城
こんばんは
魔王が言ったタイミングで城全体が動き出した!それと同時に、先に行ったアキラ達が出戻って来て『スゴウ!早く城から出て!』と、あの慌てっぷりは私の心にも焦りが生まれた。
「なんか分からんがユグ逃げるぞ!」
「はーい」
「それは、何かな?」
『ん』とユグは両手を広げ連れて行ってくれるのを待っているかのような。
もう城の天井からは、パラパラと誇りやクズが落ちて来ていて大地震が現在起きている状態。
それもそうだろう!なんとなく地面の石畳が傾いているような感じがする。
「いつもの様にハグして飛んで下さい……お願いします。」
(……もともとスーゲーマンは外国の物語だ。という事は、ユグみたく胸が大きい人だって居るはずだったろう。
胸が大きいとかは多分私が大人に成ってしまった為に!注目してしまったんだろう。
子供の頃のような眼差しや考えが、今の私には無かったのか……)
「スゴウ様!!早くぅ!!」
私としたことが!
周りを見渡せば、もはや床が斜めっており滑り台となっている。
まあ、私達は宙に浮いているから特に問題も無いし床がどんなに動こうが気付かないのは当たり前なのだが。
(したかない。子供の頃の様にヒロインを助ける!それが本来のスーゲーマンだ。)
「い、行くぞ?……って!?わぁ」
自身の心に決めたって、グラマーなユグの身体のドコに手や腕・胸板を付けて良いのか迷うじゃ無いか!
だけども私の迷いを他所にユグは、近付いたのをきっかけにキュッと何も考えず抱き付いて来たから超ビックリだよ。
ユグの顔……なんだろうか?
とても高級な枕に顔を埋めるような顔は、私のヨレヨレのポロシャツから出る、鎖骨首元にユグは『ニヘヘ』と夢見心地である。
「なぁにやってたのよ!」
「あ!ユグっちの羽が!?」
うん。そだよ。
ハグしたままでも、映像のような羽は健在で、別にユグは宙に浮いているだけなのに、サラサラと魔力が溢れる絵は、まるで夜空に二人して飛ぶ平和と愛の象徴のようだ。
「注目せよ!この私こそが!!魔王であり、この城の城主なのだよ。
そして、究極兵器の完成だ!」
響き渡る魔王の声には、見向きもしない方々がいた。それは
「ユグっち。いつもラブラブで羨ましいわよ」
「そだぞ!胸がパッツンパッツンじゃないか!良かったなスゴウ。」
ズビシ!と親指を立てて祝福を祝うイウヤに、セロは夫の耳をひねるという完全フル無視状態である。
対して魔王と向き合っているのは、戦闘に真面目なアキラと以外にもアキトだった。
『ねぇねぇ聞いて』から始まるイウヤの話には、アキラに着いて行ったばかりに生じてしまった出来事をペラペラと話し出した。
それは、愚痴だと思う。
私が渡したマイクによって、何も知らない幹部連中は毎度と登場シーンをしたそうな。
そして繰り出されるのは、アキラの得意技の火球のみ。
一撃で消滅と爆音を繰り返していれば、体験した人等は爆音には反応は薄くなるのは必然。
例え城が傾いたって反応は薄くなるものだ。
現に、イウヤ夫婦は無関心に私達の方向を見続けている。
後ろを振り返れば、魔王の城が人形に成ろうかとしている所なのにそっちへ向こうとはしないのだ。
『ハグさして!ユグちゃん』とセロが手を広げ、『うん』と言ったユグが見たモノに驚きを隠せないのだ。
ユグは正常であるし、私も正常だと思う。
正常では無いのはイウヤ夫婦だ。
明日もよろしく




