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1年に1度のチートスキルで何とか異世界で生きようと思います……。  作者: 夜虎
第1章 異世界転移 『誕生日おめでとう』スキル
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カインとアドレッド

今朝、突如国の外れにあるメイベの森の大半が消え失せ、

大きな城が建ったという。

その知らせを聞いた国王が俺らに命令を出した。



「城の正体を暴け!

もしも、危害を加えるような輩なら斬れ」



俺はこの国の騎士団長カインだ。

それに副団長のアドレッドも共に命令を受けたらしい。

俺らは国の外れのメイベの森を訪れることとなった。



「なあ? アドレッド。メイベの森が一瞬で城になったって本当なのか?」



森に向かう途中の馬車の中、俺が半信半疑に思っていることを訊くと、アドレッドは頷いて答えた。



「ああ、住民が今朝薬草を採っていると、森の木々が消え、

一瞬にして城が建ったという。

証言人が二人いたから、頭が可笑しいわけではないようだ」


「ふ~ん。正体は別にどうでもいいけど、

早朝に命令を出されるのは嫌だよな」



お蔭で早起きして何度もあくびが出る。

そして、朝からアドレッドに支度が遅いと怒られる始末。



「まあ、そう言うな。

これも国の民の為、国王陛下の為」


「へいへい」



しばらく歩いていると、噂の城が見えた。

とんでもないデカさの城で、縦にも横にも大きく、とても一瞬にして出来たとは思えない。

王様の城がちっぽけに感じるぜ。



「こりゃ、スゲー」


「ほう……」



一瞬で城を造り上げる時点で人間業じゃない。

恐らく魔力で造ったんだろう。


それにこの規模となると並みの魔力ではない。

この規模の城を一瞬で造り上げてしまうほどの、

魔力を持った魔族がいるというのか。



「こりゃ、そうとうヤバイやつがいるかもな。

俺らだけで大丈夫か?

最悪、魔王でも出てきそうだ」



石造りの城で、屋根などの配色がほぼ黒のため、

どうしても不気味な雰囲気が漂う城に見える。



「今回は偵察が主だ。

危ないと思ってもこの場は引こう」


「ああ、そうだな。国王陛下も身の安全を第一にと仰ってたし。

はぁ……、何か供え物でも持って来りゃ、平和的話し合いで終わらねぇかな?」



話し合いが一番!

何事もお互いを知ることから、だよな!

まあ、魔族には大抵通じないが。

いや、もしかしたら俺みたいに、平和的話し合いが好きな魔族もいるかも知れねぇ。



「はぁ……それで?

お前は恐らく魔族であろう輩の好物を知ってるのか?」


「いや、知らねぇよ?」



無理だな。

しかも、今は供え物の代わりになりそうな物も持っていない。

俺は剣を振ることしか出来ない、所謂脳筋という種類の人間だ。

魔族の情報なんて知っている筈がない。

そんな風に頭を使うことなんてないからな!



「とりあえず、ノックしてみるか!」


「ああ」



俺は何も考えずに能天気に扉を叩いた。



コンコン






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