帰宅途中、夜食調達のその後で
人生初の投稿です。つたないお話ですが、どうぞおつきあいくださいませ。
ああ、疲れた。なんてったって疲れた。
一日でも早く「人生あんな日もあったね」と、この残業続きの日々を懐かしく思える日が来ることを夢見る今日この頃。
残業確定の日はいつも、終業後、早めに超安の社食へかけ込んでいるはずなのだが、今日はいつにも増してバタバタしてしまい夕食をとりそこねてしまった。
電車に揺られながら携帯を開くと22:00を過ぎたところ。本来ならこんな時間に食べちゃいかんのだが、このまま帰っても、きっと寝られない。
ううー、はらへった。駅に着いたらコンビニ寄ろっと。
改札を出て階段を降り、まっすぐ30秒ですぐコンビニ。駅近のせいか、いつ立ち寄っても混雑していて、お弁当やサンドイッチ、ホットスナックなども充実しており「おひとりさま」には嬉しいかぎりだ。
今夜はちょいとビールを飲みたい気分。缶ビールにサラダパスタ、明日の朝食用としてサンドイッチをカゴへ入れる。
明日をも知れぬ(大げさ?)しがない派遣社員。節約のためなるべく自炊を心がけてはいるけれど、ま、たまにはいいでしょ。
ああ、そういえば醤油が切れていたっけ。と、「昆布しょうゆ」もカゴに放り込む。何気に我が家は生醤油よりも「めんつゆ」や「だし醤油」をメインで使用する。
だって応用が利いて便利なんだもーん♪ と心の中でハミングしながらレジへと並ぶ。
最近はアジア系の店員さんが増えたなー、などと思いつつ、唐揚げ串2本をオーダー。
その名のとおり串に唐揚げが刺さっているだけなのだが、100円とお手軽なのでちょいちょい買ってしまうのだ。
会計をすませ外へでると、家までは徒歩であと15分。夜はさすがに物騒なので、なるべく車通りの多い道を通るようにしている。
が、メイン通りへ出るには駅のバス乗り場の向こう側へぐるーっと一回りしないといけないため、そこはショートカットして裏道へ入る。裏道とは言っても居酒屋も数件ほどあるし、まあちょっとだけ暗いが、メイン通りと交差する通りはすぐそこ、目に見える距離。
酔っ払いのとばっちりに気をつければ危険なんてない無いナイ、さっ。おほほ。
いい年をしてはしたないのだが、空腹に耐えきれず暗がりに入るとおもむろにゲットしたばかりの唐揚げ串を一口ぱくり。
この「あとちょっと」が我慢できないのよねぇ。すきっ腹にしみるぜい! と、ひと時の幸せをかみしめる。
串を一旦袋へ戻し、食べやすいように2個目の唐揚げを袋の上からうりうりっと串先へと動かす。
ふ、ふふーんと再び口へ運ぼうとしたその瞬間、空気が変わった。
気付けば、さっきまでの車のライトやざわめきが嘘のように静まり辺りは真っ暗闇。
なんじゃこりゃ。
何が起こったか呆然とする高橋恵子、未婚・子無し、二度目の成人式を迎えたばかりの「お年頃」な派遣社員生活10年目の春であった。
7/29 誤字修正いたしました。