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シニア異世界へ  作者: ふ~ん
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なんか、吹っ切れた

こんばんは。

 久しぶりのベッドを使用してか、私は泥のように眠りに入った。

 私はそこで不思議とも言える体験をする。


 その体験とは、私がスーゲーマンのような格好をして何人……いや、目の前は砂煙に覆われていた。

 砂煙の向こうからは、大地を揺らし天は黒で覆いつくされている。そして、私ではない声が!私に向けてなのか?どうなのか分からないが、確かに言えることは声がこちらに向かっていること。


 そんな後ろを見ても砂煙、前を見ても砂煙で私はどうしたらいいのか悩んでいた。

 いくら時間が経過しても、声ばかりで何も来ないし、空を見上げても黒のナニカは動こうとしないから余計にワタシは迷っていた。


 そんな私を知ってかアル声が聞こえて来たんだ


「貴方はこの異世界で何を成し遂げたいのですか?」


 今一状況を掴めていない私は、誰が何処にいるのかキョロキョロと見ていると繋いでこうも言って来た。


「貴方は望みました。スーゲーマンとはヒーローなのでしょう?では、己の信じるヒーローにはならないのですか?」


(そんなの……只の自分勝手じゃないか)


 砂が舞って前も後ろも分からないのに、敵は居ないというのは分かっているはずなのに!どうしてか俺は身構えたい気持ちとなっている。

 それは、これから言い述べられる言葉を恐れているかのような。


「では、何故?何者にも負けない体と力を求めたのですか?」


「それは……私の好きなキャラクターであり、私の最も好きで憧れる人物像だから……」


 私は苦しも、大好きなヒーローであるスーゲーマンを自ら!自信を持って!!堂々と!!!言えない自分がソコにいた。

 そう!自分でスーゲーマンでは無いと言ってしまう。


「では……無敵の力と無敵の体を持つ者マンダ・スゴウは、これよりスゲェ星人という種で生きなさい。」


 『ん?』となる私の顔を無視して話しは続いた。


「私は、狂乱の女神の又従兄弟の神……創造の神でね。

 スゲェ星人というのを、今しがた作って歴史の書物に書き残したよ。」


「では、私の様な者が多数いる世界になったと言うわけだ。」


「それはあり得ません。

 あなたの様な強靭な星人は、この世に善と悪をもたらすと私は考えてます。……」


 創造神と名乗る者から、話をされた内容として私のような人種は私一人であること!何故なら世界にはバランスというのが存在する。

 私がお世話になった女神様は狂乱の女神である事だが、別に私の人生は自由に生きて良いというわけで、力をくれた神が悪に傾いていようが、この先の私の人生は悪にはならない……それは、私の行き先と選択で変わって来ると説明された。


「つまり、私は!ヒーローじゃ無くても良いというわけかな?」


「フフフ。ヒーローという重荷に縛られ、第二の人生だと言うのに謳歌して無かったのでは?」


「なんか、ありがとうございます!

 だけど、私の心にはスーゲーマンがいるのは確かです!ですが、少し楽しく!気楽に行こうという気持ちになれました。」


 少しスーゲーマンという偉大なヒーロー……少し人間チックで、悩みもすれば怒ったりもする映画の中の主人公は、既に私の中で大きくなっていた。

 それは、自分らしさが無くなっていたのかもしれない事に創造神に気付かせて貰う……スーゲーマンの事をよく知っていたはずなのに私は忘れてしまっていた。


 そんな心が晴れやかとなりだすと、瞼が光出して目を開けると窓から朝日が見えていた。


 夢のようであり、自分のタメの良い夢だったのを思い出し、今は自身の胸の前で拳を目一杯!力の限り握りしめる。

 どんどんと握りしめる内に、熱気が伝わったのか壁が乾燥してバシィ!と音を立てる。


 不意にも!俺はその音で驚き、驚いた自分に笑っていた。

 まあ、仕切り横で寝ていたイウヤが『ホヒャッ!』と驚いた声が面白かったのもあるが。

 今はもう止めて、ヒビが入った剣を自身の力で圧縮して付けているところ。


「お!?おはよう。

アレ?鍛治屋にでも行ったのか?」


 首を降って否定し、且つ剣を指先二本で剣の刃を『チュイイーン!』と伸ばしながら削るという荒行を行う。


「……へ?」


「凄いだろ。」


 ニヘラと笑う俺を見るイウヤは、まるで昨日とは別人を見ているかのようにも見えた。

 それもそうか……『お前、どうしたんだ?』って言ってくれているんだ!この発言こそ、私が私の殻を破った証しとなろうがな。


 心を弾む私はイウヤを起こして宿の朝食を摂りに行こうと誘うのだ。

 

「お前!何者だぁぁ??」


「俺?俺はスーゲーマンでヒーローさ。でも、今は自由に生きる只のシニアを卒業した若人さ。」


 尚もハテナ顔のイウヤを、強引に引っ張り倒して食堂へ連れて行くのだった。

明日もヨロシク

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