ユグたん
こんばんは。
「よくぞ帰って来てくれた!……そしてこれを受けとれ。」
やっとの思いで着陸した矢先、既に王は待ち構えていた。
街は、強い地震があったような断層が幾つもあって建物が半壊していた。これは、先の壮絶な音と帝国から出た衝撃からなるものと考えられる。
王の右手には、見たことの有る旧型の黒のダイヤル式電話があった。
「これは?」
「これは、我が国が持つ【神々の玩具】の一つで神々と相談出来る代物じゃ。
通話のやり方は簡単!ダイヤルには六つの穴が存在し、各穴には神々の戦・知・軍・大・海・愛が書かれているだろう?
話をしたい穴に指を入れて魔力を流せば通じる!……グハァ!」
「王!?」
ドサァ!と崩れ落ちる王をすかさずアキトが受け止めた。
「誰かにヤラレたのでしょうか!?」
「イヤ。戦神様と長電話していたせいか、魔力が枯渇していまって……」
心配して損したよ。って顔をするアキト。
「……しかも!お前達と無線機でのやり取りは情けない事に、若い頃を思い出してもうたわい。」
自力で立てない王は『ハハハ』と笑うのを見て、超冷静さを取り戻した。
「……
で?これを誰に繋げば良いのでしょうか?」
「おお!そうじゃった。その前に少し魔力回復剤をくれぬか?
……本当に少しだったな。まあ良い」
とりあえずは、話だけはスムーズになった王は戦神様との話のやり取りをアキラ達に話した。
その話とは、【神々の玩具】の中でも最多の神の名が刻まれている“浮遊要塞・バビロン”という物の存在。
そして、今!一部の大地が浮遊している物こそが、帝国の地下に眠る“浮遊要塞・バビロン”だということ。
戦神様曰く、アレは皆で作ったが途中で『こんな大きい物、何処に置くの?』という意見が出てらしい。
そこで軍神様が、“俺の使いの城の下に埋めよう……使える時にいずれ!”と言ったままそれっきりだったそうな。
「つまり、本格的な【神々の玩具】で名前からして“遊ぶ”為の施設なの?」
「それが同じ遊ぶでも、私達の遊ぶと神々の遊ぶとでは違うみたいでな。
どうやら、世界の変革が出来る装置みたいなのじ。」
「変革って」
「つまり、天界への介入し地位が代わるという事じゃ」
セロやアキラ・アキラが一斉に『あ!』と何かに気付いた!
「あの装置さえ有れば!天界人を全て核へと変貌出来る!」
「それだけじゃ無い!魔法がこの世から消えことだってあり得るわ!」
時は遡って
……
暗い。
パラパラと楽しい日々の一枚の写真が、私の沈んでいる黒き穏やかな湖へと落ちて来る。
ワンシーンワンシーンが着水すると、有るものはスッと抉り込むように入って私の肌をコツいたり、はたまた水辺に浮かんでいた写真が水を吸い込んでユラユラと沈んで、ヒラリと私の体に舞い落ちるてくる。
もう……どれほどの楽しいワンシーンを見ただろうか?どれほどの過去を思い見返したろうか。
次第に私は、楽しかったユグとの思い出……脳内に光輝くフラッシュバックをも忘れようと目を閉じた。
……助け て
(ふん。)
……けて。助
別に俺じゃ無くても、誰かそばに誰かいるだろ!そっちに行けよ。
水面にピチャンと写真が浸かる音と共に、私の耳には何処の誰かの助けが聞こえて来る。
(……ああ。助けてばかりじゃんか!他になんかあるだろ!?)
こんな事言うなんて、なにが!正義のヒーローだ。俺が俺を非難するのは、いくらでも言っていいだろ!……と思いつつ心ではタメ息がある。
(ハァ。助けてとかもうイイ)
……胸が ……小さく
(!……?)
私は不覚にも興味を持ってしまった。
魔力が……われて小さく……
(ウンウン。それで?)
