落ち着いてビーム
こんばんは
いや待て待て。落ち着け!
「ユグ!まだ私の攻撃は続いている。危険だ!」
『やったの?』と声を出した事から、こちらへ来る動きが見られたユグに、待ったの声を掛けて止めておく。
(まだ、私のレベルアップが鳴って無いという事は、目の前のコイツは未だ現在ということだ。)
目の前には、キンキンに冷えたさまようミスリル鎧騎士がカチンと固まっている。
この固まり方は、神々の玩具のせいによるものなのか定かでは無いが、顔のヘルムも動け出せないのか声すら出なく固まっている。
「今からが本当の攻撃だ!直ぐに終わる。」
もう精神集中なんてしない。
感じとしてチュン!……そう、瞬き程度の一瞬のみ解き放つ予定。
ミスリルの脇腹に狙いを定め『ココォ!』と放つとピュン!と突き抜けて飛んで行った。
この時!俺は確信した。
(ヤバい!早くユグを助けないと!!)
瞬時にユグがいる場所まで飛んで庇う。
私は見てしまった。
目から赤い線が飛んだ時も、
ミスリルに当たろうとしたスローな瞬間も……
……瞬間、ミスリルの胴部分は触れる前に凹み蒸発して行ったように見えた。
多分そうだと思う。
実際のところ、何も触れずビームはミスリルの胴を突き抜けて摩擦で生じる煙さえも確認とれなかった。
そのまま、向こうの壁をも突き抜けて行く赤い一瞬の線は飛んで行った。
「ん?攻撃が終わったの?じゃあ私の……
あ、あああ!」
部屋にバシッ!ビシィッ!とミスリルなのに、青竹を割る音が鳴り響いた。
最初は妙に騎士の腹が膨らんでいるな?と思ったら、空いた穴から勢い良くシワのような模様が生まれる。
これは人で言うところの、太った人によく見られる皮膚が裂けたのか、それとも伸びたような身体を守る為に見た目シワができる。
シワは、ミスリル鎧騎士全体に行き渡ると、そこから紙を両手で引き裂く様に割れ爆散した。
「キャア!……スゴウ様?終わりましたよ??」
ミスリル鎧騎士は爆散したというのに、まだ庇っているスゴウにハテナ顔でユグは見てきた。
「いいかよく聞け。今!猛烈にレベルが上がりまくっている。
レベルが上がるのは良いことだが、音声に変な言葉が入っていたんだ。」
「どんな言葉キャア!!」
まだ、爆発の連鎖は終わらない。
ここからじゃユグは見えないけど、ジワジワと魔王城の壁が赤く広がって来ていた。
私達がいる部屋の壁は爆発した後は、その向こうの壁も次の壁も高温となり爆発していくだろう。
「魔王幹部・ミスリル常習犯リルルンを討伐。
レベルが百七十五上がりました。
次に魔王究極兵器キングドランの横腹を貫通に成功!レベルが八百三十五上がりました。」
こう言ってる。
魔王究極兵器??
「爆発は終わったようだな。
言葉の内容には、【魔王究極兵器】とあったんだ……知らないよね?」
コクンと頷くユグに、ユグの返事を待たずして恒例の俺特殊スキル【レベルあげる】を使用した。
「見て見てぇ。羽!羽が大きくなって完全体の十二枚になったよ。」
目の前に、前世の絵本で出てくる妖精だ。
妖精は、ステンドグラスに描かれているかのような女性がいた。
「おお、キレイだ。」
やっぱり羽が十二枚になったところで、触れれなかった。ちょっとした映像だ。
「スゴウ様にはもっと、違う所を触って欲しいです!」
黄緑よりも薄い、大きく進化した羽は立体的になって前後と着いているのに、かさばって見えずむしろスマートに見える。
初めて見る羽からこぼれ落ちる光る粉を私は掌で受け止め……れない!幻だった。
「んもう!羽から魔力が漏れ出てるのは綺麗かも知れないけど、ソコじゃ無いの!」
私の手を掴むと、スゥっと誘導しユグの胸元へ
「ダダダダ!ダメだ。ここはダメだ!」
「どこなら良いのです?」
女性のココは大切な場所!という意味で伝えたハズなのだが、ユグへ伝わったのは触って良い場所だった。
ユグの言っていることやヤろうとしていることは大まかに想像は出来る。
何故かと言うと、ユグは先に言っていたじゃ無いか!『羽が十二枚になればボインに』と張り切って。
私の目の前には、前回よりも大きく膨らんでおり、今まで来ていた臼布のワンピが胸が大きく成ったおかげで膝の部分が露出するようになっているのに!?
ユグときたら『ワーイ!ワーイ!完全体になったよー!』と言ってピョンピョン跳ねるからな。
今が室内で本当に良かったよ。
空が拝めれる所なら、下から見た日にゃマトモにユグを見れなくなるからな。
私が『どこって……』とモゴモゴしていると、魔王城にアナウンスが流れ始めたんだ。
「くっそ!もう私だけか……と思ったかドラゴン!?
言ったろ?私の所には多くの【神々の玩具】が集まって来るのだよ!」
それは、アキラがスムーズに幹部連中を倒して行ったのを確定するかのような内容だった。
セリフ的に、最終段階に入った感じがした。
明日もよろしく




