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初めての街

しばらくして、味噌汁を飲み終わった国王と宮廷魔法使いは帰って行った。

さっきまで片膝を着いていた3人を見た。


「フェリスは兎も角、何でレイーヌやヒルクまで、

あんなことしたのよ」


ため息をつきながら二人に訊くと、二人はお互いを見て答えた。


「私は、面白そうだなーって思ったんですよ?」


「俺は、まあレイーヌに目線を受けて…」


成る程ね、まあ、レイーヌはそうだろうなって思ってた。

まさかヒルクまでするとは思わなかったけどね。


「はぁ…。私は部屋で寝るわ」


「何を言ってるんですか!?

今から街に行くんですよね??」


レイーヌが私の前に立ちはだかって、行く手を塞ぐ。

しまった…。忘れてたわ。


「私、もう疲れたんだけど」


「大丈夫です、お嬢様。

街にいる間は、ずっと僕がお嬢様を抱いていますから」


そんなさわやかスマイルで言わないでよ。


「フェリスが抱いてると、寝るかもしれないわよ?」


「構いません。ずっと、僕がお嬢様を運びますから…」


それじゃあ、私が行く意味がないと思うんだけど…。

もう、三人で行けばいいじゃない…。


「さあ、行きましょう!」


フェリスに抱えられて、家から出る。

街まではフェリスのワープで来た。


街の周りは壁で覆われているみたいだ。

恐らく魔物が襲ってきても大丈夫なように建ててあるんだろう。


門から入ると、賑やかな街並みが広がった。


「わぁ~!」


「わあー」


上の反応はレイーヌ。下の反応が私。

私は思いっきり棒読みで言った。


「さすがです。とても賑やかですね」


「ああ、さすが王都だ」


何処を見ても人・人・人。

たまに獣人もいたりするけど、少ないし、奴隷だったりする。


「さっさと済ませて帰りましょう。

で、何処に行くの?」


私が怠そうに訊くとウキウキと弾んだ声で、レイーヌが答えた。


「まずは、フェリスがダンジョンから取ってきた宝石類を売りましょう!

そして、お金が手に入ったら、服や家具を買いましょう!

他にも生活必需品も買いたいですし…」


「分かった、じゃあ行きましょう」


そして向かった先は、冒険者ギルド…。

私がここに来る日が来るとは。

思いもよらなかったわね。


来る途中は、視線がチクチクと痛くて、

ずっとフェリスの体に顔をうずめていた。


「できれば、入りたくはないけど…、しょうがないわね」


ヒルクが扉を開けて、フェリス、レイーヌ、ヒルクの順番で

冒険者ギルドに入った。

顔を上げてなくても感じる視線。

でも、気にしないことにした。


「おいおい、なんだ?あの集団」


「何か抱きかかえられてる奴、変な格好してるぞ?」


「だが、その隣に立っているエルフ。

超可愛くねえか?」


「確かに…」


どうやら、視線は私の服とレイーヌに向けられてるらしい。

ってことは、フェリスのせいで目立ってるんじゃない!


フェリスはヒソヒソ話も気にせず、受付らしき場所に向かっている。

もちろん周り何て見てないから、予想でしかないんだけど。


「すみません、冒険者ギルドは、ダンジョンで手に入れた物を

買い取ってくれると聞いたんですが」


「は、はい!買い取ります!

失礼ですが、お名前は…?」


「ああ、僕はフェリスと言います」


「フェリス様!もしかして別の国から来たんですか?」


緊張気味の声が聞こえる。

恐らくフェリスという美形のイケメンに緊張してるんだ。

この受付の女は好きになれそうにないわね。


「ええ、まあ、そんなものです」


「そうですか。良ければいい宿を紹介しますよ?」


さっさと、してほしいんだけど…。

こっちはさっさと帰りたいのに。


「すみませんが、急ぎの用があるので、

さっさと買い取りをしたいのですが…」


フェリスが不機嫌になっているのが分かる。

他人相手だと、隠そうとしないのかしら?


「す、すみません!

買い取り専門カウンターが、そちらにあります。

ご案内しますね」


慌てて受け付けの女が動いた。


「ありがとうございます」


きっと、フェリスは笑顔を振りまいてるわね。

後で意地悪しましょう。


場所さえ教えてくれれば、案内なんていらないんだけど…。


「こちらになります」


数歩歩いて止まったと思ったら、

そんなに遠くなかったらしい。

受付の女は、数秒でも一緒に居たいのか、

カウンターの人と取次ぎしている。


「態々、ありがとうございます」


「いいえ~」


受付の女はさっさと去って行った。

私は顔を少し前に向けた。


「へい、兄ちゃん見ない顔だな。

買い取り品は、こっちの台に置きな」


フェリスは時空魔法で空間に入れていた、

宝石や武器、防具を出し始めた。


「はい、冒険者ではありませんが…」


「へぇ~、買い取りの為に来たんだろう?

なのに、冒険者じゃねぇのか」


「はい」


会話が続く中、フェリスの空間からは、

どんどん出てくる出てくる。


「おいおい!待った待った!」


「なんでしょう?」


「こんなにあるのか?」


「はい」


台を見ると、もう溢れんばかりに乗せられていた。

どんだけ、倒してきたのよ…魔物が可哀そうだわ。


「ギルドの金が足りるか…?」


「足りる分だけでいいですよ?」


「そういう問題でもねぇよ。

ちょっと、ギルマス呼んでくるわ。

兄ちゃんたちはそこで待ってろ」


買い取りの男はそう言って奥に行った。

これは、目立ちそうな予感がする。

フェリスのせいで……。



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