温泉だいすき?(3)
「わ~、おいしそーう♪ リューくん、唐揚げもあるよ~」
やっぱ旅館で温泉のあとは料理でしょ。海の幸山の幸と地酒だよね!
ちなみにこの南の神殿のある地域は残念ながら近くに海が無いのだけれど、代わりに湖でとれたお魚がいただけマス。
なぜに唐揚げ? ってお思いでしょうが、これがこのあたりの名物になってしまいまして、旅館や料理屋はおろか町の屋台なんかでも串にさして売っているんですよ~。
「はーい。では、いただきます!」
「わぅぅぅぅん!」
ということでしばしお食事タイム。マサムネも一緒にごはんです。
マサムネ、しっぽブンブン振りまくってます。ちぎれそうです。みんなでごはんがそんなにうれしいか? そうかうれしいのかー。
お部屋は日本間もどき(これも造ってもらいました!)もありますが、今日は洋間で椅子に座っていただいております。そのほうがリューくんが楽チンなのですよ。
最近とみに大きくなってきてるので、おうちの椅子とベッドは特注いたしましたのよ、昨日。
「あ、リューくん、マサムネに唐揚げあげすぎないでね! 塩分摂りすぎちゃうからね」
まあ、あたしの知っている犬猫よりは長生きするんでしょうけど、気をつけるに越したことはないものね。
リューくんは育ち盛りだからいっぱい食べていいんだよ。そのかわり、たくさん運動しようね。
「そういえばそのうちケントさんが剣の稽古始めようって言ってたよね? 楽しみだね」
リューくんはまだちょっと何か悩んでいるようだったけど、何気なさを装って話題をふってみる。
実はリューくんのお父さんであるケントさんは元騎士だったそう。今でもときどき南の神殿の騎士さんたちとも手合わせをすることがあって、それを見て羨ましそうにしていたリューくんに、人型がとれるようになったら稽古つけてくれるって言ってたんだよね。
やっぱり男の子ってのは騎士とかに憧れるもんなのかな。
「うん……。でもぼく、人型いやだ……。だってものすごーくちっちゃいんだもん!」
え? なにそれ。ちっちゃいって、ちっちゃいって、それじゃ人化したことがあるってことかな?
人化できなくて劣等感に苛まれてるかと思って心配してたよ。ちょっとだけ良かったかも。
ちっちゃいってどのくらいかね? 地球の小学校入学前だったら1mちょっと越え位じゃなかったっけ。こっちだとどの位なんだろうか。
……人型になれないんじゃなくって、ならなかったのかー。そっか。前者だったらあたしじゃどうにもできないけど、後者だったらどうしてならないのか、なりたくないのか相談にのってあげることはできるもんね。
まあ、自分に置き換えてみたってさ、今まで暮らしてきた見た目と全然違う容姿になっちゃうんなんてなんかちょっと不安にもなるよね。
でもほらリューくん。人型になるとさ、えんぴつやお箸も苦労しないで持てるようになりそうじゃない? 座イスにも座れるよ~。少しくらいぴょんぴょんしても大丈夫かもよ?
あ、そういえばリューくん大きくなったから、そろそろおねむもお風呂も別々でいいかな~? って思ってたんだけど、どうかな?
「やだやだぜったいヤダ! ぜったい一緒!」
……さいですか。
そんな、即行で人化しなくてもいいからー。お洋服とか持って来てないってば!
と、とりあえず、お部屋備え付けの浴衣もどきでも着ておいてくださいな。
瞳はケントさんと同じ碧だけど全体的にはユリシアさん似ですね、リューくん。美少年、というか美幼児?
絹糸のようなサラサラの金髪、シミひとつないお肌。ほっぺもつやつやぷくぷくで思わずツンツンすりすりしたくなるですねぇ。
手足はほっそりであたしより小さいけど、抱っこはさすがに重いって~! おひざでかんべんしてくださいね。
やー、こりゃ大きくなったら絶対イケメンになりますよ~。
ドラゴンのときもかわいかったから予想はしてたけど、ここまでとはね。旅館の浴衣なのに似合ってるわぁ。あ、甚平も似合いそうね!
よーし、夏用におそろいの浴衣作ってもらおうね~♪
本日もお読みいただきありがとうございます。
7/29 サブタイトルを変更いたしました。




