次の日、フェリスに質問 2
「魔力を少なくするなんて言ってたかしら?」
神は誕生日プレゼントをあげるとしか言わなかった様な?
「神様はお嬢様を無力にすると言いませんでしたか?」
「ああー、言ってたような気がする」
多分そこら辺はあまり真剣に話を聞いていなかった。
何だかぼーっとしていたし。
「それです。
魔力を体力のようにお考えください。
生き物は生きるために自然と魔力を消費します。
その魔力は食事で補います」
前世に食事で体力を回復させるゲームがあったような。
なかったような…。
「つまり私の魔力は神によって少なくされたから、
その分魔力が底をつくのが早いのね」
だから、あんな風に魔力が無くなって病気になった、と。
フェリスは人差し指を立てて話した。
「はい。
人間は主に二つで魔力を消費します。
1つ目は生きる事です。
生きていると自然と呼吸をします。
それと同じように自然と魔力を消費します」
フェリスは立てる指を増やした。
「2つ目はこの世界に生きる人間は生活の中で魔力を使います。
魔道具という機械のようなものです。
機械は電気を流して使いますが、魔道具は体内の魔力を流して使います。
この世界では魔道具を使うのは当たり前で、人は多くの魔力を使います。
ですから、お嬢様よりも魔力が多い人間も毎日3食食べます。
それを!お嬢様は食事をされなかったため、
このようなことが起きたのです!」
最後の方は真剣な顔のフェリスのお説教になっている。
なんでフェリスにお説教されなきゃいけないのよ。
「それって、私が悪いって言いたいの?」
「いいえ、私がお嬢様の役に立ちたいと、
自分の気持ちだけで動いてしまったせいです。
私が部屋に果実などの手を加えていない物を置いていれば
お嬢様はきっと食べたでしょう……」
フェリスが凄く落ち込んでる。
何これ、フェリスってどんだけ変な人なの?
こんなの誰が見ても私が悪いって分かるのに。
「フェリスって変人ね」
「えっ!」
「だって、私の自業自得なのにそれを自分が悪いなんて言うし。
やっぱり、フェリスって変人だと思うの」
私は内面ニヤニヤとした顔でフェリスに言った。
「そうよ、考えて見れば初めから変だった。
僕はあなたと共にいたいです!
僕はあなた無しでは生きることが出来ません!
とか、言ってなかったっけ?
僕をあなたの側に居させて下さい!
あなたの側にいることこそが僕の存在意義なのです!
とも言ってたね。まだ聞きたい?」
「いいえ…」
フェリスは真っ赤な顔で俯いていた。
恥ずかしがるぐらいなら言わなきゃよかったのに…。
「そうだ。まだフェリスが何者か聞いてなかった。
神とはどんな関係?」
実はこれが一番聞きたかったことでもある。
神との関係。
それになんで初対面であんなことを言ったのか。
「僕が何者か、ですか。
僕は魔族です。見た目は人間と同じですが…」
俯き気味にフェリスは話し始めた。
何か訳あり?
「へぇー、魔族ね。それで?」
「えっ!あの、驚かないんですか?」
ガバッと顔をあげて私を見るフェリス。
は?今のどこに驚く要素が?
「何で?」
「そうか、お嬢様は知らないのですね。
えっと、魔族は人間から恐れられているのです。
何故かと言いますと、魔族は人間よりも魔力を多く持ち、
尚且つ魔力の扱いに優れています。
それに魔族は幅広い属性の魔法を扱えます。
そして人間のように知恵もある。
弱い者は強い者に恐怖します。
ですから、人間が魔族を恐れるのも無理はありません」
そんなこと言われても初めて会った魔族がフェリスだし。
いまいち怖さが分からない。
「へぇー、でも私はフェリスを怖いとは思わない。
というか、フェリスって情けないわよね。
昨日思ったんだけど、私が苦しそうにしてる時泣いたでしょ。
男が女の前で泣くなんて情けないのよ。
もう、あんな情けない姿見せないでね」
何故か魔族の話を聞いていたはずなのに
私がフェリスに説教する形になっている。
は?何で?
「は、はい…。すみません、でした。
でも、良かったです!
僕が魔族と知ったら、お嬢様に驚かれるか、怖がられるか。
凄くドキドキしていましたから……」
良く笑うなー。フェリスって。
今も凄く嬉しそうに微笑んでる。
「そんなに嬉しいの?」
「はい!」
「そう、で?神との関係は?」
ここからが肝心。
スキルでフェリスが裏切らないことが分かった。
けど、神との関係は知っておかなければいけない。
「はい、僕は神様に助けられました。
死にかけている所を。
それから、神様の役に立ちたくて神様といたのですが、
神様は何でも自分で熟されてしまって、
僕は神様の役に立つことが出来なかったんです……。
そして、今回神様に捨てられました。
ですから、僕はお嬢様に捨てられれば
どこにも行く当てがありません」
へぇー、大変なことですね。
「なのに私にジュースを飲まそうとした時、
出て行くって言ってたのね」
「あれは、その…。お嬢様のご迷惑になるぐらいなら
自ら出て行こうと…」
ご迷惑、ねー。
脅してでもここにいようと思わなかったんだ。
もしくはあの時そのまま私を見殺しにして、城を手に入れるとか。
まったく、フェリスってほんと変。
「そう、私はフェリスが私を裏切らない限り、
追い出したりしない。
けど、裏切者には容赦しないから。
覚えておいて」
「はい!なら、僕は大丈夫です!
僕は絶対お嬢様を裏切りません!」
そう、聞き飽きた。
フェリスの口から裏切らないって3回ぐらい聞いた。
スキルでも見た。
「ってことは、もう神とは直接的な関係はないの?」
「はい、ありません。
僕にはお嬢様だけです!」
「分かった分かった。
フェリスが私を好きってことがよく分かったから。
話が進まないし。
そうだ、紅茶でも持って来て。
喉が渇いたから」
フェリスは顔を真っ赤にさせていた。
何?今の話のどこに赤面する要素があったの?
「すぐに持ってきます!」
早足で逃げるように去っていくフェリス。
本当に変な人。