『助けて』というキーワードがとても嫌になったからか、誰かの叫びが!ただ一人の叫びを私は集中するのだった。
「ハァ。胸が大きくなったのに、魔力を吸われて小さくなっちゃうのかなぁ。
スゴウ様、嫌いになっちゃうかなぁ。」
するとどうだろう。今まで途切れ途切れだったのに、スゥーとすみきった声が聞こえて!?
……
同時刻に戻る
「……それで、どうやったら浮遊要塞を撃破できるのでしょうか?」
「んー。ハッキリ言って無理かな。
……そだ!!」
「な!?何です??」
何か解決方法が無いかを模索する上で、作った張本人に聞く事にした。
因みに電話をしているのは、魔力たっぷりのドラゴンであるアキラだ。
「そう言えば最近、狂神の使いとして生まれ出たってあったね。
アイツなら多分、何か“ヤラカシテ”いると思うから電話代わるね。」
え?と思うアキラは……封印されているんじゃ??というか代われるの?と息を飲んで待っていた。
その時!!大声を出して轟音と地響きを揺らして在る者が飛び立った……それは
「ユグゥゥー!!?」
「スゴウ?」
もう横倒れていたスゴウの姿はもう居ない。
いきなり飛んで行ったスゴウの姿は、飛んで行く姿は全く見えなかった。
しかし、声だけはスゴウのモノであり、そして『ユグ』という名でスゴウと判明した。
「ん?スゴウを知ってるの??」
「え!?……狂神様ですか?」
「だって代われって言ったんだしょ?大体は戦神から聞いたわ。
で?答えだけど。在るちゃあ在るし、無いっちゃあ無いかな。」
「どういう意味ですか?」
狂神は『これから長くなるけどイイかな?』とアキラに伝える。
アキラは勿論だが、助けを求めて電話している身なのだ。イイとか悪いとかいう選択は出来ない。
だから出る言葉は『どうぞ』しかない。
「あのねぇ。私!いつもいつも、みんなの仲間外れになって来たのよ!
私も神なのに!……ネェ?神よ??
なのに封印されてサァ……そしてアイツ等は、それぞれに玩具なんて作って行くじゃない!?
私も作りたかった……のに作れない現状。
そんなとき三千年に一度の封印が弱まる時。
これは、生き物が何故か一番死ぬ時なのよ!
だから!私にも舞い込んでくると核心していた!
だけどね、仮にも私は“神”なの。
言われた事は叶えるのが私の仕事。
最初の人は、人の為に生きたい!……せめて簡単には死なないスキルを!と願った瞬間、私の心は地に落ちたわ。
だけど!ソレハ来たのよ。
ソレが、万田凄雨。
万田は最初は欲は無かったけど、ある方向へ矛先を変えることで変化がおきたの。
それからよ!万田はスーゲーマンのウンチクを長く話てくれたの。
私は!ソレを、忠実に!!忠実にやったよのアハハハハハハ!アヒャヒャヒャヒャ……
あーあ。笑い過ぎたわ。顎の筋肉痛てぇ。」
「……それが?」
それがどうしたの?だから何なの?
……
ところ代わり
(聞こえる!聞こえるぞ。ユグ!そして、核になったモノ達が聞こえて来る!)
「そこかぁぁ!!」
一個の点が、巨大で浮遊している要塞に穴を通すように突き刺さる!では無く!!
