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国王とお話 2

「そうであった、城の主に土産を持って来たのだ!

我が国の一番人気の菓子だ。

きっと、貴女も気に入るだろう」


国王がそういうと、宮廷魔法使いがどこからか

箱を取り出した。

箱には、"ニコニコビスキー"と書かれてある。

ビスキーって何?


「これ何?」


「食べてみろ!美味いぞ!!」


そう言って、国王は包みを開け、

その中の一つを口にした。

それ、私にくれるんじゃなかったの?


半分呆れながら、国王の美味しそうに食べる姿を見る。


「パクッ」


一口食べてみる。

サクッとしたクッキーだった。

何の変哲もない、唯のクッキーだった。


何でクッキーが一番人気?


「美味いだろう?

そういえば、昼は何も食べていなかったな。

ネフィル、この後街へ行った時には美味い店を紹介してくれ」


「はい」


体感時間で今は、午後2時。

お腹空いてるでしょうね。


「そうだ!城の主は普段、どんな物を食べている?

どんな食べ物が好きなのだ?」


「あのね…。そんなことを話すために

ここに来たわけじゃないんでしょ?

さっさと、要件を話してよ」


呆れたように言っても国王は同じことを返してくるだけだった。


「好きな食べ物は何だ?」


この男…。竜王二号かもしれないわ。

人の話を聞きもしない。


「お味噌汁…」


適当に思い付いた物を言う。

嘘ではないし、言わなきゃしつこい気がする。


「オミソシル?何だ?それは。

余は、食べてみたいぞ!」


「勝手に食べれば?

この世界を探せばどこかにはあるんじゃない?」


いつまで国王に付き合わなきゃならないのかしら…。

全然話が進んでない。


「お嬢様、お腹が空いていらっしゃるようですし、

フェリスに頼んでみてはどうでしょう?

きっと、作ってくれます」


ずっと、聞いていただけだったレイーヌが、

笑顔で言った。

はぁ…、余計なことを。


「本当か!?食べれるのか?」


「食べたいの?」


私が不機嫌さを隠さずに訊くと、

国王は頷いて、食べたい!と答えた。


「フェリス!」


「はい、何でしょうか?」


フェリスを呼ぶとワープですぐに現れた。


「お味噌汁を作ってくれる?

レイーヌはいるの?」


「いいえ、私は先ほどおやつを食べたばかりですから…」


まあ、普通は食べられないわよね。


「二人分でいいわ」


「分かりました」


フェリスは礼をして退室した。

全く、何で国王に味噌汁を御馳走しているのよ…。


「今のは、魔族だな?」


「……ええ」


やっぱり、分かるものなのね。

ヒルクにフェリスに伝えるように言えばよかったわ。


「陛下、もうそろそろ本題に入りませんと…。

この後、城下街を観光何て出来ませんよ?」


「おお!それはいかん!


それでは本題に入ろうか」


やっとね。ここまでが長かったわ。


「ネフィルから聞いておるかもしれんが、

今、ここメイベの森は、どこの国の所有地でもない。

その理由は、何処もメイベの森を取ろうとは思っていなかったからだ。


メイベの森は魔物の数が少なく、

取れるものと言ったら木か少しの薬草ぐらいだ。

メイベの森は手に入れても何の得にもならなかったのだ。

今までは…」


成る程、でも湖で魔獣に襲われたんだけど、

あれはなんだったのかしら?


「だが、メイベの森にはこの城が建った。

財を持つ者が国の所有地にいれば、

その者からお金を搾り取る事が出来る。

強欲な王がこの城の存在に気づけば、

すぐにでも狙ってくるだろう。


今は、まだ気づかれていない。

だが、それも時間の問題だ。


そこでだ。メイベの森ごと、我が国の所有地に入らないか?」


私は考えるふりをして紅茶を一口飲んだ。


「あなたの国の所有地に入ることで起こる、

メリットとデメリットは?」


国王は重い口を開けた。


「メリットは、決して余は貴女から財を取ろうとはしない事。

もし、何か事件が起これば、全力で解決するよう努力する。


例えば、以前の竜王に攫われるような事件だ。

以前はネフィルが頼んだ為に騎士を向かわせたが、

ネフィルは条件を呑むことで騎士を貸した。


我が国の所有地に入れば、余に助けを求めれば、すぐに駆けつけよう。

まあ、駆けつけるのは騎士だがな。


それに、まあ当たり前と言えば当たり前なんだが、

他国に狙われなくなる。

強さが全てなフューゼン国よりも兵は少ないし弱いが、

我が国の戦力も立派なものだ。


例え狙われたとしても、我が国の民という事で、

こちらとしては助ける目的が出来る。



デメリットは、我が国の所有地に入ると言うことは、

我が国の国民となるわけだ。

当然、王の指示には従ってもらうことになる。


だが、余は今まで苦になるような命令を下したことはない。

あまり重く考えないでほしい。


それに税を払って貰うことになるな。

だが、この城を維持できるほどの財があるなら

そんな苦でもないだろう。


そして、犯罪を犯せば我が国の法に則って、

罰を受けることになる。


これも、犯罪を犯さなければいいだけの話だ」


話が長い…。もっと要領よく話せないのかしら。


財を取らないと言われても、その財が私にはないから

関係ないのよね。


事件が起これば解決するよう努力する、ね。

竜王の時なんて何の役にも立たなかったじゃない…。


他の国から狙われるようなことになれば、

私が危険になれば、フェリスが何とかするでしょ。

きっと数値だって500からとんでもない数値に上がるだろうし。



って考えると、結局私にとってのメリットって何もないのよね。


「じゃあ、私の家とこの森が国王の所有地に入ることで起こる、

国王側のメリットは?」


国王はティーカップを持ち、

紅茶を一口飲んで答えた。





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