業務する
こんばんは
今までにないどよめきは、誰がなんと言おうが見たい!しかし、イウヤ注文の品……彼女を連れてあの部屋まで行っていたらオークションが終わってしまうかもしれない。
「今から外すからね。ちょっとゴメンよ。」
首に輪がはめ込まれていて、中央には錠がある奴隷首輪を、オークション内容を見たいからって自身の片手で握り潰す仕草をとった。
すると彼女は何かにビクつき、目を閉じて次第に体を震え始めた。
自身の行き先が決定したというのに、目の前の主から引き剥がされ、知らない男に首輪を持たれ力を込める仕草は彼女からしてみれば恐怖でしかなかった。
彼女は、一瞬で色々と考えたろう……永遠と恐怖が渦巻く記憶があったと思っていいかもしれない。
「はい。……?終わったけど??」
恐怖が渦巻いている最中、彼女は覚悟を今か今かと備えようとしていた時だった……何も移動してないし、首根っこ捕まれ引きずられることも無かった。
あったのは、その場で彼が錠を外し終えたという現実だった。
「あ。ありがとう……」
「ん?いいよ。あと、奴隷首輪を手で壊したのは内緒にしててね。
じゃあ!急いでイウヤの所へ行こう!」
彼女が頷いたのを確認を取ったので急いでイウヤに渡すべく、彼女の手を引っ張り走ろうとした次の瞬間!ファーと爽やかな風が吹いたような感じがした。
急いでいるのに、その爽やかな風のせいで俺は彼女の方をもう一度見たんだ。それくらい、爽やかで柔らかい良い匂いの風だった。
「……!っ!?」
「どうかしましたか?」
驚くなかれ!彼女を見た瞬間私は、あろうことか!心に衝撃が舞い降りてしまっていた。
(まっまさか!スーゲーマン第四十四話・森の聖王女ユグドラシル地球に降り立つ!が、実現しようとは!?)
目の前には、豹の毛皮を被った彼女では無く、背中から透明の黄緑色の羽を計四枚で、羽ばたいていないというのに宙に浮いている彼女がソコにいた。
というか、おかしい程に変化し過ぎていた。
「……?森の聖王女??うまく全て読み取れませんね。何か強いスキルをお持ちですか?」
(え!?もしや、マジで!リアルユグたんなのかぁー!?)
説明しよう!スーゲーマン第四十四話とは
地球に突如、木々が唸るように成長して行き、人々は混乱しアスファルトの道ですらも成長した木の餌食となり崩壊の一歩を辿った。
そんな中、キドウ博士が『この森怪しい!(略)』となり武力を投下するも呆気に終わってしまう。
(人々は苦悩したとき!彼は現れ、未知の生物に会いに行くのだった。
彼はソコで、黄緑色の羽を生えたユグドラシル……通称ユグたんと命名し、スーゲーマンと仲良くなりそして一夜を共に過ごすようになるんだ。
幸せな日々は、地球の変化によってスーゲーマンは正義の……)
「大金貨百!!」
私のスーゲーマンウンチクが脳内を駆け巡っていたとき、薄幕の向こうから本来の私の目的であるイウヤの事を思い出したのは事実。
更に言えば、遠くの方で『ちょっと待て!ソイツは何者だ?』とヒュレイの声なんてミジンコのような小さな声は聞こえ届いて無い。
(ええい!彼女がユグたんかどうなのかは置いといて、会場の野次馬とイウヤに彼女を届けに行かなくてはな。)
「さ!早く行こう」
彼女の手を引くと軽い、何故ならば彼女は浮いていた。
何度か彼女を見て確認し、私は結論に至った。
「さあ!行こう!!」
「凄いです。魔法を唱えずとも宙に浮けますのね!?」
コクンと頷く私は、彼女と対等になりイウヤの元へ向かうのだった。
本日もヨロシク




