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次の日、フェリスに質問

目が覚めると、ここは暗い部屋だった。

私は大きなベッドで寝ていた。

ふと昨日のことを思い出した。

昨日一日で色々なことがあったものだ。


コンコン


「お嬢様、朝です。

起きておられますか?」


「ええ」


ゆっくりと扉が開き、部屋の外からフェリスが入ってきた。

出会った時からそうだったけど、

フェリスの服装は執事服みたいだ。

きちんとボタンを上まで占めている。

几帳面らしい…。

フェリスの手にはカートが握られている。


「お嬢様、朝食をお持ちしました」


フェリスはカートをベッドの近くまで持って来ると、

カーテンを開けた。


「良い天気ですね」


「そうね。眩しいから閉めて」


「分かりました」


私は眩しい朝日を手のひらで遮りながら言った。

フェリスは私の言うとおりにカーテンを閉めた。

私は朝が弱いのよね。


「昨日のうちにお嬢様のお好きな物を聞きそびれてしまったので、

幅広く朝食を用意してみました」


フェリスはカートの上に載せてある朝食の蓋を開けた。

そこにはご飯・味噌汁・卵焼き・酢の物。

食パン・フランスパン・サラダ・スープ・チーズ・バター・マーガリン・マーマレード・ヨーグルトなどなど。

実に様々な朝食が並べられていた。


「こんなにいらない」


「はい、残されても結構です。

残りは僕が食べますので」


ニコニコしながら答えるフェリス。

この人大丈夫?


「嫌じゃないの?

人の食べ残りなんて」


「はい!お嬢様の残しものなら食べます。

勿体ないですし」


と、照れ笑いを浮かべるフェリス。

私なら嫌だ。

人が食べた物なんて…。


「もしかして、昨日の料理が異様に多かったのも、

私の好みが分からなかったから?」


確か昨日のいつの間にか置かれていた料理も

到底一人では食べられないぐらいの結構な量があった。

フェリスは料理が好きなのかもね。


「はい、昨日のうちに聞ければよかったんですけど…。

お嬢様が眠られるようでしたので」


「朝、私を叩き起こして聞こうとか思わなかったの?」


「そんな!僕にはそんなこと出来ません!」


「そう」


まあ、フェリスならそう言うだろうな、とは思ったけど。

とりあえず、私は一番手元にあった味噌汁を一口飲んだ。


「フェリス」


「はい!なんでしょう?」


「味が薄い」


「はい…。明日からはもう少し濃くします…」


フェリスは服のポケットからメモ帳を取り出し、

すらすらと何かを書き始める。


「何を書いてるの?」


「はい!お嬢様の要望を書いています。

明日から実行するために!」


ふ~ん。真面目ね。

そんなに真面目で疲れないのかしら?

私は他の白米や卵焼きに手を付けた。


「こうして見てると執事みたいね」


「はい!お嬢様に仕えることが出来て嬉しいです!」


本当に嬉しそうな顔してるなー。

私だったら誰かの下に就いて扱き使われるとか嫌だ。


「あら、いいの?

私はフェリスのこと扱き使うわよ?」


「はい!寧ろ僕を頼ってください!

お嬢様に頼られるなら嬉しいですから!」


ふ~ん、変なの。

頼られるとかほんと嫌。

私は自分のことぐらい自分でやってよって思うのに。


「フェリスって変わってるのね」


「そうですか?」


「卵焼き、甘くして」


「はい!お嬢様」


その後も味が気に入らなかったらフェリスに言った。

フェリスは私の言ったことを熱心にメモ帳に書いていた。


そんな朝食が終わってフェリスはカートを持って部屋から出て行った。


「殆ど残したけどフェリスはあの量を全部食べるのかしら?」


結局私が手を付けたのは和食の中のほんの少しだけ。

減ったのかどうかも分からないぐらい。

それでもフェリスは自分の料理を私が食べることが嬉しいのか。

終始ニコニコと嬉しそうだった。


「それにしてもスキルがあって、騎士が来たぐらいだから

ファンタジーな世界だと思ってたけど食べ物は全然前と同じ。 

何が違うのかしら?」


コンコン


「入ってもよろしいですか?お嬢様」


「ええ、どうぞ」


私が許可を出すと控えめに扉が開かれた。


「失礼します」


フェリスが歩いて私の隣で立ち止まる。

そういえばここにはベッドぐらいしかなかったんだった。


「そうね、ベッドしかないからベッドの端にでも座って」


私がそういうとフェリスは慌てて両手を振ってきた。


「いいえ、そんな!

お嬢様がお眠りになられるベッドに僕が座るなんて!!

僕は立ちっぱなしでいいので」


何か変に気を使ってる?

変なの、座っていいって言ってるのに。


「そう、フェリスが言うならいい。


じゃあ、早速教えて貰うけど。

昨日のアレは何?

凄く苦しかったんだけど……」


昨日は本当に苦しかった。

もう少しで地獄でも見えそうだったし。


「はい。アレは体内の魔力が少なくなることで起こる病気のようなものです。

人はそれを魔力不足と呼びます。

滅多に起こることはありません」


滅多に起きない病気…。

まさか、新しい世界に来て早々病気になるとは…。


「病気?その魔力不足って珍しいの?」


「珍しいと言うことはありませんが…。

この世界に住む者は誰でも体内に魔力を持っています。


そしてお嬢様はその魔力があまりにも少ない。

それは神様がお嬢様の体をそうしたから…」



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