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鬼子母神  作者: 神無 乃愛
18/25

四の四

前回切るところを間違えました。

取り急ぎUPします。

 戦前、政宗が義のところへ立ち寄った。

「此度の戦、田村が出てくる前に終わらせます」

 相馬の家は愛の母親の実家だ。だからこそ、敢えて口にしたのだろう。義から愛に伝えることを前提に。

「今の時期でなくとも、とは思うたがの」

「背後は未だ分かりませぬが、あの一件(、、、、)の裏に田村がいてもおかしくはないのです」

 その後の調べで、愛の乳母は相馬の家とも繋がりがあったことが分かったらしい。


 愛が田村に戻れば、相馬から婿を取らせれば(、、、、、)いい。そう考えてもおかしくはないと。それが、今回戦を仕掛けるもう一つの要因になっているということだ。

「そこまで言うならば、わたくしは何も言わぬ。華々しい戦果など要らぬ。無事の挨拶がよい」

「はい。留守の間、愛と竺丸をよろしくお願いします」

「本人に言えばよかろう」

 そうからかえば、政宗の顔が真っ赤になった。

「い……言えるのでしたら、とっくに言っております! では!」

 来た時と打って変わって、どしどしと音をたてて戻っていった。

「聞いておったか、愛」

「……はい」

 こちらも消え入りそうな声で答えてきた。己たちにはなかった初々しい夫婦ぶりである。

「わたくしは、我が君の無事でも祈るか」

 二人にあてつけられた義は、そのまま輝宗のところへ向かった。



「此度の戦は、父の代より続く動乱の流れ」

 既に軍議が始まっていたようだ。おそらくは政宗が戻り次第始まったのだろう。


 夫と我が子の無事を。そして、伊達家家臣の無事を。



 それだけを祈りつつ、義は部屋で雲を見つめていた。


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