、その人達は特に属性分けをされていないっていうのは知ってるからそんな感じで押し切る事になった。


 大丈夫。昨日の黒歴史で私は学んだよ。何も考えずに勢いでなんとかしようとすると黒歴史は生まれるからブレーキは必要だって。もう黒歴史は生まないよ絶対!


 そんな事を決意しつつ穏やかな朝の中央区を歩く。次の角を曲がれば魔導ギルド支部というところで、


「あら?」


「あれ? ロッテさん?」


 ばったり逆方向からやって来たこの間出会った時と同じ魔女な装いのロッテさんと出会った。


 それコスプレじゃなくて普段着なんだ……


「おはようございます、サラさん。もしかしてサラさんも魔導ギルドにお勤めなんですの?」


「え、私もってもしかしてロッテさんも?」


「ええ。世間は狭いとはよく言いますわね」


 そう言って穏やかに微笑むロッテさんに内心めっちゃ動揺する。


 え、Aランク冒険者なのにギルド職員なの? 絶対冒険者の方が儲かると思うんだけど……


 というかロッテさんくらい目立つ人が同じ職場なの知らない私って一体……


「とりあえず行きましょうか。もうすぐそこですけど」


「あ、はい」


 ロッテさんと二人、並んで歩き出す。


 並ぶと背が高くて美人でスタイルのいいロッテさんと正反対の私との差が顕著にわかるけど、ロッテさんくらい完璧な美人だと嫉妬も出来ないよ全く。この外見で実力も凄いとか反則だよ。


「そういえばサラさんってパートナーはいますの? サラさんと組んでるって人聞いた事ないのですが」


「え、私? いないけど……」


「そうなんですの?」


 意外そうにロッテさんが言う。元々魔導ギルド職員の仕事は二人一組でペアを組んでその二人で当たるというのが基本。


 たまに理由があって組んでない人とか、専門でやる仕事的に一人とかはあるみたいだけど。


「まあ、色々あって……」


「色々……? まあ、それなら話が早いですわね。サラさん、私と組んでみませんか?」


「へ?」


 思わぬ申し出に思わず抜けた声が出る。


 え、私がロッテさんと? あのAランク冒険者のロッテさんとペアを組むの? え?


「どうでしょうか。私、ペアは私が組みたい人としか組むつもりありませんけど、サラさんなら是非組みたいですわ。そろそろ支部長の早くペア組め催促もうざったくなって来ましたし」


「えっと、私で良ければ……」


「決まりですわね! 早速支部長の所に行きましょう!」


「わわっ! ちょっとロッテさん引っ張らないでー!」


 恐る恐るオッケーした途端、笑顔になったロッテさんに善は急げとばかりに手を引っ張られて支部長まで連れて行かれる。


 既に来ていた他の職員さん達の困惑した視線が突き刺さったけど、私悪くないよね!?


「失礼しますわ支部長」


「ロッテさんノック忘れてる! あ、支部長おはようございます!」


「なんだよ朝っぱらから珍しい組み合わせだな。というかサラの言う通りだリーゼロッテ。ノックをしろノックを」


 ノックもなしに私を引きずって勢いのまま支部長室の扉を勢いよく開いたロッテさんに、モーニングコーヒーを飲んでいた支部長は溜め息混じりに言う。


 それを見てロッテさんは特に悪びれた様子もなく「あら、これは失礼」と軽い口調で頭を下げると要件を口にした。


「私、サラさんとペアを組む事になりました。問題ありませんよね?」


「……悪い。聞き間違えか? もう一回言ってくれ」


「ですから私、サラさんとペアを組む事になりました。そういう訳でよろしくお願いします」


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」


 穏やかな朝の時間が流れていた支部長室に支部長の叫びが響き渡った。


 そうだよね……そういう反応になるよ普通……

補足ですが、極稀に発見される万能属性に適正がある人は他の基本属性どれかにも適正がある為サラみたいな事にはなってないです。習得自体も完全に偶然の産物となってます。



お読み頂きありがとうございます!


面白かったり、続きを読みたい!となったら画面下の☆から評価やブックマークして頂けると執筆のモチベーションになります!


それでは、次回の更新でまたお会いしましょう!

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