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フェリスVS竜王

「何でさっさと私の元に来なかったのよ」


私はフェリスに怒っているふりをして訊いた。

フェリスは本当に私が怒っているように見えたのか、

申し訳なさそうな顔をしている。


「すみません…。謝罪は後程いくらでもしますので…。

僕と城に帰って頂けますか?」


そんな分かり切った答えを訊く必要はないのに…。

私がここにいるということは、この城から逃げ出すつもりだったということ。


「フェリス、さっさと帰るわよ。

ここ数日、碌に睡眠をとっていないのよ。

それに、久々に和食が食べたいわ」


竜王の城での食事はこの世界の食材で作られた、この世界の料理だったから、

久しぶりに和食が食べたいのよね。


「分かりました。ですが、しばし我慢してください。

決着がまだついてはいないのです」


決着?私が疑問に思った時、城の外から竜王が走って来ていた。

その顔は鬼のように恐ろしい顔をしていた。


「フェリス!貴様、我との戦いを逃げ出すかと思えば、

ミーリスに軽々しく触れおって!

しかも何だ!その恰好は!

何故ミーリスを抱えておる!


ミーリスを抱いていいのは我だけだ!

ミーリスに触れていいのも我だけだ!

貴様にミーリスと我の邪魔はさせんぞ!!」


竜王は私がいるのも気にせず、フェリスに向かって拳を振り上げてくる。

フェリスは私を下すと、片手で私を支えながら、

もう片方の腕は、庇うように拳を受け止めた。

フェリスの顔が痛みで歪む。


「フェリス!」


「大丈夫です、お嬢様。

少しここでお待ちください。


すぐに終わらせてきますから…」


フェリスは私にいつものように微笑みかけてくるが、

庇った方の腕を押さえている為、無理をしているようにしか見えない。


「勝てるの?」


「勝って見せますよ。なんたって、お嬢様が見ていますから…」


フェリスは気持ちが顔に出やすい。

だから、不安そうな表情をしているのが分かる。


「『主の加護』発動」


今は数値は見ない。

だって、私の加護を持つフェリスは、誰にも負けないと確信できるから…。


「私のスキルがあるんだから、負けたら承知しないわよ。フェリス」


「!!はいっ!」


フェリスの笑顔も久しぶりだわ。

これから戦うとは思えないほどの明るい笑顔。


「何だ?何が起きた?

いきなりフェリスの魔力量が増えた……?

いや、魔力の質も良くなっている。

今の一瞬で強くなったと言うのか……?」


「竜王、今の私にはお嬢様がいます。

あなたには、負けません」


フェリスは、私を支える為に地面に落としていた剣を持つと、

竜王に剣の先を向けた。

もう勝つことが決まっているみたいに余裕の笑みを浮かべている。


「ふん、所詮少し強いだけの魔族。

何をしたのかは知らんが、この竜王に勝てると思うなよ!」


竜王はフェリスに向かって一直線に向かってくる。

ちょっと!まだ私避難できてないんだけど…。

巻き込まれないように二人の近くを離れる。


二人の再戦を、私は遠くから眺めることとなった。


「早く帰りたいわ」


ため息をついて二人の様子を見る。

ずっと、竜王がフェリスに攻撃を仕掛けていた。

フェリスはそれを避けるだけ。


大丈夫なの?フェリス。


「くっ!」


竜王が少し焦っている?

何故?フェリスはさっきから避けてるだけなのに。


そう、さっきまでは竜王の攻撃を捕らえることが出来ず、

竜王の攻撃を避けることなど到底できなかったのだ。

だが、『主の加護』によって強化されたフェリスのステータスでは、

竜王の攻撃を避けることなど、造作もなくできてしまうのだ。


今までとは違う強さを実感した竜王は焦ったのだ。

明らかに違う。何故、こんなにも余裕の笑みを浮かべていられるのか。

竜王の頭の中は予期せぬ事態に混乱しているのだ。


余裕と思っていた相手。

手こずることなどなく簡単に始末できる。

そんな相手に自分は攻撃を軽々と避けられ、

まるで遊ばれているようだ。


「くそっ!これでも喰らえ!」


魔力によって、身体強化をしてフェリスに攻撃をする竜王。

だが、竜王が身体強化を使用した所で、フェリスはそれ以上に強化されている。

またも、軽々とフェリスは避けることが出来るのだ。


「どうしました?

先程よりも速度が落ちてしまわれたのではないですか?

もしや、もう限界が来てしまわれたのですか?」


「うるさい!」


フェリスのちょっとした挑発を、冷静に受け止める余裕は竜王にはなかった。

フェリスは気持ち悪いぐらいにニヤリとした笑みを浮かべて竜王を見ていた。


「今度はこちらから行きますよ?」


フェリスは竜王が何も言う前に、一瞬で竜王の懐に入り、

剣を持っていない方の腕で腹に一撃拳を入れる。

竜王は吹っ飛んだ。

これもまた、竜王を驚かせた。


何度かフェリスが竜王に攻撃をしてくることはあったが、

こんなにも早い動きをフェリスがしていただろうか。

いや、逆だ。竜王がフェリスの攻撃を軽々と避けていたはず…。

竜王が弱くなったわけではない。

『主の加護』の威力が凄いだけなのだ。


「げほっ!がはっ!

ま、まさか…我がこのような魔族に一撃入れられるとはな…」


「何故、僕が強いか、あなたには分かりますか?竜王」


竜王はゆっくりと体を起こしながらフェリスを見た。

フェリスは真っ直ぐと竜王を見ている。



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