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お嬢様逃げ出す

どうにかして、出入口が見えるところまでやって来ることが出来た。

ここで一つの問題が発生した。

出入り口に門番がいるのだ。


普通に行っても止められるわよね。

強行突破は最後の手段に取っておくとして、

入り口にいる門番をどうにかしないと…。


またミーリスを演じながら近づくのが無難かしら?


「大変大変!門番さん!」


「どうしました?ミーリス様」


門番は外に向けていた体をこちらに向けて、

視線を投げかけてくる。


「あっちの方に何かいるの!

大きくて、ウジャウジャしたやつ!」


「大きくてウジャウジャ?」


門とは逆の城の方向を指さして言った。

門番が私の指が指す方向を不審そうな目を向ける。

これじゃ、あまりにも現実味がないかもしれない。


「黒くて、奇妙な声をあげてるの!

怖いの!やっつけて!」


必殺、目元をうるうるさせる。

これで、様子を見るために離れてくれればいいんだけど…。


「分かりました。少し調べてみましょう」


「うん!」


さあ、さっさとここから離れて。

私が見えないところまで。


「あれ?ミーリス様、何処にもそれらしき物体はいませんが?」


「えっ?」


はあ?何であんたどこにもいかないのよ!?

何で分かるのよ!


「この城にいる生物反応の中に、そのような物体はありません」


生物反応?何でそんな便利なスキル持ってんの?

そうだった……。

この人たち、竜族なのよね。


3日ですっかり見慣れてしまっていたから、忘れていたわ。

どう言い訳をすればいいかしら?

いいえ、もう言い訳何て出来ないわね。


「ハッ!」


門番に足払いをする。

油断していた門番は私の足払いを見事に受けていた。


「うおっ!」


私は倒れた門番何て気にせずに門の外を目指す。

早く早く!


「待て!!」


普段歩くことでさえフェリスに頼って、運動なんてしていない私と、日々鍛えている門番。

どっちの方が足が速いかなんて目に見えている。


門番はこけてもすぐさま立ち上がり、私を後ろから捕まえた。


「お前、まさか!ミーリス様のふりをした魔物だな!

よくもミーリス様に化け、俺を騙したな!

正体を現せ、この外道な魔物が!」


まあ、確かに私はミーリスじゃないんだけど…。

魔物ってわけでもないのよね。


「ちょっ!どこ触ってんのよ!変態!」


ってこんなこと考えている場合じゃないわ。

最終手段の強行突破が破られたとなれば、

もうこれは奥の手を使わなきゃならないと言う事…。


私は門番に抵抗しながら考えた。


でも出来れば使いたくはなかった。

成功する確率は低いし、失敗すれば…。

いいえ、今にもこの門番に殴られそうな状況で、

もしも何て考えるだけ無駄ね。


私は大きく深呼吸をした。


「フェーーーリーースーーーー!!!」


ここまで叫んだんだから、きっとフェリスは気付くはず…。

でも、フェリスはちょっと鈍い所があるのよね。

ここで助けに来てくれなきゃ、私死ぬかも知れないんだけど…。


「な、何をした!外道な魔物!

まさか、仲間でも呼んだのか?だったら無駄だ。

俺は誇り高き竜族の騎士だからな!」


門番が拳を振り上げる。

恐らく私を殴るつもりだ。

だけど、私の中に恐怖はなかった。


確かに聞こえたから…。


「お嬢様!!」


ほらね。私の騎士(ナイト)がやってきた。


「お嬢様を放せ!」


フェリスが門番に向かって険しい顔で向かってきた。

片手には見慣れない剣を持っている。

やけにボロボロになった服を着ていて、

所々怪我を負っているようだ。


何だか、いつものフェリスと違う…。

いつも穏やかに笑うフェリスもこんな表情をするんだ…。


「何だ?お前は誰だ!?」


フェリスを警戒心剥き出しで睨み付ける門番。

フェリスは問答無用で剣の先を門番に向けた。


「お嬢様を放せと言ったのが聞こえなかったのか?」


あれ?3日見ない間にフェリスの口調が変わってる?

こんな荒々しい口調じゃなかったはずだけど…。


「今すぐその汚い手を離せ!」


フェリスは素早い動きで、門番の首元に剣の先を当てた。

門番はその動きを見ているしか出来なかったようで、

抵抗もせずにフェリスを見ていた。


門番の顔に一筋の汗が流れた。


「チッ!」


門番は舌打ちを打つと、私を横に放した。

いや、突き飛ばした。


「あっ」


傾いていく体、悔しそうに歪められた門番の表情、フェリスの驚いた顔。

全てがスローモーションで、見えたような気がした。


地面とぶつかるのを覚悟して、咄嗟に目を瞑る。


「お嬢様!」


痛みはやってこなかった。

やってきたのは、いつもすぐ近くに感じていた久しぶりの人の体温。

それに、いつも呼ばれていた私の一番親しみのある呼び名。

目を開けてみれば、久しぶりに近くでみる、フェリスの慌てた顔。

ほんと、この人可笑しいんじゃないかしら。

ただ、突き飛ばされただけなのに…。


それをさも大袈裟なように捉えるフェリス。

なんだか、懐かしさを感じる。


「フェリス……。遅いじゃない」


「お嬢様、すみませんでした」


悲しそうな申し訳なさそうな、そんな複雑な表情のフェリスに

少しだけ安堵した。

良かった。いつものフェリスだ。



ストックが底を突き、慌てて書きました。

誤字脱字あるかもしれません。


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