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初めての街 服屋

「さあ、お金が手に入ったんですから、色々見て周りましょう!」


レイーヌが楽しそうに目を輝かせてあちこちの店を見始めた。

それに慌ててついて行く、フェリスとヒルク。


「まずはどこに行きましょうか?」


フェリスが尋ねると、いち早くレイーヌが答えた。


「まずは服屋に行きましょう!

お嬢様の服を見たいし、私も欲しいわ!

お嬢様、いいですよね?」


「ええ」


私が答えると、レイーヌは一層目を輝かせ、

ヒルクの腕を引っ張って走り出した。

それを追い駆ける為に早足になるフェリス。

でも何故か揺れを感じない不思議。


「ここにしましょう!」


結構おしゃれな外観をした服屋に入って行ったレイーヌ。

引きずられるように入らされるヒルク。


「いらっしゃいませ~」


中から店員の声が聞こえてくる。

フェリスも入ると、中にたくさんの服が畳まれて置いてあるのが分かる。

この世界にハンガーという物はないのか…。


「まあ!可愛らしい服!きっとお嬢様に似合うわ。

ヒルクもそう思うでしょう?」


「あ、ああ…」


レイーヌははしゃぎながら、あちこち色々な服を見ている。

それにただついて行くヒルク。

まるで恋人同士のデートを見ているような気分になる。


「フェリスは見なくてもいいの?

お金はあるんだから自由に使ってもいいのよ?」


「僕は、この一着あれば十分ですし、このお金はお嬢様の物です」


そう言えば、ギルドから出た時も、私に渡そうとしてたのを

私が無理にフェリスに持ってて貰うように言ったんだっけ?


「フェリス、最低2着は買いなさい。

私の執事なら、ちゃんと着替えぐらい持ってなさい」


「よろしいのですか?」


「いいって言ってるでしょ?」


「ありがとうございます」


フェリスも見て周るが、服に関心がないのか、

身近にある服2着を取って、これにしますと言った。


「はぁ…。フェリス降ろして」


「はい」


フェリスに降ろして貰って、服を見る。

服は畳んで重ねて置かれている為、下の方を見ようと思えば、

上の服を除けなければいけない。


めんどくさいと思いつつ、ちゃんと見ると

結構種類はあるようで、フェリスに似合いそうな服を

見つけることが出来た。 


「フェリス、私が服を選んであげるのは今回だけよ。

感謝してね」


「お嬢様……」


フェリスに片手で手渡すと、フェリスの体は震えていた。

えっ、何?フェリスの様子が変。


「お嬢様、ありがとうございます!

僕はお嬢様に服を選んで頂く為に、今まで生きてきたのですね!

本当に、生きていてよかった!」


フェリスは、ぱあっと笑顔になって私に感謝してきた。

その笑顔はおもちゃを与えられた子供のようだ。


「はあ?」


大袈裟すぎるでしょ。

唯服を選んだだけじゃない。

全く…呆れて言葉も出ないわ。


「さあ、レイーヌの所に行くわよ」


「はいっ!」


レイーヌを探そうと、店の奥を見ると怒鳴り声が聞こえてきた。


「奴隷が勝手にうちの商品に触ってんじゃねぇ!」


奴隷…?見て見ると、怒鳴った店員とレイーヌの姿。

その二人の間に割って入ったヒルク。


「俺の主に無礼な口をきくな」


ヒルクは剣の柄に手を当てていた。

今にも剣を鞘から抜きそうだった。


私は2人の元へ行った。

後ろからフェリスもついてくる。


「一体どうしたの?」


「お嬢様!」


レイーヌが私に助けを求めるように見てくる。

ヒルクはいまだ、相手を睨めつけている。


「あんたが、この奴隷たちの飼い主か?

こいつらがうちの商品に汚れた手で触っているんだ。

この奴隷たちをちゃんと躾けてくれなきゃ、

困るなお客さん」


まるでレイーヌやヒルクの事をペットのように言う、

店員の言葉にイラッとした。


パンッ!


店内に乾いた音が鳴った。

私の平手打ちの音だ。


「あのね、あんた。

レイーヌやヒルクを何だと思ってるの?

レイーヌもヒルクもペットじゃない。

ましてや、奴隷何て事もないわ。


この店は店員の躾けも出来ないのかしら?

店長を呼んできなさいよ」


レイーヌやヒルクをバカにした、この店員にイライラする。

店員はタコのように顔を真っ赤にして怒った。


「何だと!?客だからっていい気になんなよ!」


店員はそう言い残して、奥へ引っ込んだ。

負け犬の遠吠えにしか聞こえないわね。


「お嬢様、すみません…」


レイーヌが申し訳なさそうに謝ってくる。


「あなたが謝ることはないわ。

あなたは何も悪いことをしていないのだし。

あの店員に喧嘩を売ったのは私。


まあ、いざとなればフェリスが守ってくれるでしょう?」


「はい、もちろんです。

お嬢様に指一本たりとも触れさせはしません」


私はその答えに満足して、奥を見つめる。

すると、奥から体の大きい男が出てきた。



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