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シニア異世界へ  作者: ふ~ん
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門前で

今晩は

「ま!まさか!?魔王とそこまで繋がっていたの?……っていうか、軍神は何を目指し何を考えているの!?」


 昨日の会議で冒険者から法外な値段で【神々の玩具】を取得した軍神が、今まさに魔王城から悠々と正門から出て来る姿を見てしまう。


「そんなに警戒しなくても良いですよ姉弟さん。

 私達は魔王と取引に来ただけですから、もう帰るだけですので。

 だから、そんな無言で姉弟で目線のやり取りをしなくても……まあ、かかって来たときは後ろの人間をちゃちゃっと始末しますけどね。」


 『要らない人間なら、どうぞ襲って下さい』と挨拶を交えて御辞儀をする参謀のアオシ。


「行くぞ……ゲートオープン……」


「あ!あれは携帯型ゲート!?」


 頭を下げても攻撃の様子が無かったからか、相手の意図を読み取ってジンが面倒そうにズボンから何かを取り出すと『ゲート』と言い出すと、何もない所からドアが出現した。

 ジンがドアノブをキィと開けると『お帰りなさいませ』とメイドさんが片ヒザを付けてお迎えの姿が見えた。


「姉さん!軍神に問わなくて良いんですか!?」


 このまま逃がすとは思ってもいなかったようで、アキトはこれから一戦の前の強敵軍神と戦うのかどうなのか?という審議を姉アキラと目線のやり取りをしていたが全くやり取り出来ずに終わってしまう。


「ホウ。噂とは違い、随分冷静じゃないか?」


「そうですねぇ、今が絶好の好機とは思いますがねぇ。まあ、後ろの客人が足枷となっているのでしょうねぇ。」


 そう言って、彼等と関わらずドアをくぐるジン達を見送る形となった。

 その際『啓明な判断だ』とボソリとジンが笑いながら言っていたのを皆が聞いていた。


 時、同じく


 携帯型ゲートのドアが消え去ると、魔王城からデカデカと声が鳴り響いて来た。


「よくぞ来た勇者どもよ!歓迎しようではないか!……さぁ!我に挑戦してくるが……」


「勇者じゃ無いっつーの!」


 魔王?なのか、それっぽい声が聞こえて来たかと思ったら、即効でアキラがドラゴンの口から出る勇ましく大声が発せられる。


「ならば何用か!?……もしや軍神の取引!?」


「どうでも良いから出て来い。

 ……渡したいモノがある。」


 チラリと横を見ると、姉に向ける目では無いアキトがそこにいた。

 アキトは、何故あの正門から出て来た瞬間から軍神の使いを攻撃しなかった姉の行動について、いかんせん心では受け止められない所があった。

 だがしかし!敵対する相手に『客人が』という言葉を聞いてからというもの、自分の無力さに苛立ちを隠せない。


 苛立ちは時間と共にアキトの活力を奪って行くのだが、それでも変わらずの姉がソコに立っていた。

 そう……今!まさに今、何ら変わらず魔王といつものトーンの話し方を聞いて後ろめたい気持ちでいっぱいだった。


「は、はーい。今、行きます。」


 ガチャンとインターホンの受話器を置いた感じを聞いて、今がチャンスと思ったのか姉が小声で皆に伝える。


「あなた達は客人でも無いし、足手まといなんて思ってもないから。

 ただ、聞いて!私が引いた理由は彼等が言った“取引”よ。これでもし、彼等に新しい玩具を手に入れていたとすれば……

 何も対策してない私達は全滅よ。」


「あの……」


「なに?」


 プルプルとアキトと指を指し示す先は?


「あ。……どーもー」


 正面入り口の小窓から顔を出したのは、額にギョロリと目があり普通の目は何がの帯で縛っている、顔色おかしいシニアっぽい人?だった。


 パシャン!と小窓が閉って十秒位が経過すると


「我を騙そうとするとは不届き千万!騙されようたって、そうはいかんぞ!?

 お前達が近付いて来ているってのは勇者か冒険者かで薄々気付いていたんだ!そんなお前達に少しばかり感謝をしようではないか!」


 コイツ、まあまあ騙されやすそうだ。

 話を戻すが、突然ブワンと音と共に薄いピンク色ドームが城を覆った。

 

「だっははは!これは最近買った、武器や魔法を完全に遮断する装置だ。

 フフフン!それに付け加えて、我が軍団のみが出入りが可能なのだ!……ドラゴンなんてチョチョイのチョイだな。ダーハハハ!」


 コイツ、死んだな。

 話を戻す。

 時を同じくして要約合流に成功した。


「すいませんね遅れて」


 バヒュンと降り立つと両手には、ユグとオソラがグタッとなっていた。

 それに付け加えて、オソラの腰には誰かの手が?


 そう!これはスローモーションで言うと、瞬間移動的に早く飛んで着いた先で『遅れました』と言うが、引っ張る強さは強大である。

 その強大さは、普通ならばユグ達に強い付加が掛かってしまうのは明白だ。


 だから!私は、私が手を繋ぐ者には付加が掛からないように超能力でバリアを張って守る。

 これは、例え相手の握る強さが限界に達したとしても手放さないように……落っことしてしまわぬようにと、繋いだ人達は全て守るというヤツだ。


 なんだけど……思い出してほしい。

 オソラの腰を掴んでいたのは、海の魔物でオソラの移動手段は魔物が一列となり、手渡しで進んでいた。


 そう!【一列】!

 だから、地に降り立ったオソラの腰に手があって、そして連なる一本道は力を失わずブワッと弧を描いていた。


「オラッ!ドラゴン掛かって来んさい!

 んん??びびったのかなぁダハハハ!」


 力の元が一時停止して、最終列の力点は止まらない。行き着く先は、もちろん魔王城。


 ドシャア!と巨大なシーオーガが城に当たった瞬間だった。

 当たったと同時に、ヴ!ヴーンと明らかに出力が落ちた演出が来たと同時に笑う者と苛立ちが隠せない者が!その演出によって入れ替わったのは言うまでもない。


「ハハハァ。スゴウ、これで遅れた事はチャラにしてあげる。」


 尚も空から魔物が降って来るのは仕方がないことだけど、魔物が城に当たる音よりも近くのアキラが力を込めて握る拳からは、ゴキゴキと鳴る間接音はなんとも本気感が出ていた。

 因みにオソラを掴んでいた魔物は、私の二の舞事件を思い出させる要因となったので直ちに切り放した。

明日もよろしく

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