ギルドへ
こんにちは。
目を閉じて集中することで、何やら浮かび上がってくる。
(誰が誰かを見下ろしている……明らかに見下ろしている人達が困り果てているようだ。
声は??)
「どうしたんだい!?力自慢の男が三人も寄って、一人の男をも退かす事が出来ないなんてそれでも冒険者の端くれかい!?」
「オロ婆!そりゃないぜ。」
(なるほど。これは牛がマンホールか何かにハマり抜け出せないというやつか。
テレビとかで動物の救助をするために村が全体で取り組んで助けるという心暖まるシーンの始まりなのか?)
「そうだぜ。こいつは重いとかいう次元じゃねぇ。それに起こす為とはいえ、奴の頬に剣の鞘で軽く突いたんだか凹まないんだ、」
そう聞こえて来た時『ほらっ!凹まないだろ?』と鞘を誰かの顔を……
(人間か!?……って俺じゃん!!)
直ぐさまカッ!と目を開けると周りが驚き皆さん少し後退した。
「ちょっと退いてくれよ!朝市が出せないじゃないか。それとも、何処かに雇われた場所取りのプロかい!?」
ボーと私に説教するおばさんを見ていると『ただとは言わないよ!これで退いてくれないかい?』と手を差し出す中には何かの茶色のコインが三枚。
尚も『ほら!受け取りなって』と言われれば、手を差し出すのが世の常。
「さ!受け取ったんだから退いた退いた。」
どうやら私が寝ていた場所は朝市の場所であり、裏路地は街の商店街となっている。
そうだ!では、正規の道はどうなっているのかと覗いて見ると、全ての家では無いにしろ何かしら商売をしている様子が見えた。
何より出入口の門から入り、真正面の道路は一直線に伸びている。
街の後方……つまり一直線上の先には教会と冒険者が集う場所、そしてもう一つの門が存在するという事を昨夜聞いた記憶がある。
(ああ。そうか……腹がいっぱいになって寝てしまったのか。
じゃあ……あ!この茶色のコインはまさか!?)
そう言えばそうだった!門兵のあんちゃんから銅貨三枚のお金を貰っていたんだ。
その銅貨三枚が、あのオバサンの差し出したモノと一緒だったのに今頃気付いてしまった。
お金と気付くのが遅かったが、当初の予定てある門兵との約束を果たす為、今は冒険者が集うギルドへと向かっている最中である。
私は歩く。何も食べず何も飲まず、ただひたすらに歩いている。
誰かに指を差されようとも構わない!見た目が変だとしても構わない。彼との約束を果たす為に私は歩き続けるのだ。
さあ!冒険者が集うギルドが見えて来た。
いつものノリで、重量感のある立派な両開きのドアをズバン!と……開けたと同時にドアノブが粉々になった。
「……よいしょっと。
……すいません冒険者の登録はここで良かったですか?」
結果で見れば、ドアの片方が外れたと同時にドアノブ粉砕で、地に落ちて行くドアを取ろうとしたらソレすらも粉砕してしまう。
私は、何もなかったように木屑となったドア破片を床に置いて受付へと出向いたわけだ。
「登録は銅貨三枚でしたよね?それと、ドアが傷んでいたようだ……少ないけど銅貨一枚で許してくれないかい?」
金銭感覚は分からないが、会員は大体がワンコインで入会出来るのが世の常……では、銅貨一枚の値段で言うと五百円といった所と自身で納得していた。
「冒険者登録ですね?では、ドアの料金を支払って貰う為に住み込みはいかがでしょうか?」
私にだって後ろめたい気持ちはある!しかしドアがこうもアッサリとバラバラになってしまうなんて計算外だろうと思った矢先、受付の背の低いオジサンが私に提案を持って来てくれたのだ。
実に察しの良いオジサンだ。これが、出来るオジサンというやつなのだろう。
「とても助かる!」
「では、職種は何にしますか?」
「職種?……ヒーローで」
「ヒーローとは何かの魔法の一種ですか?」
「魔法では無い。災害から守る者、それがヒーローだ。」
オジサンは少し停止したあと『わかりました』と言って下に隠していた資料を取り出し何か調べものをしている。
オジサンは何かを発見したのか『コレなんか、いかがでしょうか?』と一枚の依頼書を提示してきた。
「これは大商人のヒューゴ様の護衛となります。
更に付け加えると、護衛……つまり戦士という役割にも当てはまり、あなたの職種は戦士となります。」
一通り目を通していながら話を聞いていると、おおよその事が理解した。
まず、私の譲れない拘りという言い分は、受付オジサンからしてみれば種族か何かと受け取ったみたいだ。
まあスゲェ星人なのだから、だいたいは正解している。
次にスゲェ星人が種族とすれば職種とは、戦士であり魔法使いなどの世界を上下させる程の役割を持った種類と言える。
それは、王や教王ともソレに当てはまる。
「尚、初級職は何度でも変更出来ますので、その時は全国のギルドに立ち寄って下されば変更できますので。」
「では、戦士で。」
「分かりました。では、登録する前にココに手を置いて下さい。」
出されたのは、白い下敷きサイズのナニカ。
私は何も疑う事も無く手を置くと、パァッ!と光輝くのも一瞬で終わり『登録完了です』と提示されたのはゴールドカード。
どこかのクレジットカードにそっくりだった。
今日は二本書きます。夜になりますが、今晩もよろしくです。