硬く巨大なモノが、最も早く最も硬く怒りがこもった拳はなんとも簡単に突き刺さるモノなのか。
ダイヤモンドが、弱点の一点が突き刺さるのでも無い……言うなればダルマ落としの様に突き刺さったのだ。
「!?なんだこの揺れ?」
「爆音は……無いな。乱気流にでも、ぶつかったんじゃ無いかな。」
「そうかもしれんな。それに、何かが飛んで来たという反応は無かったしな。」
スーゲーマンウンチクで言えば、スーゲーマンは本気で飛ばない。
もし飛んだとすれば、飛ぶだけで空気の摩擦でそのへん火事になるだろう。
なんせ、光の速度より早いんだから。
反応があったかもしれないが、見えないのも事実だ。
彼が言っていた『乱気流では』と。
その乱気流は、スーゲーマンが飛んで跡から着いてきた風の事だ。ある意味正解だ。
「ついたぞ。声……コレがユグ??」
ズラリと壁に嵌め込まれた核は、まるで産卵期の魚が産み付け終えた景色。
部屋中央には大きな穴が空いていて、横からではなく下から入れば良かったかもしれないと一瞬考えさせる。
ユグの声がする一際大きい核を、ガポッと取り出した瞬間それは聞こえて来た。
「スゴウ様ァ!助けてくれてありがとう」
口が緩みそうに成りつつ
「今は、俺のポロシャツの中に居なさい。」
へへへ笑い中に入れてシャツインすると、再びユグから声が聞こえて来た。
「他の方達も助けてあげて。」
核だというのに、下から見上げて来るかのような声の掛け方は上目遣いをしている感じがした。
私は『わかってる』と優しく答えると、超能力を発動した。
「!?な?!」
「エネルギーが急速に減って行く!」
「まだまだ魔力が高い生物は沢山いるんだ。
あのアキラも取り込める程に、強力モードで収集すれば良いだろ。」
「そうだな。」
ズッポシ!という感じで全て核を全て取り出したのも束の間!
突然、部屋中央の空いた穴から放たれたのは見たことがあるピンクの柱!
「これは!?」
「スゴウ様、このピンクの柱を壊して。」
ピンクの柱は、今いる部屋よりももっと上から降り注いでいた。
(何処だ?……ここか!?)
スーゲーマン隠し能力に、生き埋めになった人達を助け出すという場面がある。
スーゲーマンは、見えなくても目的の物を瞬時に見つける事が出来るのだ!
……
電話に戻る
「それがじゃないわよ。
私も作ってやったの。神々の玩具をね。
まあ、私は!抜けもの扱いされたから、アイツ等の作品をブッ潰し専門のヒーローにしてやったわ。
万田凄雨こそ!真のスーゲーマンなのよ。」
「じゃあ……」
(だからアイツ動けたのか!)
「只今、アイツ等の特注品が私一人でこさえた作品によってブッ潰されているでしょうね。
もっと!もっともっと潰れてしまえぇぇ!」
ブッ!と力強く受話器を置いて浮遊要塞を見れば、再びピンクの柱が出て……そして直ぐに消えたのを見て核心に至る。
「噂通り、狂神は頭が狂ったヤツだけど……
やっぱスーゲーマンは、凄いかもしれないわ」
再び空を見てみると、赤いレーザーがクルリと一回転する。
そして、遠くの方で地下の要塞と地上の帝国が分離するところだった。
そして
「あーん。やっぱり胸が小さくなってるぅ」
「別に良い。ユグが戻ってくれたんだ。
そんな事より、ユグ!結婚してほしい。」
『そんな事!?』と自分で胸をモミモミし何かに気付いたようだ。
「空に散らばった魔物を刈ってレベルあげましょう!そして、スゴウ様の【レベルあげる】で成長した私を御母上に見せに行きましょう!」
目をキラキラするユグには悪いけど、まだ悪い事をしてないのに倒すとか出来ない。
あとそれと、ポロシャツにユグの核を入れていたから今上半身裸だという。
「では、近くのユグの親に挨拶に行くために服を買って行こうかな。」
「大丈夫です!私の故郷は田舎なので、男性は上半身裸は多いですから。」
えー。と成りつつ『さぁ!天界へ』と手を引っ張るユグの羽は、前よりも少なく二枚で身長も三割減って幼女だった。
(一応城を落としたからレベルが上がってはいるが。どうする?このままだと私は犯罪を犯しているような……。
隠していたが、元の羽四枚~八枚にした方が良いのでは無いだろうか?……社会的に)
声などのトーンはいつものユグだというのに!マックスの幼女がぴょんぴょんする姿は、他に見られたらヤバい感じがする。
周りは、核から人へ核から魔物へと代わって行く中で、私達はいつまでも動かない私と引っ張るユグが宙に浮いていた。
終わりです。二件のブックマークの方、ありがとうございました。
いつもいつも、何気にパワーをくれます!ブックマークという力は!!
また、いずれ( ≧∀≦)ノ




