お前の魂胆は既に見切った
今晩は
私は今、注視しています。ソレは、海の魔物がオソラの腰に手を当ててた故に招じた事件とも言うべきものである。
(ダメだ!見てはいけないとは思うが、相手が気を失っている今こそ絶好のチャンスなのでは?
イヤイヤイヤイヤ!ここでチャンスとか考えるなんて、まるで私が痴漢の常習犯じゃないか。)
あの時、魔物の手を切り離したのは良しとするものなのだが、魔物の手も滑りにくい構造となっていてスカアトとズボンが合体したような布は、ずれて白い肌がチラリと出ているのだよ。
本当に若いってヤツは、隠すことを知らないみたいだな……けしからん!と思いながらも注視している私を許しておくれ。
「う、うーん。……スゴウ様ぁ」
(なんとぉ!?これは??……確かに!受け取りました。)
グタッとなり寝転んでいた隣のユグが、寝転び方向を変えた時!ユグの言っていたことが要約理解へとたどり着いた。
ユグが仰向けから横向けになった時!確かに胸の中心にシワが生まれたのだ。
今までは、胸筋がなっているから山はあっても川は存在しなかった砂漠だったのに!?今では山もあれば谷の先は川まで出現している始末。
(本当だったのか。本当に【レベルあげる】を使用すればユグは羽と身体が成長するのか……
次からはもっと嬉しく表現し彼女をもっと誉め称えよう。)
そうユグが目を開けて無いのを、全身の微かな筋肉の動きさえも見逃さない!という感じで見守りつつ、私は空気の振動とアキラの声や城の破壊音などで見てもいないオソラの位置を把握する。
そして、実行した。
「いやん」
私には分かる。オソラが、私の音速をも越えるスピードを感知したからこその声が出たということが。
連鎖はまだ続いていた。オソラの……いや、女性らしい『いやん』は別の女性をも目覚めさせたのだ。
「これだけは言っておく。
私は、愛しいユグしか見ていないから。」
(オイ!オソラよ、私はズボンの位置を正確な場所へ移動させただけだぞ!?
なのに、その手の位置はなんだ!!)
心の込もって無い棒読みの『いやん』とか言ったオソラは、あろうことかユグより小さい胸に手を当てて何かから守る形を取っていた。
「そうでしょうか?」
私はユグの介抱をしたというのに、全然信用してくれない返事が来た。
私は正義の味方スーゲーマン。ユグが私の愛しい人には変わり無いのは事実なのだ。
「私はユグの何かな?……信じて欲しい。」
ユグはゆっくりと瞬きをして一息ためる。
「私は……奴隷です。信じますとも。」
「違う!断じてそれは違う!!
ユグは、僕が好きになった初めて人なんだ。
ユグを見たとき、僕は舞い上り嬉しかった。」
私がこう言うのを知っていたかのように、一言言えば目を輝かせ、二言言えば羽をひろげ三言言えば歓喜するかのような身震いをさせて見せた。
「いやん。エッチ」
「……」
棒読み彼女の両手は胸からほどいて、今は私の身体をツンツンしている。
やはりと言うべきか、オソラの胸には別になんら損傷すら見当たらない。
「……オソラさん、変な誤解を招くような事をしないで下さいよ。」
ハハハ馬鹿な真似しないでくださいよ、とオソラの手を掴みツンツンを阻止する。
掴んだその時!アッとなって一時停止した後、顔を朱く染め上げていた。
「男子に触られたから受精しちゃった……責任取ってね。」
「オイ。シニアをナメるなよ。例え童貞だったとしても、手を触った位で受精するかよ!」
責任という言葉は大事である。
その言葉は、何よりも重要だって事は誰でも知っていることだ。
私でも知っている事!スーゲーマンなら尚更だ!だから強く反発したんだ。
「童貞ってナニ?」
「知ってどうする?」
「気になった」
「……触っただけじゃあ受精はしないから。」
何を話そうが、オソラに対しては一方通行だ。
だからか、もうオソラには見向きもせずにユグだけを見つめる。
「ユグ!もう君は奴隷首輪は無いじゃないか。
だから君は自由に羽ばたいて行けるよ!……そして僕も一緒に飛んで行くから……一緒に……」
最終の一言が言えない俺に、後ろから襲いかかる者が。
その影は、オソラである。
オソラは私の突き出した手を受けつつ『胸は無いけど、しっかりある』と言って、わざわざ私の突き出した手に胸を当て付けて来たんだ。
(バカめ!私がそんなスローでは当たらんよ!)
見なくても分かる!スローで胸を突きだして来たが、オソラのお腹をポンッと押して阻止をした。
「いたい。」
後ろにコロンと転がった矢先、発してきた。
「スゴウ様、大人げ無いですよ!
こんな小さな子を、大人の力で倒すなんて!」
『!』ビックリマークの後にオソラが『そーだ!そーだ!』と付け加えてなければ俺も素直にごめんなさいと謝ることは出来たと思うのだが、ユグの後ろから覗かせるオソラの顔ったらもう……!
(あとで、絶対!泣かしてやる!!)
「大丈夫?オソラちゃん。」
愛を叫んだというのに、反転してオソラへと向く愛しのユグさん。
「うん大丈夫。でも、もう戦えない。」
棒読み!棒読みですよ!?気付いてユグさん!
「いや、最初から戦って無いじゃん。」
「スゴウ様は黙ってて!」
あのオソラが!あの寝たきりのオソラが、こうも話をしているのには理由が存在した。
その理由とは、目の前に広がる光景を見たとき!……『あっ。もしかして』と思い浮かび上がるのだった。
今は知っての通り、空から雨あられで魔海の魔物が空から降って来ている。
そのお陰で、魔王城の二秒として持たなかった最新のバリアーなる物が降って来る物により破壊されたんだ。
そして
「なるほどな……オソラよ、陸に上がると陸の生物となりオマエのスキルが全くの意味が成さなくなるんだな?
だから!先手を打って『戦えない』などと、最強の盾を装備した訳か。」
全ては地へとぶつかり生還してきた魔物が発言を聞き入れ、私なりに理解したんだ。
どうやら、私の勘は当たっていたようだ。
オソラが、我がユグから離れないようになっている。というか、私の顔を一切見ないのだ。
明日もよろしく




