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これがわたしの生きるみち

えと、結論を申しますとですね、どうやらわたくし高橋恵子はあのおちび竜の「おかあさん」になってしまったようでございます。ハイ。



しかもなんだか、ものすごーく若返っちゃって、いまや見た目20代? みたいな。

さすが異世界! どういうしくみだかわからないけれど、あたしの老化の素? みたいなもの( ageエイジ というらしい)が竜くんには必要なんだって。




……あの日、あの時、キラキラ(というかフラッシュ?)と共に現れたイケメンにーちゃん。あの人、あたしの顔を見るなりもんのすごい顔で睨んだんですよー。コワカッター。40年間生きてきて、男の人にあんな目でみられたのは人生で初めてでした。


まさかのドラゴンキラー? とかビビってたら、わたしの腕から奪いとった竜くんの顔を、布でぐるぐる巻きにし始めた。ちょっとひどいことしないでー! って思って止めようとしたら、腕を掴まれ一緒にキラキラフラッシュ。


気付いたら知らない人たちがいる部屋にいて、何やら尋問され始めちゃった。なんとイケメンさんはちび竜くんのおとうさんだったらしい。お名前はケントさん。


ありがたいことに言葉は通じるんだけど、話が通じない! 一生懸命説明したけれど、まあ「気付いたらあそこにいました」「異世界からきました」なんて、そりゃ頭のおかしい人だと思うよね。



そうこうしているうちに、竜くんがぐったりしだしちゃって。どうやら早々に何か儀式をしないといけなかったらしく、ケントさんと神官らしき人が慌てて竜くんをどこかに連れていった。

が、その後もあたしへの尋問は続き、結局、竜くんのママ(本物の!)が来るまで解放してもらえなかったのでした。



竜くんのママ、ユリシアさんは竜くんの頭のてっぺんのもふ毛と同じ金色の髪をしていた。瞳はグリーン。ほんわかした笑顔の、なんというかとっても親しみやすい感じの美人さんだ。



彼女はあたしの話を信じてくれて、この国――ユーレリア――について一通り説明してくれた。


そして最後に、あたしがここにいるのは彼女の息子であるリューシオンくん(あのちび竜)に未来の伴侶として「喚ばれた」からであり、元の世界に還す方法はわからないしわかったとしてもきっとリューシオンくんが還さないと思う、と言われてしまった。


まあね、竜くんの「育ての母」になるってのはいですよ。でも「伴侶」ってのはないよね? 年齢違いすぎるし、種族違うしっ! て、抗議してみましたけどね。

そもそも彼女もドラゴンで(竜くんの実母なのだからあたりまえか?)ケントさんはヒト族で。年齢差185歳の異種族婚。……それが何か? と一蹴されてしまいましたよ。はい。



しかもこちらのヒト族の平均寿命(約200歳だって!)からいくとあたしは相当短命らしく、その分age(エイジ)が蓄積されやすいらしいのです。


ユリシアさん曰く、その分をリューシオンくんにあげれば、

「いつまでも若くいられて、かわいい旦那さんも手に入って一石二鳥よ♪」

……と、いうことらしい。


まあ、別に元の世界にそんな言うほどの未練なんてものもないし――あ。お父さんお母さん、薄情な娘でごめんなさい――若々しくいられるってのはいくつになっても魅力的かも?



その後、ユリシアさんに手を引かれ、すすんだ先にある広場に入ったとたん、竜くんもとい「リューシオン」くんがこちらにすっとんできた。どうやらそれが「プロポーズの儀式(?)」だったらしい。んなこたもちろん知らなかったので、思いっきり抱きしめてすりすりしちゃいましたよ♪ だってかわいいんだもーん。


しかも「ケーコはぼくのことキライ?」ってうるうるされたら、キライなんて言えるわけないでしょーっっ。

まあ、伴侶になるかどーかはキミがオトナになってから考えるということで!



……あ、なんか向こうに苦虫をかみつぶしたような顔をしたケントさんがいたけれど、無視、無視。




とりあえず、しばらくはがんばって「おかあさん」することにしまーすっ!




今回も読んでくださりありがとうございます。

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