ラッキーか
こんばんは
「バカめ!戦神の右腕とも言われた赤髪のアキラがテメェ等を擂り潰してやってやろう。」
横から見ているとLEDでは無い、旧バージョンの信号機に見える彼女は、勿論色々な意味で赤信号だ。
「っと、その前に……すまなかったな。」
イウヤの肩をポンと叩くと、やっと一人動き出したのを切っ掛けに、フードの連中にも続いて動き出した。
「さぁ!お兄さんも騙されたんだろぉ!?……証人もいるって事で、暴れようじゃないかぁ!!」
この女、赤髪のアキラという奴はあの奴隷首輪をしていた時とは体型や雰囲気も全く違う。
心の持ちようさえも、ガラッと変わったようだ。
ガハハと笑うと、赤信号が消えたと同時にテント内部にいた人達が動き出した。
だがしかし!動かない。
「フッ。そうであろうな。誰でも簡単に死にたくないものなぁ。」
「おう、イウヤ!とりあえず床の大金貨一枚拾えば、払った分と損失位は反ってくるだろ。」
『帰ろうぜ』とイウヤに声をかける。
赤髪のアキラの合間を縫って、ぬぅっと入り込んだ。
こう言えばもっと分かりやすいかもしれない……空気読まんと入って来たのは、お手て繋いだカップルがフワフワと浮いて参上。
「お……おう。そうだな。
これで新しい奴隷が買えるってもんだ。」
「私の目の前で!イチャイチャ見せつけてんじゃねぇぞ!?」
「ん?……ハッあ!」
なんだろうか?一瞬の内に、ピンッ!と張った糸が緩んだかのような和やかな雰囲気は、多大なるスキを見せてしまったようだ。
(私の手は何故にオナゴのお手てをしっかりと握っていたんだ。
って!?えーー!?!?そんな顔しないでぇぇぇ。)
「クソ!意気消沈だったのに、なんて空気作りやがるんだ。」
「いや!その、これは連れて来ただけで……あ、あっぶなーい!」
舞台で言えば一番前に出ていたのはイウヤ。
更に言えばイウヤは、俺の方へ向いているからヒューゴからは背中を向いていた。
そこで高ランクの冒険者が放った鎖がついた分銅を、当たりそうだったので助ける。
決して!この場を抜け出してラッキーという感じで救った訳ではない。
だけども、俺の声はラッキーと声が出ていたようにノっていた。
分銅と掴むとオラッと引き寄せると、余りにも力が強すぎたのか武器所持者ではなく、鎌のみが猛烈なスピードでイウヤに襲いかかる。
「と!」
「おお!?ありがとな……ハハハ。」
この分銅取って、引いて鎌を引き付けて楽々と鎌を掴み取る。
どう見たって全て俺が招いた危険なのだが、速すぎて皆気付いて居ないようだ……一人を除いては。
(その眼光。その眼差しは……疑ってるよねぇ。
分かるよ。それくらいは半世紀生きた俺には分かるよ。)
スーゲーマンには何人で囲まれようが、テントで暗くて見えなくても、見えてしまうのがヒーローというものだ。
だからと言って、相手の武器を破壊し乗り物ごと投げ飛ばしたあげく、強い拍手だけで数人が気を失うという……もうスキルでもなんでもない技を披露してしまったんだ。
更に言えば、俺の側にいた彼女がウルウルと目を光らせる眼光はとっても眩しい……いや、暑苦しいと言って良いかもしれない。
そんな事もあり、今は背中に四枚の羽が付いた彼女とイウヤとイウヤの彼女と赤髪のアキラとフード連中とで、赤竜帝の古城シュバビエに行っている最中だ。
あのあと、大勢の冒険者を倒していると役人が入って来た。
『チッ!息がかかった役人か』とアキラさんが言ってからというもの皆で逃げて来た。
途中、イウヤが嫁?エルフでメガネ掛けた彼女を連れ出して来て加わることに。
「のぉ?御主のような強い御仁を見たことがないぞ。」
「そうですよね!軽くAランク冒険者が放った無属性の魔法の矢も、足に当たりましたが弾いていましたし!ステキですよね。」
「……あの、その眼差しやめてくれませんか」
こんな感じで、変なグループとなった。
目指すは、海を渡り山々が連なる所ホウレン山にドラゴンが住む国、シュバビエ城があるそうだ。
明日もヨロシク




